「【"陰酸"じゃなかった、"陰惨・陰鬱"なるパニック映画。酸性雨に襲われた仏蘭西から逃げる避難民たちを追って来る黒い雲から降って来る強酸性雨。全ての水が強酸性になった時の恐ろしさを描いた作品である。】」ACIDE アシッド NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【"陰酸"じゃなかった、"陰惨・陰鬱"なるパニック映画。酸性雨に襲われた仏蘭西から逃げる避難民たちを追って来る黒い雲から降って来る強酸性雨。全ての水が強酸性になった時の恐ろしさを描いた作品である。】
ー 冒頭、労働争議のシーンがスマートフォンで映される。ミシャル(ギヨーム・カネ)は、一度は逮捕され仮釈放の身で自宅に娘セルマと元妻エリーズ(レティシア・ドッシュ)と居る。三人の関係性はあまり良くないようだ・・。-
◆感想
・ストーリー展開は粗いが、黒い雲から降って来る酸性雨が不気味である。フィリッポ監督は、”大気汚染や、環境汚染が直近の課題である事を伝えたかった。”と言っているので、あまり細かい事は気にはしてはいけないのかもしれない。
・ミシャル君は娘セルマと元妻エリーズと、酸性雨から陰鬱なる空の下、逃げ始める。そして、ミシャル君は職場の同僚で、労働争議のきっかけとなった事故で負傷したと思われる恋人カリンの事を気に掛けながらも、元妻の兄ブリスを訪れようとする・・。
って、感じなんだけれども、どーにも展開が粗いのである。何で、冒頭に労働争議のシーンを入れたのかな・・。
・避難途中に元妻エリーズが群衆で一杯の橋から川に落ち、流される中ドンドン髪の毛や肌が溶けて死んでいくシーンは、ヒジョーに怖い。
・で、ミシャル君は、娘セルマと行き先を恋人カリンが入院している病院へ変えるのである。そして、途中で見つけた母と息子が暮らす屋敷。水道水も強酸のため、飲めない。息子は腎臓病で透析を受ける装置で命を保っているが、その屋敷も酸性雨の為に崩れ落ち、ミシャル君はナント親子を見捨て母の車を拝借し、恋人エリンに会いに行こうとするが・・。
<再び、フィリッポ監督のインタビューに戻るが、
”私達の弱さに気付いて欲しい。⇒うん、気付いた。
全てを乗り越える原動力は愛。⇒嘘だー。愛だったら、助けてくれた親子を見捨てたりしないじゃん!とまあ、突っ込みたくなる
【我儘、ミシャル君、酸性雨が降る中、我が道を行く】映画でございました。
ミシャル君、両足の膝下を強酸性雨で失っても、成長した娘セルマと生き残れて良かったね。
今作は、フィリッポ監督の長編第二作らしいが、もうちょっと、頑張ろうね。(エラソーですいません。)>