HAPPYENDのレビュー・感想・評価
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10年後観たら、きっと良くある青春ストーリーになると思う。、
ちょっとだけ未来の日本はこのようなことになるのかもととてもリアリティを持って想像が出来る内容だった。
色んな問題がある中で、諦めてしまうヒトがいることも理解できるし、行動をしようとするヒトがいることも理解できた。
自分自身もこれから先の日本には期待出来ていないがその次の世代はもっと期待をすることは出来ないだろうなと思った。
今この映画を見ると特異な映画だなと感じるが、10年後この映画を見ると特別なことではない青春ストーリーなのではと感じさせられる。
未来を想像することが怖くなるし、何か行動をしていく必要もあると思わされた映画だった。
最後に卒業式
を持ってきて上手く考えられてるな。ヘイト、分断、管理、格差色々ぶち込み過ぎのケはあるけれど、もし1年以内に直下型大地震の予測情報が出れば、こうならないとは限らない不穏さ、不安感が確かに在る。あの音はホントに嫌だな・・。
故首相寄せ、ブレランいただきとか細部も凝っていた。予算は違うし、味も全然違うけれど侍タイムスリッパーと同格だと感じました。
生きづらさと迸る若さと
主人公のユウタとコウ、
若さゆえに生きづらい世の中でうまく適合できなかったり
自身の出自から不条理な扱いを受けたりと
実にもどかしい心持ちをうまく表現していると思います。
劇中の悪巧みだったりや、友達との時間の過ごし方も
若さがあっていいなあと。
劇伴も効果的というか、
監督が坂本龍一さんの息子さんということもあるかも
ですが、それっぽさを感じたりもしました。
主人公がテクノDJを志している設定も私としては
刺さりましたし、面白かったです。
ラスト近くの楽器店の店長さん(?)のプレイとか、
すごくよかったですね。
空中に文字が表示されるディスプレイが近未来感を
醸し出していたり、世界観も現実離れしすぎておらず、
リアルで親近感が持てました。
何か結論がある話ではないけれど、
この世代でしか味わえない生きづらい感じを
体感でき、ちょっと自分も若返った錯覚に陥りました(笑)
求め過ぎ?
156本目。
混在した近未来の高校生の話。
体制に対しての不満、疑問をもつのは高校生に限らず、不自然ではない。
でも明らかに狙い過ぎの伏線。
地震速報なんて、ひょっとしてあの為だけにと思ってしまう。
5月に卒業式かよと思ったけど、近未来だからと言われてしまえば、それまで。
作品同様、スタッフも外国の方が多いのも、この作品を作る上で必要だったのかなと思うけど、パーフェクトではなく、ベストを選択するのが、憲法だったり、法律だと思う。
君はDJ行松を見たか
空音央監督「HAPPYEND」笑いと涙の王道青春映画でもあり、ファシズムとレイシズムに飼い慣らされた連中が勝手に押し付ける定義やシステムにそれぞれのやり方で悪戦苦闘しながら抗う人たちへの讃歌でもあった。コウの憤りの震えに私たちは気づかなければならない。
その他ツボだったところ
・DJ行松陽介
・コウの実家の韓国料理店はお酒は安いがキムチ盛り合わせとナムルの盛り合わせがちょっとお高い
・ヘイト街宣にカウンターするフミが素敵
・ヘイト校長の校長室にある歴代校長の写真がもろ某レイシスト作家
・映画史上最も泣けるキンパ
鮮烈な映像、ずっこける脚本
舌を巻く見事なショットがこれでもかと出てくる作品で、映像作家としてのこの監督の才能は明らかですね。オープニングすぐの、駆ける高校生たちと併走する夜の電車、空っぽのガレージで大きく揺れる照明と壁に映る少年たちの影、などなど…。音楽も編集も秀逸です。
しかし脚本がずっこける。大震災・監視社会・外国人差別は現代日本が抱えている差し迫った課題で、それを都合よく近未来SFに改変した物語を、なんでいま見せられるのか。そこを真剣に突き詰めて考えていないから、友情も政治も、ふわっと曖昧に仄めかされるだけで、リアルな痛みを伴わない。だからだんだん文科省推薦の道徳映画めいてくるのです。改憲や緊急事態法制がテーマとして提出されたのに、それはほっぽらかしで高校生が校長と直談判して校則を変えて成功!みたいに話が収束してしまう。
申し訳ないけど、これは政治・社会についての監督の考えが浅いからとしか言いようがない。なんかいろいろ社会問題が言及されても、そのどれもが深まっていかない。世の中で「政治」「社会」と名指しされているものを名指しされているとおりの形で取り込むのみで、自分の身体を賭けて対決して自分自身の洞察に到達するという経験を経ていない。要するに薄っぺらい。
そんなわけで、映像のみごとさと浅い話の取り合わせが不思議な作品で、思いきり好意的にいえば「今後の大きな可能性を感じさせる」ってことですね。
この世で一番えらいのは電子計算機〜
ありうるかもしれない未来を舞台に、友情の危うさを独特のサウンドと映像美で描いた青春映画。
心に痛烈に響いてくる映画でした。
近い将来に起こり得る、得体の知れない不安や恐れを静かに強く感じさせる。そしてあなたは、逃げるか、たたかうか、あきらめるか?と。
どんな世の中であっても、学生時代に育んだ友情(恋愛)は、たとえ別々の道を歩んだとしても永遠であって欲しいと思います。
キャストのみなさんは高校三年の揺れ動く心の機微を真っ直ぐに演じられていました。素敵でした。
坂本龍一の息子さんが監督と言うこともあり、期待させられましたが。映...
