劇場公開日 2024年11月15日

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声のレビュー・感想・評価

全323件中、1~20件目を表示

4.0大胆な創造性で攻め続けるリドリー作品にはずれなし

2024年11月30日
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鑑賞方法:試写会

24年ぶりの続編を製作する上では無限の選択肢があったことだろう。失敗の神は常に嬉々として手をこまねいていたはず。だが一作目と二作目とで多くの要素が対を成す構成はとても明確で潔い。メスカル演じる主人公は前作のクロウとほぼ同じ運命を辿るし、さらにクロウの役柄をメスカルと二分するかのごとく将軍役のパスカルの存在がある。その上、狂った皇帝は本作ではまさかの寡頭化。かくも「II」さながら鏡に映ったかのような反復、増幅を楽しみつつ、狙い定めたタイミングでの効果的なズレが観客の心を大いに沸かせる。さすがリドリー。大胆で抜け目ない。しかも相変わらずの光と影を駆使しダイナミックな人間絵巻を描くカラヴァッジオぶり。後半に本性を剥き出す”あの男”もすこぶる楽しいが、その中で飛び出す「私は芸術家だ」という台詞には監督自身の言霊の響きすら感じた。これはある意味、リドリーの怪物的な芸術魂を存分に覗く作品かもしれない。

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牛津厚信

4.0これでいい

2024年12月31日
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なぜ作った?
前作はアカデミー賞総なめにして大ヒット。
続編の噂は度々あったけど、主人公も皇帝も死んで続編の余地は無いと思っていただけに、製作されてハリウッドのネタ切れも末期だと思っていた。
リドリー・スコット監督も近年はつまらないし、期待はほとんど無かったけど、それでもリドリー・スコットだから観に行ってしまった。
その結果はめちゃくちゃ面白い!
まさかローマ帝国時代のコロシアムにジョーズが出るなんて、予想の斜め上を行く展開。そんなもんだから時代考証やリアルさなんて端っこに追いやられて、全てが面白さ優先。その面白さと言うのも派手なアクションや強欲、快楽、復讐といった俗的なもので、リドリー・スコットらしく人間描写は表面的で薄っぺらで、ストーリーも2世にしただけの前作の焼き直し。
うん、これが今回は良い方に転がった。これがルシアスやルッシアの葛藤を深く掘り下げて行ったら、この映画のアクション演出とは反りが合わなさそうです。
残念なのはルシアスの役者さんの魅力不足。
デンゼル・ワシントンに頭脳的で策略家のワルをやらせると最高に魅力的なので、主人公の力不足を補ってましたね。

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じゅんぢ

3.0前作が良すぎて

2024年12月26日
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鑑賞方法:映画館

あっという間の2時間半で退屈なシーンはなく、迫力もストーリー性もあり駄作では全くないが前作が良すぎて星3でした。

マキシマスのような英雄感やそもそも存在感が主人公に無いんだろうな。憎しみ、特に母に対する憎しみなんかは特段共感が出来なかった。結局一番好きなのは最後のシーンなので結局お父さん格好良すぎるという…。

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一匹狼

3.5ストーリー 5.5 演技 7 芸術 7 エンタ 7 総合 7 個人...

2024年12月23日
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ストーリー 5.5
演技 7
芸術 7
エンタ 7
総合 7
個人的な感想ですが、映画らしい感じしました。リドリースコット好きだからかなぁ。

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林秀吉

4.0主演がスター制なくない?

2024年12月20日
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はぁ。やはり前作は越えられなかったね。

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赤の他人くん

4.0圧巻でした。

2024年12月18日
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鑑賞方法:映画館

興味ないテーマでしたが映像が凄すぎる。

細部までこだわり抜いた
超一流の映画監督の作品ですね。
さすがリドリー・スコット監督、すごいわ。

後半に向けて盛り上がりますが、最初の掴みもばっちり。ストーリーもしっかりしてる。

1見て無くても分かりますよ。
1200円で観ましたが安すぎると感じるほどの高いクオリティの映画でした。

なんか見たことあるような無いような、
でもすんごい俳優さんだな。
この人すげえわ。
恐ろしく演技がうまい。華あるし、惹きつけられる。誰だろう?なんか既視感あるなぁ

デンゼル・ワシントンかい!!!
痩せててわからなかった。
イコライザーのときもっとふっくらしてたやん!

