「デンゼル・ワシントンが演じる影の主役とも言うべき存在」グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 お茶と同情さんの映画レビュー(感想・評価)
デンゼル・ワシントンが演じる影の主役とも言うべき存在
リドリー・スコット監督による傑作で、剣闘士たちの過酷な闘いを描いた壮大な歴史アクションです。
本作では、コロッセウムで繰り広げられる死闘が物語の中心に据えられています。ローマ帝国の横暴な皇帝たちによる支配と残虐性に虐げられる民衆の姿は描かれつつも、その焦点はむしろ、剣闘士同士の血で血を洗う闘いにあります。
注目すべきは、デンゼル・ワシントンが演じる影の主役とも言うべき存在。
剣闘士を雇い、その戦いをまるで娯楽のように楽しむ人物ですが、彼の存在感がリドリー・スコットの演出をさらに確かなものにしています。彼が描く、剣闘士たちの生死を見世物とする社会への怒りや批判は、前作からのテーマを深めつつ、新たな血の物語へと繋がっています。
北野武の映画すら真っ青と言えるほどの手腕で、リドリー・スコットは観客を飽きさせません。
人間の命を見世物として消費するローマ社会の冷酷さをリアルに描き出しながら、剣闘士たちの血の絆を描いたこの作品は、まさに見る者を圧倒する一作と言えるでしょう。
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