坂本龍一の息子さんが監督と言うこともあり、期待させられましたが。映像は昔の映画のようで鮮明でなく、音響も迫力はなく、登場人物の背景描写が少ないのでドラマの盛り上がりに欠けるし、主人公たちの主張も切迫感はなく、近未来と言うには街の映像はブレードランナーのパクリを思わせるし、感情移入できず。でも何故か Filmarks での評価は高く、自分は60代だが、若い人達の感受性とはギャップがあるのかと意外です。最近の映画で感銘を受けたのは「ぼくが生きてる、ふたつの世界 」です。一方、「PERFECT DAYS」もすごく評価が高いが、現実にあるかなと冷静に見てしまった。
いちばん偉いのは電子計算機
自分が苦手そうな雰囲気が予告やポスターから醸し出されていたから、多分好きになれないだろうな〜ハマれないだろうな〜と思いながら鑑賞したら、驚くほど高品質で作り込まれており、大好きと言える作品だった。
ストーリーやメッセージそのものは「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」とどこか似たものを感じるけど、あの作品よりも現実的で近い将来起きる、いやむしろ今すぐにでも起きてもおかしくない日本社会を描いており、そのリアルさがまるで監視カメラ越しの映像かのようで、どことない緊張感と物語の説得力があった。
かなり静かで間の多い作りにもかかわらず、神妙な音楽や独特なカメラワークがこの映画だけの世界を造り上げ、ストーリーは現実主義なのにどこか遠くの国の様子を見ているような、そんな気分に襲われた。空音央監督作の故・坂本龍一のドキュメンタリー映画に携わったスタッフが再集結しており、おかげで日本が舞台なのに日本映画には思えない不思議な映像体験を味わうことが出来る。編集、撮影、プロデュース、音楽など、数多くの外国人スタッフが在籍していることもこの体験の一因だろう。
今にも終末を迎えそうな世界。秩序はとっくに崩壊しており、社会性も失っている中で、主人公たちは今だけの青春を謳歌する。明るく、楽しく、一生モノの大切な時間になるはずなのに。乱れた世の中のせいか、彼らが学校内馬鹿やってる姿は何故か悲しく、虚しい。今の日本もそう遠くない未来でこんな現実が待っているかもしれない。そんなことを考えると、途端に登場人物に感情移入してしまい、希望の光の見えない世界で必死にもがくのは、校内で馬鹿やること以上に馬鹿なんじゃないかとも思えてきた。この瞬間は今だけなんだから。青春映画にありがちなそのメッセージは、この映画では途方もなく苦しく、説得力で満ちていた。
さほど起伏がある物語展開では無いため、飽きることは無いものの見応えに欠けるのは事実。今の日本に対して真っ向からぶつかり、様々な事柄を皮肉る超社会派ドラマであるため、青春映画という括りでありながらも若干説教臭く、堅苦しい印象が残る。
キャラクターのクセと人間味で何とかエンタメ作品になっているけど、もう少しポップにしてくれないと過激な啓発本のように捉えられちゃうかなと思った。左翼と左翼・右翼のどちらでもない人のぶつかり合い、って感じでかなり思想が強い作りになっているし笑 それでも、青春映画でこれをやって見せるのは挑戦的で面白いし、全体的に見ればかなり好きだった。
ミニシアター映画にも関わらず、ベネチア映画祭に出品された作品というのもあってか、日本の大作映画と比較しても頭ひとつ抜けて完成度が高く、映像による感動がすごい。社会派ドラマでありながらも、重点は青春であり、友達の間にある複雑な思いや立場の違いなんかが鮮明に描かれていて、経験したことがないのにとても共感出来た。いい意味で邦画ぽくない。
最近このテイスト流行ってるけど、今の日本に向ける不信感もあって個人的には大好物なので、今後も意欲的に作って欲しい。空監督の次回作にも大いに期待。感覚に訴えかけてくるこの楽しさ、たまらん。
<映画「HAPPEYEND」> 上映中 監督:空 音央(そらねお)...
