「観たら孤独になった」劇映画 孤独のグルメ おきらくさんの映画レビュー(感想・評価)
観たら孤独になった
自分が悪い。
今まで何度も「劇場版」というやつで痛い思いをしてきたはずなのに。
今回も最初は観る予定無かった。
でも、評判がかなり高いような気がしたし、今回は「劇場版」ではなくて「劇映画」だし。
もしかしたら今回は面白いのかもしれない。
よし、もう一度だけ信じてみよう。
そう思っていざ鑑賞。
鑑賞後。
後悔先に立たず。
金欠なのに、金をドブに捨てることに。
面白いと思える瞬間が本気で一度も無かった。
でも、自分が悪い。
YouTubeでこの映画の感想動画を検索。
絶賛の嵐。
とても孤独を感じた。
ドラマ版は未見。
そもそもテレビは観ない。
冒頭の飛行機の場面。
機内食といえば「肉or魚」だと思っていたので、「ビーフシチューor焼き鳥丼」なんてあるのかなと思いつつ(飛行機とは無縁の生活)、みんなビーフシチュー頼んだら足りなくなるのでは?なんて思った。
まあでもこの時はまだこの映画への期待感があった。
パリ到着。
ここで元恋人の娘の祖父と出会い、「子供の頃に飲んだスープをもう一度飲んでみたいから、そのための食材を集めてきて」と依頼され、食材集めの旅に出ることに。
正直、この「食材集めの旅」に全く興味が持てず。
わざわざ映画館の大スクリーンで描かないといけないことなのだろうか。
途中、海で嵐に遭って謎の島に漂着する展開が、意味不明すぎて話についていけなった。
完全に少年漫画の世界。
真面目に観る気が失せる。
そもそも海に出る前に主人公の取る行動からドン引き。
いつから、金を置いておけば人の家の物を勝手に持っていってOKな法律になったのだろう。
野菜の無人販売じゃないんだから…
後で返却したからセーフ、みたいな感じになっていたが、この映画に影響を受けて同じことをして逮捕されたら、テレビ東京は責任取ってくれるのだろうか。
「見知らぬ島に漂着」ってかなり大ピンチな状況のはずなのに、その結末が「主人公が頑張って解決」ではなく、「たまたま通りかかったものすごく親切な人に助けてもらう」だけ。
なんという都合のいい展開。
材料が集まった後はラーメン屋にスープ作りをお願いしていたが、依頼主が言っていたスープは家庭料理に出てくるようなものだと思うので、ラーメン屋で何日も煮込んで作るようなスープとは別物だと思うのだが…
ラーメン屋にお願いするのが、ずっと腑に落ちなかった。
あと、ラーメン屋が最初は落ちぶれていた理由が、最後まで観ても謎のままだった。
『孤独のグルメ』ファンにとっては当たり前のことなのかもしれないが、ずっと主人公の心の声が聞こえてくる演出が、映画の演出としては稚拙に感じた。
質の高い映画ほど、役者の表情や演技から、その人物が何を考えているかが読み取れるようになっているものなので。
でも、ここまで心の声が出てくる映画は他に無いと思うので、逆に斬新な気もした。
それ以上に気になったのは会話シーン。
状況を説明するためだけの長台詞が多すぎ。
テレビドラマなら良いのかもしれないが、映画だと厳しいものがあった。
本作で初めて『孤独のグルメ』を観て、このシリーズがYouTubeにあるような「食レポ動画」みたいなものを連続ドラマの中に組み込み、それで人気を得ているということはわかった。
でもそれは映画でやらないといけないことなのか、やっぱり疑問に思ってしまった。