「英雄譚」グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
英雄譚
綺麗なというか、出来過ぎた続編というか…剣闘士がローマ帝国の王になる話。
冒頭が絵画のようなアニメーションで始まる。驚くのがその絵を観ながら「格式」なんて言葉を想像した事だった。
で…勿論、その格式に恥じない内容だった。
まぁ、とにかく規模が凄い。
コロッセオを建てたって逸話も聞く。世界観を再現する為にどんだけの資金を投じたのかと思う。
物語は至極単純で一本道なのだけど、その世界観の再現度に舌を巻く。エンターテイメントと言えばそれまでだけれど、前作のように語り継がれる名作のような要素は薄いと思われる。
ただただ圧倒的な美術群に呆然とする。
物語の筋も背景もしっかり把握できて、見応えなんかもあるのだけれど、感動するかと言えばそうでもない。なんだろ、綺麗な幕引きであったとは思う。
コロッセオに水を張って船を使った海戦を見せられるとは思わなかったのだけれど、作中のローマ帝国の隆盛を語るにはもってこいのシーンだった。
鮫まで放して馬鹿げてるのだけれど、あんな設定をも飲み込める程の世界観ではあったなぁ。
捕虜が剣闘士に登用される流れも不可思議ではなかったし、闘い方とかも説得力はあった。
その他諸々、落度はないのだけれど…なんか食い足りない。アレだけのものを見せられてもお腹一杯にはならなかった。
あ、自分の本名をルシアスだと明かしてからは盛り上がったかなぁ。とうとう帝国をひっくり返すのだと思えたし、それに爽快感を見出す為の種がいっぱい蒔かれていたのだなと思う。
とにかく規模が凄かった。
再現度って言うのか、こだわりと言うのかは分からないのだけれど、圧巻の古代ローマだった。
歴史絵巻な感じだ。
大昔、CGなとばなく、全て作らなければならなかった時代の「クレオパトラ」とかのテイストに似てるのかもしれない。