天文館探偵物語のレビュー・感想・評価
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探偵らしい所少なめ
2025年劇場鑑賞341本目。
エンドロール後映像無し。
天文館という館で凄惨な連続殺人が起きて・・・という話ではまったくなく、九州にある天文館という町の話で、星は全く出てこないです。
元秘書のシングルマザーが年寄りと自分からスリをしたのを捕まえたのをきっかけに事件に巻き込まれるのですが、万引きならともかくスリなんて出来心で出来るもんじゃないし、何より年寄りを狙ったのが許せなかったです。どうしてスリができたのかの説明は特になく、逆にスリの特技を活かした展開があったので、そのために脚本上そういう設定にしたのかもしれませんが・・・。
探偵もこういう街を愛する探偵によくある、街の人に愛されている感じがあんまりなくて、よくある人脈を使って解決するみたいなこともなく、ただの便利屋が大した考えもなしに再開発に文句言ってるだけにしか見えませんでした。
こういう再開発が絡む話って、大体展開は一緒なのですが、この映画は違ったので(ネタバレ避けに詳しくは書きませんが)そこは良かったと思いました。主人公の意味ますます薄まるけど(笑)
なんとも言えない残念感…
■ 作品情報
南九州最大の繁華街である鹿児島・天文館を舞台に、街の存続をかけた人情と陰謀が交錯する物語。監督・脚本は諸江亮。主要キャストは、寺西拓人、大原優乃、肥後遼太郎、室龍太、高田翔、原嘉孝、新名真郎、西田聖志郎、西岡德馬など。鹿児島県を舞台にオールロケを敢行。
■ ストーリー
昼はバーテンダーとして働き、夜は密かに探偵として街の人々の困りごとを解決している宇佐美蓮と、相棒である山下健斗。二人は、夫から逃げてきてスリ事件を起こしたシングルマザーの橋口凪を助ける。これをきっかけに、天文館エリアの再開発を巡る陰謀と、それに伴う街の存続危機問題に巻き込まれていく。街の人々の暮らしと未来を守るため、蓮たちはこの問題に立ち向かう。
■ 感想
「天文館探偵物語」という魅力的なタイトルに惹かれ、ミステリー作品を期待して鑑賞しました。天文館を舞台に探偵が殺人事件を解決していくのだろうと想像していたのですが、予想とは全く異なり、鹿児島に実在する繁華街「天文館」の再開発を巡る人情物語でした。地方再生と絡めて温かい人間ドラマを描くという方向性自体は、決して悪くないと思います。これを機に天文館が広く知られ、訪れる人が増えるのであれば、それはすばらしいことです。
しかし!残念ながら映画からは天文館の魅力がミリ単位でしか伝わってきません。人情を前面に出しているはずなのに、描かれるのは無料の託児所を利用しながら水商売で働く女性のみ。しかも、その日常や商店街の活気は描かれず、名物なども紹介されず、実際に天文館へ足を運んでみたいという気持ちにはなれません。そのため、再開発を阻止しようと奮闘する主人公にも共感しづらいと感じます。
物語の根幹となる再開発についても、なぜ推進するのか、なぜ反対するのかという理由が不明瞭で、「再開発=悪」という短絡的な構図に終始していたのは非常に残念です。推進派の大臣があまりにも簡単に意見を翻す展開に至っては、まるで茶番のようで拍子抜けします。ひょっとしてこの裏には何か大きな悪巧みが隠されているのかと期待したのですが、そのまま何も起こらず終幕を迎え、何のひねりも深みもないラストに思わず力が抜けてしまいます。
劇場には女性を中心に多くのお客さんが入っており、どうやら主演の方目当てのようですが、自分は全く知らない方です。そういうフラットな視点で本作を鑑賞すると、かなり物足りない作品という印象しか残りません。もう少しだけでも捻りのあるストーリー展開があればと強く感じます。言いたくないですが、これでは出演者の方々にも、そして舞台となった天文館にも失礼ではないかと感じる作品で、非常に残念です。
天文館の空気と人のあたたかさを感じる探偵ドラマ
天文館を舞台にした本作は、地方都市ならではの空気をやわらかく映し出していて、どこか懐かしい雰囲気があります。多少の年季は感じつつも、人の気配がちゃんと残っていて、街が生きていることが画面から伝わってきました。登場人物同士のさりげない会話に冗談も混ざり、重く沈むことがないハートフルな温度があります。
映像では、アーケードを歩くシーンが印象的で、人物の上半身を中心に追うカットが多く、街との距離感が近いまま進んでいきます。アクションの場面だけは少し引いた画に切り替わり、天文館の奥行きや地形が分かりやすく見える構図になっていたのが良かったです。夜のネオンや空撮のショット、川辺の光もきれいで、実在の街を丁寧に取り込んでいるのが伝わります。
主人公の描かれ方は、人の優しさに反応しやすい面と、思わず行動が強く出てしまう瞬間の両方があって、人間らしさを感じました。ときどき少しキザな表現が出てくるものの、そこがキャラクターの魅力として自然に落ち着いていると思います。
キャラクター同士の距離は比較的近く、特に相棒との関係はブロマンス的な空気もあり、物語に温度を与えていました。もう少し深く描いても良かったかもしれませんが、この作品のテンポには合っていたと思います。
一方で、再開発の流れが人情話だけでひっくり返る展開は象徴的ではあるものの、現実味という点では強引に見える場面もありました。ただ、それを含めても街と人のつながりを前向きに描こうとする姿勢が感じられ、ハートフルな作りが最後まで続いていきます。
派手ではないけれど、実際の街の光や人の距離感をきちんと取り入れた、あたたかい探偵ドラマでした。
天文館を好きになる映画
鹿児島の先行上映で鑑賞しました。
天文館オールロケ撮影ということで、観光も兼ねて他県から訪ねました。
天文館商店街のそのままの姿がスクリーンに息づいていて、街の活気や人々の温もりが伝わってきました。鑑賞後に天文館の街を歩くとたびたびロケ地に巡り合い楽しい観光になりました。
俳優さんは主演に寺西拓人さん、友情出演で原嘉孝さんが出演され、timeleszデビュー前の寺西さんと原さんの掛け合いが観られる貴重な作品になりました。
寺西さんの相棒役である肥後さんは鹿児島県出身で、鹿児島弁による演技が温かみを感じて癒されました。
シングルマザー役の大原さんは声が可愛くて綺麗で守りたいと思ってしまいます。謎が多くて何かに怯えている様子で、どんな事情があるんだろうと物語中ずっと興味をそそります。
そして主人公と対峙するのは西岡徳馬さん!彼が画面に映ると空気が引き締まります。台詞ひとつひとつに重みが感じられて凄みがあります。
天文館も俳優さんも好きになれるとても温かい作品でした。また全国公開の際に鑑賞したいと思います。
やはり
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