<映画「HAPPEYEND」> 上映中
監督:空 音央(そらねお) 初の長編映画
どこから話そうか。思うところがいっぱいの、そして忘れかけていたあの思いと、口の中に広がる苦い苦い悔しさが甦る、そんな映画でした。
まず、テクニカルな面から言えば、映像の切り取り方、映し方はもう、どこを取っても素晴らしい。そして、長編は初めてというのに、映画の全てに独特の空気感、世界観で統一されていて、近未来だとわざわざ言われなくても、奇妙な違和感が「絵」だけで感じる事が出来る。どういうテクニックなのだろう?
ストーリーは、学校や社会といった体制と、それに反発し自由を求める人とのせめぎ合い、、、とは思わなかった。 極めて純粋に、これまで取り上げられて来なかった、高校生として極めて普通の、しかし一色ではない多様な価値観のぶつかり合い。そして、少しも説教臭くない。押し付けがましくもない。素晴らしい脚本と構成でした。
映画としての完成度の高さ、役者、演技、脚本、演出、構成、カメラワーク、どこを取ってもここまで極めて高いところでバランスされた映画は、数少ない。しかし、完成度の高い映画は、例えば山田洋次の様に、どこかで見たような小さくまとめられた映画になりがちだか、これは違う。 とはいえ、激しい暴力やぶつかり合いのある映画では無く、権力側の象徴であるはずの佐野史郎の校長ですら、普通に良い人の範疇に入るほど、いい人しか出てこない。。。 そう、だからこそ、それぞれの人の、それぞれ違う価値観や大切なもの、守るべきモノの違い、考え方や感じ方の違いが浮き彫りになってくるのだと思う。
映画の中ではないが、どこかの誰かが、「友達と仲間は違う」と言っていた。友達は利害も目的も持たない、だからこそいい。しかし、共通の目的を持っていないので、協力しあえない。仲間は目的の下に集まるからこそ、共通の価値観を分かち合える。しかし、赦し合う事が難しい。 この映画では、そういう「ただの友達」から「目的を持った仲間」が必要になる場面があり、ただ友達として馴れ合っている事に疑問も出てくる。。。 だけれども、やっぱり「利害のない友達」のいい面も、よく描かれているなと思う。
この映画のコウは、まさに高校時代の私に似ている。何か社会のおかしさに気づき、抗い始めたまさにそんな時代が高校時代だった。私はその昔、関西空港の反対運動を有志で取材して、文化祭で発表した。聞きつけた新聞社が3社取材に来て、先生方は学校や我々有志が反対運動を支持しているとかそういう事ではなく、純粋に公平な立場で、問題点を考察しているだけだと、説明に追われていた。
ユウタとコウは、幼い頃からの友達。供に音楽の世界にのめり込んでいる。
しかし高校生になり視野が広がると、世界を変えたい、そのためにデモにも参加しているコウ。 一方、ユウタは音楽など楽しい事さえしていれば十分だと言う。 私には、どちらも正しい感じ方だし、どちらもそれなりに意味ある価値観だと思える。
そうしてコウは次第にユウタと距離を置くようになるのだが、最後の最後、結局学校の校則(セキュリティシステム)を変えたのは、ユウタであり、コウは結局何も変えられず、何もできないまま社会システムの中に組み込まれていく。。。
最後のこの部分、私の中でも何か経験があるような、そんな気分になった。 あの時の有志は今どうしているのだろう? 高校卒業以来40年以上、やっぱりシステムの中で生きて来て、バブル崩壊後の長すぎる30年は、我々にも責任があるはずだ。 それでも自分なりに、自分でできる範囲で、あまりにも微力で少しだが、社会をよくする方向へ向けられたのではないかとも思っている。そんな事を想起させられる映画でした。
今年一番を付けてもいい、素晴らしい映画でした。
何より、完成度がとても高い。
もうあと少ししか公開期間がありませんが、機会があれば是非見て欲しい映画です。
自由を受け入れるか
AKIRAを彷彿とさせる世界観
輝かしい仲間たち
社会への鬱屈
正しくないことは正しくないという
すべてが素晴らしいもののはずなのに
自分の居場所が無いように感じた
作り手とは明らかに生きてきた土壌が違う
それでも、同じ歌を歌い続けたいとも思う
いちばん偉いのー、電子計算機ー
少し未来の日本の高校。生徒たちがつるむ様子。 校内での悪戯が度を越...
