「これがほんとの酸性雨。オススメしない。ただ逃げただけのフランス自己中暴力男のサバイバル映画。」ACIDE アシッド ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
これがほんとの酸性雨。オススメしない。ただ逃げただけのフランス自己中暴力男のサバイバル映画。
これがほんとの酸性雨。魔鬼雨ではない。
何でも溶かす雨が突然降って来たので、家族で逃げたサバイバル映画。
冒頭、フランス名物の暴動である男が機動隊員を必要以上にボコボコに。
相手はただの警察官なのに、いやだなぁと観ていたら、彼が主人公!
案の定この後も怒り爆発で物にあたる暴力男。
フランスでは今でもこんな野蛮な男が受けるらしい。
これは感情移入できない。
ニュースで、南方で高濃度の酸性雨で溶けた動物の映像が流れたと思ったら、
あっというまに、フランスでも降るという。(他の国はどうなの?)
一応温暖化の影響らしい。
娘を連れ戻すため、元?夫婦は娘のいる寄宿舎へ。
雨が降り出して、そこから先は家族3人のサバイバル。
ただ逃げるだけの話になる。
途中、助ける義理も無い他人の母子に、命を助けられたのに、ほとんど礼もしない父親。
しかも、その家屋の崩壊から母子を助け出さずに、車だけ拝借して見殺しにする展開が許せない。
これでは、父娘に車を提供するためだけに、そして犠牲になって泣かせるためだけに出て来たみたいだ。
もっと、観客が納得できる筋立ても考えられたはず。
その後、車からわざわざ降りて自分からピンチになる娘。
命がけで助けてくれた父親のおかげで娘は傷一つなく、救助されたのでした。
主人公が両足を失ったことと、その恋人が足の手術をしていたのは何か関係あるのか?特に説明はない。
恋人も叔父さんも死んだらしい?
何とも救われないまま終わってしまい、あー予想通り観なくていいヤツだった。
これがフランス流か。
ただ、強酸の雨が降りだしたので逃げた家族の話。
話に広がりも深みも希望も何も無い。
どうせなら、母親が気象学者か天気予報士か自然保護活動のNPO勤務で、温暖化による異常気象を訴えていたとか、
父親も冒頭の暴動が環境破壊企業に対するデモに巻き込まれたとか、
娘も、動物が好きで動物学者を志し、特に馬が好きで、逃げる教師たちをしり目に、一人馬を駆り(あのかわいがっていた馬)、降り出した雨から馬たちを助け出すとか、
叔父さんが金持ちなのは、自然破壊もいとわない悪徳営利企業のCEOだからだとか、
両足手術の恋人の足の病気?怪我?の原因も、そういう企業のせいだったとか、
そういうのが必要でしょうが。
蛇足-
こんなラストを妄想してた。
フランス空軍機編隊によるアルカリ中和剤の散布により、空には七色の飛行機雲が。
中和された無害な雨が、荒んだフランスの街並みと人々に降り注ぎ、悲劇のあとを洗い流す。
こんな悲劇があっても、娘は、人々は、復興のため明日に向かって歩き出すのであった。
・・・というベタな感じで。