グラディエーターII 英雄を呼ぶ声のレビュー・感想・評価
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めったに見られない圧巻のスペクタクル史劇
「グラディエーター」の続編が制作されるとは、夢にも思わなかった。
最近はほとんど見ることができなくなった、スペクタクル史劇。ただし、お話のほうはあまり面白くないし、長過ぎる。
それでも、海沿いの城砦をローマ軍が軍船で攻めるシーンやコロセウムのシーンなど、ハリウッドならではの圧巻の映像。これを逃すと次、いつ見られるかというスケールなので、その点で十分満足できた。これを見逃す手はない。
絶対にIMAXで観てほしい、でも傑作1作目の壁って本当に高いのですね
「ベンハー」の闘技場や海戦のシーンを初めて観た時の衝撃を思い出す素晴らしい映像美と迫力、それはもう間違いないし「グラディエーター1」や「ナポレオン」を凌ぐスケール感もスピード感も凄いのだけど、何だろうこの何か残念な感じは?期待値が余りに高すぎたかなぁ。
1との繋がりを無理矢理に作りすぎた感満載の脚本のせい?うーん、それもあるけど私にとって決定的だったのは多分主役のカリスマ性の違いだと思う。マキシマスとハンノの差かしら。ポール・メスカルは良い役者さんだと思うけど、ラッセル・クロウが「男」としての存在感があり過ぎたのよね。そこの部分を御大デンゼル・ワシントン(演じたマクリヌスは史実ではまんまと皇帝に成り仰せた稀代の姦物)にかなり喰われちゃったかなぁ。
あとカラカラとゲタの兄弟皇帝がアホ過ぎて気持ち悪いだけなのがバツ。。暴君というよりただの脳までやられた重症のヤク中みたい。前作のホアキン・フェニックス演じたコモドゥス帝は闇と狂気が次第に募って自滅していく様がとても良かったけれど。。
と、色々難点を書いたけれど、でも絶対に観た方がいいです、それもIMAXで。というかこの素晴らしいスケール感と映像美を堪能するにはIMAXじゃ無いと凄く勿体無い感じ、十中八九アカデミー美術賞と視覚効果賞は取ると思います。それぐらいに映像的には文句無しの素晴らしさ、SFやファンタジーものとは一線を画す歴史スペクタクル、正にハリウッド大作映画の醍醐味というものです。
史実との対比でも前作のアウレリウス帝の時代くらいでローマは盛りを過ぎ、カラカラ帝の時代辺りから急速に下り坂になって行く様が、ストーリー自体や貧困者が道端に増えて汚らしくなったローマの街の様子にもよく描かれていて、歴史なんて知らない大半の観客にもすぐ直感的に伝わる表現は良かったです。
あと、個人的にはルッシラ役のコニー・ニールセンさん、白人女優さんって急速な劣化が残念な人が多いのだけど、24年経って59歳になっても殆ど変わらず美しいままだったのと、深みを増した大人の抑えた演技だったのがとっても好印象でした。
実は未だに前作を観ていない なので、評価的なものは書けない気がする...
リドリー・スコットという監督
リドリー・スコット監督作品なので鑑賞。前作も観てます。個人的には、この無冠のベテラン監督に、アカデミー作品賞か監督賞をなんとか取ってほしい。ほしいのだけど、今回は(も?)難しいかな。トレイラーを観て、往年の”ハリウッド超大作”みたいな感じで、期待していただけに少し残念。
「ナポレオン」もそうだったが、CGではなく人を使ったリアリティは良いのだけれど、リアルに寄せ過ぎると、壮大さや深みなどが失われるように思う。あのセットや衣装、多数のエキストラなどは凄いし、確かに迫力を作り出してはいるけれど、この手の映画に求める壮大な歴史絵巻のような感覚は薄かった。画面としては悪くはないのだけれど、なんだか物足りない。
時代考証的には嘘でも、何十万人の軍隊とか群衆など、普段見れない巨大な人の営みが眼前に広がるのが、歴史映画のワクワク感を作る。たとえ映像が陳腐でも、結構脳内補完されるので、昔のハリウッド映画の、今見ると?なところがあるような画面でも、圧倒されるのだ。大河ドラマにも同じ罠にはまるケースがあるが、リアルとエンタメのバランスはなかなか難しいのだろうけれど。
ついでに言えば、人物への感情移入がしにくく感じた。テンポ、脚本、演者などが所々チグハグというか、描写が薄いというか、終盤に向けた盛り上がりに水を差していたように感じる。そういうのもこの監督の色だと言えばそうなのだけど。
あと、個人的にはパワー対決のような肉弾系バトルは好みなので、もう少しそうしたシーンが欲しかったかな。
いろいろあれど、作品としてはなかなかの仕上がり。少し長めだが、最後までダレずに観れた。
だいぶお歳を召していらっしゃるし、好きな監督なので、賞レースにてなんとか評価されてほしいものです。
反戦メッセージ?
