劇場公開日 2024年11月15日

「戦争、政争が続く現世で、憂さを晴らしてくれるエンディング」グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 たけちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0戦争、政争が続く現世で、憂さを晴らしてくれるエンディング

2024年12月1日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

ローマ(共和国ないし帝国)ものは、マイ▪️フェイバリットなのですが、本作の冒頭から中盤までは、多くが望まぬ戦争、自己保身だけの政争という展開で、今日の世界や日本の社会状況を思い起こさせて、とても陰鬱に感じました。全体的に見れば、VFXは進化したとはいえ、グラディエーター1におけるストーリーの斬新性、キビキビしたアクションシーン、俳優の魅力などに、本作は及ばないものの、後半からはグラディエーター1で敷いた伏線が回収されていき、気持ちが良かったです。主人公の演説には胸が熱くなりました(善人が皆んな死んでしまい、主人公がつぶやくシーンは寂しさと今後の不安を感じさせるのですが、本作はグラディエーター1の明るいシーンに回帰するのが救いです。)。鑑賞直後の劇場では良かったねの感想が交わされているのを聞いて、鑑賞者の肯定的な評価に安堵しました。
 たくさんのローマ軍団兵士が現場に駆けつけために行進するシーンは、交戦するシーンより好みで、もっと長尺で見たかったです(最後に騎兵隊や特殊部隊などが現れて大団円を迎えるお話が好きです。)。

 実際の歴史ではゴタゴタが続くようですし、いずれはローマ帝国も滅んでしまうのですが、それはともかく、本作は一服の清涼でした。

たけちゃん