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山本ゆっきー

0.5老いとはなんですかね

2024年12月16日
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鑑賞方法:映画館

前作好きな人にはおすすめできないブレブレの内容でした。アバターの監督もそうだけど、年老いて駄作連発の理由はハリウッドにあるんでしょうか?ローマと米国がかぶって見えました。完全に人生の時間の無駄でした。映像の迫力のみで、骨抜きです。見終わって何も残らない、微妙な感覚ですな。デンゼル・ワシントンの演技もキモかったです。主人公も役不足。ちなみに主人公はマキシマスの不倫でできた子供、前作ブルーレイ版ではそういうセリフがあったらしいですが?興冷めですね。つまらない作品しか作れない、米国、ハリウッドヤバイですね。

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カオスランド

2.0女兵士として戦死した訳であって

2024年12月16日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

妻を殺害されて、剣闘士として復讐するストーリーは前作と同じ。
前作は悲惨で同情できたが、今作は女兵士として戦死した訳であって感情移入できない。
決闘シーンは映像技術の進歩は見られたが、別にそんなに凄いとは思えませんでした。

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トイトイ

4.0流石は巨匠リドリースコット!

2024年12月15日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

圧倒的な映像美と迫力でした。こりゃ映画館で観た方がイイわ。
考えたら前作から24年も経ってたのね。
でも、ストーリーは前作の方が面白かったかなーW

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KENKEN

3.0良かった

kさん
2024年12月14日
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鑑賞方法:映画館

トップガンは鑑賞してないのに、前日フジテレビでトップガン マーヴェリックを見て話しについていけたから、いきなり続編観てもまぁいいかと思って見に行った。本心はグラディエーターのラッセルクロウを正座して観てからでないと嫌かなだったが機会がないとみないだろうから観たら良かった。最後の総勢で描かれたシーンがCMみたいだった。

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k

4.0This is Sparta!!

2024年12月14日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

単純

興奮

面影がマキシマスじゃなくてレオニダス。
映画としては珍しく「これが続編!」
1がドラマで2がアクションになってしまう部分は御愛嬌。それでもやっぱり現実離れし過ぎな演出もあるが。
スコット氏がブレードランナー2を監督しなかったことを後悔しているのがよく分かる。
なんならトップガン2もリドリースコットなら良かった。
DUNEもリドリースコット版が見てみたい。
老いると創作力も衰えものだということも近年のリドリースコットの作品で分かるが、それでもオーバーレイテッドゥニビルヌーブよりましだ。

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vCARKUNv

3.5イコライザーカットがおちゃめ

2024年12月13日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

今年の映画界の一文字は「首」だろう。流行りなのかこれほど首が飛ぶ映画をたくさん見る年はこれまでなかった。「ナポレオン」といい今作といい監督というものは巨匠になると大軍勢をぶつかり合わせるスペクタクルを、そしてグロな暴力シーンを撮りたくなるのだろうか?年寄りは五感が衰えて刺激が強くないと感じなくなるのかもしれない。四半世紀を経て名作「グラディエイター」の続編を撮ったのだけれど主演のポール・メスカルがラッセル・クロウの力量に及ぶべくもなく大ミスキャスト。物語そのものも薄っぺらでただただコロシアムの観客目線でバトルを楽しむだけのアトラクション映画となってしまった。いかれたゲタとカラカラの兄弟皇帝が唯一の見どころでデンゼル・ワシントンのイコライザー風暗殺シーンがご愛敬。マジになるなよ楽しめればそれでいいんだという監督からのメッセージなんだろう。

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たあちゃん

3.5迫力はあるけど

2024年12月12日
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鑑賞方法:映画館

話自体が使い古された内容だった。

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ドラゴンミズホ

3.0

2024年12月11日
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ラッセルクロウは妻のもとへ帰ろうとしていた愛妻家の設定ではなかったか?コモドゥス暗殺後なぜ逃亡する理由があったのか?設定への疑問が後ろ髪を引っ張る。怒涛のイコライザーが如きデンゼルのやりたい放題に引きづられる。この話はなんの話だったか惑わされる。主役が記憶に残らない。エンタメに振り切ったもんだ。楽しめるが、必要だった作品かと言われれば疑問は残る。

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Kj

4.0デンゼル・ワシントンが演じる影の主役とも言うべき存在

2024年12月9日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

リドリー・スコット監督による傑作で、剣闘士たちの過酷な闘いを描いた壮大な歴史アクションです。

本作では、コロッセウムで繰り広げられる死闘が物語の中心に据えられています。ローマ帝国の横暴な皇帝たちによる支配と残虐性に虐げられる民衆の姿は描かれつつも、その焦点はむしろ、剣闘士同士の血で血を洗う闘いにあります。