剣闘士を中心とした壮大な物語
古代ローマ帝国の剣闘士「グラディエーター」。
主に捕虜として連れて来られたが者が時に猛獣と、時に罪人と命を懸けて戦い
勝ち続ければ願いが聞き届けられ自由を与えられると言われている。
ローマ帝国に敗れた国から捕虜として連れて来られたルシアスはグラディエーターとして熾烈な闘いを強いられるが、彼の過去にはある秘密が――
アカデミー賞を受賞した『グラディエーター(2000年)』の続編。
古代ローマ帝国の戦闘を描いた合戦シーンは大迫力で圧巻。
ルシアスの過去の秘密から彼は大きな陰謀に巻き込まれていく。
実在のローマ帝国の暴君カラカラをはじめとしたローマ帝国の腐敗と政争の渦に巻き込まれていくルシアスを中心に描かれるストーリーはなかなかに壮大。
グラディエーターの戦闘シーンもかなり多彩で飽きさせない。
これぞ巨匠リドリー・スコット監督という作品を堪能できました♪
老いたり、リドリー・スコット
「群馬高崎へ」
勧善懲悪が大好きな自分には真の統一凶悪がぼけてしまったのが映画のインパクトの薄さか?
前作が偉大過ぎた
劇場で観て正解。
自分はあんまり歴史に興味がない。
だって、後で、その時々の権力者が、自分の都合のいいように塗り替えそうじゃない。
実際、この国なんて数ヶ月前の事さえ、大量のデマで捻じ曲げちゃうじゃない。
で、そんな自分が『グラディエーターⅡ』を観に行ったのは、たまたま読んだ枝来静也のローマ時代の拳闘士を主人公にしたマンガ『拳闘暗黒伝 セスタス』が面白かったのと、町山智浩の『ブレードランナーの未来世紀』という書籍の文庫版あとがきで、監督のリドリー・スコットがあの年齢でクラブ・マガというイスラエルの戦闘術を習っていると知ったのと、予告編が面白そうだったから。
観賞当日は体調が優れず、劇場に行くのを止めようかとも思ったけど、結果、観て来て良かった。
冒頭から凝った映像。
そして、すぐに大スペクタクル。
脚本も無駄がないし、演出も意外と細かい。
とにかくローマの街とか群集とか、どこまでセットで、どこまでCGかわかんないけど凄い。
もうちょっとカタルシスが欲しかったけど、もう何十年も大作を作り続けてるリドリー・スコットに脱帽です。
当たりも外れもあったけど、これは当たりでしょ。
作中、本来、ローマが目指すべき国の理念が何度も語られてて、弱き者に手を差し伸べる国みたいな事を言ってたけど、本当、その通りなのに貧しい人々を放ったらかして、侵略戦争したり、殺し合いを見物して熱狂するような国になっちゃう。
現代の日本だって地震や水害に遭った人々そのままに、万博の準備なんかしてる。
格差はどんどん拡がってる。
取り返しがつかなくなる前に、良い方に変えていかないと。
ね。
リドリースコットありがとう
前作をもう一度観たい
リドリー・スコットの映像美、コニー・ニールセンの美しさ、は健在だった。また、デンゼル・ワシントンの熱演も見事だった。そして、競技場へ続く細かなステップの階段をルシアスが駆け上がる姿は、マキシマスを彷彿とさせ、前作を思い出させてくれた。でも私は、本作より前作をもう一度観たい。
つまらない
続編として完璧
キャスバル・レム・ダイクン
キャスバル・レム・ダイクンとランバ・ラルを、
想起した観客も少なくないのではないだろうか。
もはやシェイクスピア劇や歌舞伎のような、
王位継承権を隠して復讐を誓う物語は古今東西に数多く存在する。
本作も、王座を奪われた風、主人公の怒りを軸に展開される王道の物語だ。
この世界観、スケールであれば、
王道のプロットにアクションや恋愛要素を加えるだけでも十分に成立する。
観客は刺激的な娯楽を求める一方で、
いつものやつ、、、
見慣れた景色で、
安心したいものだ、
ベスセラーや名探偵の支えでもある。
しかし、リドリー・スコットは、
前作の手前、さらなる驚きと深みを求める。
どうするか。物語に揺さぶりをかけるような、
ユダのようなユニークなキャラクターを配置するという手法を取った。
加えて、
DUELに拘らず、
ビーストや、
6頭鮫まで泳いでいても、
不思議ではない割り切りも、
苦肉の策だろう。
そのユニークな役を担ったのが、
デンゼル・ワシントン演じるキャラクターだ。
世界観を背負う存在感と、状況に応じて仕掛人梅安や風車の弥七のような、小技も要求される。
シェイクスピアの決めセリフ、「We owe GOD a death」
風の名言も、デンゼルの口から他作品で、
何回出た事だろう。
トニー・スコットの幻影のように見えていた、
Scott Free Productionsの、
フライングロゴも、次回作からは、
そんな見え方にならないような気がする。
理由は、
本作OPの彷徨うような、
演出の分量が減少してきたように感じるから。
【蛇足】
マリー・アントワネットの都市伝説、
パンが無ければケーキ、
を真似たか、
カラカラとゲタ、
戦争を食わせとけ・・・
親指を上げればセーフ、
下げればアウト、
気分次第で生殺与奪、
葛藤不要、動機も要らない、
こんな論理体系のドラマツルギー、
作劇は時代劇特有だが、
現代劇だと、
どんなリアリズムの論理体系の物語になるのだろうか・・・
歴史が始まる前、
ヒトはケダモノだった、
から、
動物化するポストモダンだな・・・
壮大。圧倒的没入感。
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