「主人公の名前がタイトルなのってそれだけキャラが強いから必然的にいい作品って事じゃね?」MaXXXine マキシーン リコピン大王さんの映画レビュー(感想・評価)
主人公の名前がタイトルなのってそれだけキャラが強いから必然的にいい作品って事じゃね?
正直ものすごいインパクトのある作品では無かったけど
2作目パールで既に充分心を乱されたので、
今回のマキシーンは観る側を納得させてちゃんとこの3部作を終わらせてくれた感じ。
普通に楽しいシーンも沢山で飽きない。
マキシーンとパールは共通点が多い。
スターになる夢があるけど、実現するには色々と不利な条件を抱えている感じ。親が超保守的、本人が暴力的など。
じゃあパールとマキシーンの何が違うのか。
1番の理由はやっぱり、自分に嘘を付いているかだと思う。
パールはずっと自分のやりたい事や願望を抑えつけて、周りから求められる偽りの自分で居続けた。
そうしないと居場所がなくなるという恐怖は耐え難いものだから仕方なかったし、閉鎖的な生活のせいで外に自分を偽らなくていい場所も見つけられなかった。
だからその状態をずっと放置してしまった事で
外に出せない自己実現欲が彼女の中で容量オーバーになり
凶暴な形であふれ出てしまったように思う。
まぁだからって殺しちゃダメだよ!でも本当に可哀想だった。
対してマキシーンは自分に正直だし、それを受け入れてくれる仲間もいる。
だからモンスターにならずに済んでるし、世間からどう言われようと自信を持っている。
現状を変えようとする行動にも違いがある。
パールは他者に勝手な期待を抱いてどうにかしてもらおうとするのに対し、
マキシーンは大事な日の前日には、友達に誘われてもちゃんと断れる。そしてちゃんと準備していく。
覚悟がキマっているのだ。
暴力的な所は一見2人とも同じに見えるけど、
パールは感情をコントロール出来ていないのに対し、
マキシーンが暴力を使うのは自分にとっての害を排除する時だけ、という所に大きな違いがある。
だからマキシーンが通り魔やケビンベーコンをやっつけるシーンは
自分は絶対に夢を叶えるぞ!という覚悟や強い意志を感じて
ホラーというよりは少年漫画的な痛快さがあり
観ているこちらも元気をもらえる。
パールとマキシーンは同じミアゴスが演じてるからこそ
2人の結末が違う事に大きな意味があると思う。
人間だれでも、パールのような悲劇かマキシーンのような成功、どちらの可能性もあるという事だと思う。
マキシーンの方が成功、と言っても
実際に起きた事として描かれるのは、主役をゲットして邪魔者を排除できた所まで。
映画が公開された後大成功するのは空想で、最後は意味深な生首の人形で終わる。
マキシーンはそのままでいられれば大成功するけど、
心の持ちようによってはパールのような悲劇的な未来にもなり得る、という暗示を生首で表現しているように思えた。
ちょっと不穏で厳しいけど、
どんな人も自分次第で人生マキシーンルートを選べるんだぞ!
という監督から観客へのエールに感じて、観た後は何だか爽やかな気持ち。
とても好きな3部作になった。
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