注目すべきは、デンゼル・ワシントンが演じる影の主役とも言うべき存在。

剣闘士を雇い、その戦いをまるで娯楽のように楽しむ人物ですが、彼の存在感がリドリー・スコットの演出をさらに確かなものにしています。彼が描く、剣闘士たちの生死を見世物とする社会への怒りや批判は、前作からのテーマを深めつつ、新たな血の物語へと繋がっています。

北野武の映画すら真っ青と言えるほどの手腕で、リドリー・スコットは観客を飽きさせません。

人間の命を見世物として消費するローマ社会の冷酷さをリアルに描き出しながら、剣闘士たちの血の絆を描いたこの作品は、まさに見る者を圧倒する一作と言えるでしょう。

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お茶と同情

4.0グラディエーターのテーマはやはりこれだよ

2024年12月8日
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鑑賞方法:映画館

物語としては、特段、新鮮味はなかったが、映像は素晴らしく良い。そして、男たちの筋肉祭り! ステキすぎる上腕二頭筋! お金持ちの衣装や貴金属もおしゃれだった。マクリヌスなんか、指輪もネックレスもじゃらじゃら付けてた。どんだけ金があるのを見せつけるねん。

ルシアスは王位につくのだろうが、戴冠式などで華々しく終わるのではなく、ひっそりしたシーンで終わるので、これからの孤独な日々を想像してしまう。頼れる身内もいないし、なんかかわいそう。がんばれ、ルシアス、負けるな、ルシアス! 応援したい気持ちにさせる演出は、続編がありそうな感じはする。新しい恋だってするだろうし、マクリヌスの野望の背景も不明のままだし、そもそもヤツが死んでるかわからないし。

音楽がてっきりハンス・ジマーだと思ってたら、違う人だった。ハリー・グレッグソン=ウィリアムズって誰?と思って検索したら、ハンス・ジマーの会社に所属する作曲家だった。なるほど、お仕事の調整ね。でも、最後の方であのテーマが流れた! やはりこれじゃないと、グラディエーターじゃないよ。

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ぷにゃぷにゃ

3.5凄いのだけど感情移入できない

2024年12月7日
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映像も凄く、迫力もあり、1作目からのストーリーの仕掛けも練り込まれているのに入り込めない。
いろいろ考えたけど、盛り込みすぎとそのアイテム良く今まで持っていたねというシラケが、早いストーリーをわかりやすくするための要素が逆に計算されすぎてシナリオが鼻につくような気がした。

もっと編集で削るべきだった気がする。

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豊川内角

5.0前作ファンにはたまらない見事な続編

2024年12月7日
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字幕版を鑑賞したが、字幕担当が戸田奈津子だったのでゲンナリした。いい加減に引退してほしいものである。字幕監修まで付いていたが、今作でもいくつかおかしな訳があり、誤訳の女王はいつまで映画界に迷惑をかけ続けるつもりなのかと腹が立った。

24 年目の続編ということで、前作の熱烈なファンだったことからワクワクして観に行った。史実を下敷きにしていくつか改変を加えながら、コモドゥスが暗殺された後の時代を描いている。前作の登場人物を丁寧に拾って書き上げたと思われる脚本は、実に良くまとまっていて、時折前作を思い出させながら進行したので、私のような前作ファンは猫の下顎を撫でられているかのような状態に陥った。

ローマ皇帝は原則的に世襲ではなく、前皇帝が見込みのある者を後継者と指名して元老院の承認を得て権力を継承する形式が本来のもので、後継者の指名をすることなく前皇帝が崩御した場合にやむを得ず世襲で皇帝が決まることがあったが、歴代ローマ皇帝で世襲によって即位した者は、ほぼ悉く腐り切ったクズばかりだった。前作のコモドゥスも愚帝で史実でも暗殺されているが、今作で登場するカラカラもゲタも最悪の皇帝だった。

史実のカラカラとゲタは双子ではないものの同じ父母から生まれているのだが、兄弟で父親と共同統治をしながら非常に仲が悪く、父の病死後、母が用意してくれた仲直りの席上でカラカラがゲタを殺害してしまっている。母親の目の前で、ということになる。カラカラはゲタを殺害しただけでは飽き足らず、ゲタ寄りだった貴族を片っ端から殺害して財産を奪ったばかりか、ゲタの追悼をすると呼びかけて集まった数万人の市民を虐殺している。世襲がいかに愚かなことかというのは、歴代ローマ皇帝を見れば明らかなのである。

当時の身分は元老院階級、騎士階級、平民階級に分かれていたが、これは世襲ではなく、財産の多さで決まる一代限りのものだった。皇帝は元老院階級でなければなれないが、平民や自由奴隷出身であっても、財産さえ蓄えれば元老院階級まで出世が可能であったことから、マクリヌスのような人物がいた可能性はゼロではなかった。皇帝まで成り上がって見せようという野望は、元老院に反感を持たれなければ不可能ではなかったのである。

