「複数人で書いた脚本はホントダメ」ウィキッド ふたりの魔女 がらさんの映画レビュー(感想・評価)
複数人で書いた脚本はホントダメ
緑の外見を持つエルファバは実の親からも不当な扱いを受けて育った不幸な生立ち。
そんな差別と異種嫌悪の話のお膳立てがオープニングで出来上がっているのに、エメラルド王の前に立つ頃には権力と反体制の話にすり替わっている。エルファバは「嫌われる外見だけど賢くて能力は高い子」なのに。
学園カーストトップのグリンダに認められて、外見の手入れ方法を教えてもらった途端「外見のせいでできなかったけど、本当は私だって恋とかしたかった!」と急にそれまでの自分を否定するのも滑稽。脚本家たちの頭の中で恋愛以外に信奉するものはないの?
しかも恋の相手は、「何回も退学してきたワルの俺だからわかるけど、学校なんて不要だぜ」とか言いながら図書館中の本を踏み付けにしてダンスするような男。
きっとこの映画の作り手たちはカースト上位になることこそ正義で、エルファバみたいな生い立ちの子を徹底的に否定して心を折りたいんだろうな。
過去に何かあった?
「千歳くんはラムネ瓶のなか」とか古くは「俺ガイル」みたいな日本の人気ラノベでも読んで、日本では10年前ぐらいの高校生でも理解し尽くした、カーストなんか本当になくてそれぞれがそれぞれの立場でもがいてるんだよってことを学んだ方がいいよ。
理解し合えなければ殺すような白人社会では無理かなぁ。