「若者たちの「理由なき反抗」が心に響かない」HAPPYEND tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
若者たちの「理由なき反抗」が心に響かない
緊急事態条項とか、学校への監視カメラの設置とか、在日外国人の差別とか、自衛隊の勧誘とか、いかにも、それらしい、自由や人権を阻害するようなトピックが出てくるが、どれも表面をなぞるだけで、掘り下げて描かれることはない。
近未来が舞台なのに、それを感じさせるのは、顔認識による個人の識別や、AIによる減点制度や、多国籍なクラスメートぐらいで、暴動に発展するデモとか、校長室での立て籠もりとかには、どこか昭和の学生運動のような雰囲気すら漂っている。
これでは、高校生たちによる「権力や体制への反抗」が、中身のない「まね事」にしか見えないし、ただ「反抗したいから反抗しているだけ」のようで、ちっとも心に響いてこない。
いくら、「理由なき反抗」が、いつの時代にも共通する若者の特性だからといっても、もっと反抗する対象や、(監視カメラの撤去にとどまらない)彼らの主張を明確にするべきだったのではないだろうか?
その点、校長先生が「善い人」に見えてしまうのは致命的だし、せっかく近未来を描くのであれば、地球温暖化とか、格差の拡大とか、少子高齢化に伴うヤングケアラーの増加とかを、政治や社会の問題として取り上げてもよかったのではないかと思ってしまう。
あるいは、作り手には、この映画に、そんな政治的・社会的なメッセージを込める意図はなく、いつまでも子供じみた遊び心を持ち続ける少年と、社会人としての大人の分別を持ち始めた少年の「訣別」を描きたかっただけなのかもしれない。
ただ、そうだとしても、必ずしもそれがうまく描けているとは思えないし、わざわざ、舞台を近未来に設定した意味も分からない。
ところで、主人公の2人の少年は、あのフェアレディZを、どうやって垂直に立てたのだろうか?
う〜ん、気になりますね。
地震で倒れるということは、やはり、リアの部分でバランスを取っていたということでしょうね。
あの技術を、何とか社会のために役立ててほしいものです。
フォークリフトで車を立てられる技術を今後に生かして欲しいですね。ところでゼットのリアは平らですか?ゼットをひっくり返すための地震だったのでしょうか。