前作から登場しているマルクス・アウレリウス帝の娘ルッシラと弟のコモドゥスは実在の人物であるが、マキシマスとルシアスは架空の人物である。実在の人物の中に、見事に架空の人物を入れて壮大な物語を作り上げる手腕は実にしっかりとしたものである。エイリアンシリーズにおいて、特にプロメテウス以降のリドリー・スコットは全くの邪魔者であるが、「最後の決闘裁判」や「ナポレオン」などの歴史物では見違えるように冴えた演出を見せている。

本作も前作同様に古代ローマとコロッセオの再現映像が実に見事である。コロッセオに海水を張って海戦を模した戦いを再現したという話は史実に基づくもので、ローマ人たちの建築技術の見事さを物語っている。ただし、鮫は泳ぎ続けていなければ窒息死してしまうので、生きたまま輸送してコロッセオの海水に放つことはできなかったはずである。

戦闘場面はいずれも迫力があって手に汗握るものであり、俳優陣のアクションは見事なものであった。デンゼル・ワシントンは既に 69 歳になっているが、老いを感じさせないキレッキレのアクションを見せていた。

音楽担当は「ウルヴァリン」「シュレック」「プロメテウス」などを手掛けているベテランで、前作のハンス・ジマーの曲を回想場面などで巧みに流用しながら独自のスコアを書き上げていて非常に見事だった。エンディングのリサ・ジェラルドの歌声は、壮大な物語を完結させる力を持っていた。実に見事な続編だった。
(映像5+脚本5+役者5+音楽5+演出5)×4=100 点。

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アラ古希

3.0古代ローマの世界観を楽しむ

2024年12月7日
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鑑賞方法:映画館

古代ローマを舞台に剣闘士(グラディエーター)として生きる男の生き様を描いたスペクタクルアクションで24年振りの続編。ストーリーも含めて個人的には前作の方が良かったように感じたがそれでも決闘シーンはド迫力でスクリーンに引き込まれた。古代ローマの世界観を楽しむシリーズです。

2024-198

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隣組

5.0Ⅱへのこだわりと民衆への信頼

2024年12月6日
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2024年。リドリー・スコット監督。ローマ帝国の衰退期、領土は最大になったが、双子の皇帝の支配下で過酷な専制的支配が行われていた。敗戦の末に奴隷となった異国の男は、妻を殺した将軍を恨んでグラディエーターとしてのし上がっていくが、、、という話。
前作の世界観を引き継いだ続編。もう24年前らしい。ラッセル・クロウ。奴隷からのし上がって皇帝と対決、そこに愛が絡む、という基本を再び再現している。
冒頭、ローマに攻められる異国の地で主人公は農業を営み、妻は洗濯をしながらやさしく主人公に語り掛ける。映画の歴史における伝説の白いシーツですよ。典型的すぎて昨今のジェンダー規範的にどうなんだとおもわずにいられない「愛情豊かな夫婦」の描写だが、次の瞬間、戦争を告げる鐘がなると、夫だけでなく妻も戦闘服に身を包んでいる!現代的な「愛情豊かな夫婦」像では、女性は洗濯をするだけでなく戦闘にも出るのだ。これは単にジェンダー規範への敏感な対処なのではない。「Ⅱ」という数へのこだわりとして展開されていくのだ。ここではまず洗濯しつつ戦う女性。
続編だから、主人公が前作の息子であるのは自然な流れだが、それによって、主人公は奴隷でありつつ皇統を継ぐ者という二重性をはらむ(最初は明かされないし主人公の意識にも上らないのは意図的な省略だろう)。そして、当初の妻への復讐に自らの出自への自覚が加わっていく。主人公はローマ帝国内ではよそ者のため、帝国政治に関わる主人公の「代理」として母の再婚相手である将軍が存在している。帝国内の正義を体現する将軍。そしてもちろん、最悪の支配者として双子の皇帝。細かいことだが、その皇帝の1人が指名する執政官も2なのだ。そのうち片方は猿だから、無理やり数を合わせたかのようだ。後半で本性を現すあの男も、その意図は当初の主人公と同様に復讐だったことが判明する。復讐する2人の男。このように、続編であることを意識的に用いて、2から複数の意味(継承、代理、分有、分身、善と悪、など)を生み出しているようだ。すごいぞリドリー。
闘技場の中には敵と味方以外に「民衆」がいて「兵士」がいる。一部の力あるものや高貴な身分の者たちが織り成すドラマであっても、最後には民衆への信頼があるのも感動的だ。

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