「孤独な仲間は世界中にいる、そんな実感に感動するロードグルメムービー」劇映画 孤独のグルメ 894mtoさんの映画レビュー(感想・評価)
孤独な仲間は世界中にいる、そんな実感に感動するロードグルメムービー
パリ、日本、韓国、あちこちに井之頭五郎が出張しながら、沢山の面白い、美味しい粒を拾い集めている。
それに付き合って旅しているような、言ってみたらロードグルメムービー、だろうか。
一部展開のそんなことある?は皆さんのご指摘の通りですが笑 まぁそこは見逃してもいいのかなと。
私のような人は珍しいかもしれませんが、この映画に感動したのです。
映画内の五郎の旅を通じて、孤独に美味しい食べ物を楽しむという体験を、同じように誰かもやはり感じている。そのことをイメージできるシーンや流れが特に終盤ところどころにあって、それが物凄く救いになります。
テレビやサブスクの孤独のグルメは、視聴者がそれぞれ個々人の時間で視聴しているだけですが、映画という立体的な場に移って、同じ映画館内には視聴者が実際にいる、という意味でも、映像の中でも、外でも、孤独のグルメワールドが拡張されて共有されたように思います。
誰にでもあるような、なんでもない日常を楽しむことをクローズアップしてみたり、個々の体験でしかないそれを、肯定的なものとして、他者に理解・共有・共感されるって、本当に素敵なことだと思います。
そういう、孤独のグルメの良さを、映画をみながら再確認する、そんな時間を過ごしました。
だんだん大食いできる歳ではなくなってきたかもしれないけれど、松重豊さんにはぜひもうひと頑張り、お願いしたいところです。
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