少し未来の日本の高校。生徒たちがつるむ様子。
校内での悪戯が度を越して、校長の逆鱗に触れ、生徒を監視するAI装置が導入され。
今を楽しみたいひと、
進路や将来を悩むひと、
往年のデモみたいな行動をとるひと、
etc.
様々の心の機微が、丁寧に描かれていました。
何より音楽が心地よくて... DJブースの重低音のキック、劇場で体感して良かったです🎧️
設定は東京とのことですが。じかに見た映像の印象では、
映像の街並み、坂の多さやビルの並び、東京よりむしろ関西ぽいような外見ではないかと…。
お前がいう大事なことってなに?
近い未来の話。日本の映画というよりも香港か台湾の空気。車は、横にフォーリフトがあったけど、それを操作する技能があるのかってほうが疑問。タイトルの意味もやや不明。あれじゃ全然ハッピーでもエンドでもないな。だけど、主役の二人の演技が瑞々しくてそこは好き。
あまりハマらなかった。
近未来の高校での出来事を描いたストーリーなんだけど刺さらず。
タイトルを含め皮肉が沢山組み込まれた感じだったけど退屈だった印象。
楽器屋のオバチャンのDJ姿は最高だった(笑)
佐野史郎さんや中島歩さんはお似合いのキャラだった!
子供達の演技も素晴らしかった。
AI監視システムは賛成派です( ´∀`)
とても不思議な味わいの映画
近未来の話でありながら、撮り方なのか、なぜか90年代の日本映画風でもあり、しかし明らかに過去にあった日本映画とも違う、そして出演者たちの顔がとても近未来の日本の子どもたちのようで、もういろんな忖度抜きにしたら実は日本映画はとても豊かなものになるのではないかと思えるくらいタイトルバックの疾走するカメラが素敵で、クラブシーンはとてもよく、そうだ、この非日本映画感は、小島央大監督の『JOINT』に似てる、とも思った。空音央監督も小島監督もニューヨーク育ちだからか、と。
34型のフェアレディZって立てる事が出来る?
近未来の日本で、ユウタ、コウたち男子4人と女子1人のグループは、タバコ吸ったり酒飲んだりして一緒に遊んでいた。高校3年生のある夜、学校に忍び込み、イタズラをして、次の日の朝、激怒した校長は、生徒を監視するAIシステムを学校に導入する事にした。そして・・・そんな話。
Z34型のフェアレディって立てる事が出来るのだろうか?
近未来とか言いながら、警官がスマホで個人の顔認証出来る事くらいで、他は全然未来的じゃない。
そして、男子4人と女子1人のグループの行動も何も共感できず、ただ退屈なだけだった。その女子高生が可愛くて魅力的ならまだ観れたのに、そうでもなく、合わなかった。
基本は同じ.思いやる心は普遍だと思う.
いつの時代も,親のいない家に高校生はたむろするもんね〜.女の子もまざってて(笑)
近未来ではなく,充分現在の話だと思った.(現在のほうがもっと,巧妙で陰湿なシステムだったりするし……).
若い子たちの自由奔放さも,世の中の閉塞感も同じなのかなぁと思った.
想像力・イマジネーションが大事.
「警察は武器をもった官僚.富裕層と政治家を守る勢力」.アジテーションしていて,
お寿司を大切に握ってつくってくれた人がいるって,想像できないのはダメ.はたいてゴミ箱に捨てる.
私の父はお寿司屋さんです!っていう人もいる.
校長先生だって,立てこもりは付き合ってくれてたんでないかと思う.
いつの時代も基本的に変わらない.
大事な基本姿勢も変わらないのかなあ…って感じた.
結局,就職の時には髪を切ってきた…みたいな。
まさしく金字塔
観た後にすごく余韻の残る映画でした。
異なるルーツ、多様性をどう受け入れるのか、
ただひとつの正解、結論を安易に導き出し、ルールをつくることではなく、
それぞれの立場で考え、悩むことが大事なんだなと。
楽しく過ごしたい、真剣に考えたい、ふざけたい、悩みたい、
ときにぶつかったりするけれど、お互いへの優しさに溢れていて
登場するすべての青年たちに愛おしさを感じました。
それにしても美しい映像とすばらしい音楽です。
普段見慣れているつもりの東京(都会)の景色も、
プロフェッショナルが切り撮るとこんなに美しいとは。
政治的なテーマも扱っていますが、
ちょいちょい笑いのエッセンスが入っていて、
シリアス一辺倒にならず、集中も途切れませんでしたし、
大事なこと、気持ちを伝える場面でズームアウトして余白を想像させるようにしたり、
フレーミングや演出もすばらしいと思いました。
みなさんに見てほしい映画です。
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