「ヒーローやヒロインがいない現実世界のような危うさ」ウィキッド ふたりの魔女 yoshiべぇさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒーローやヒロインがいない現実世界のような危うさ
普段見ている映画やドラマのようなスッキリ感がなく、現実世界のモヤモヤした感じを思い出した。
エルファバに感情移入し、エルファバを助け切れないグリンダにもどかしさを感じてしまうが、登場人物は身近にいそうな自己保身の強い普通の人たちで、自分を振り返ってもエルファバほどの勇気もグリンダほどの行動力もない。
自分を偽って生きていたフィエロや、ネッサと幸せになれると思うのにグリンダに執着しているボックの気持ちもわかるような気がする。
陛下みたいな狂った指導者も「いるいる。」と思うし、エルファバのダンスを笑うシーンは不快だが、実際にありがちな状況だと思ってしまう。
映画やドラマはハラハラドキドキしながらも、もっと登場人物を信頼できハッピーエンドを期待するが、今回は登場人物に現実世界のような危うさを感じてとても心配。モリブル先生がエルファバを「邪悪な魔女だ。」と言えばみんなが信じてしまう恐ろしさ。しかも、to be continued.誰よりも心優しいエルファバが邪悪な魔女に仕立てられて救われる気がしない。そんな硬直した重力を感じた前編だった。(ミュージカル未見)
結局、続きが気になり過ぎてあらすじを検索した。ストーリーを知らない者としては前編、後編、同時上映くらいの勢いでやって欲しかった。
全体的には歌も映像も素晴らしく、グリンダの演技がとてもキュート。前半、少しうとうとしたところもあったが、お陰で後半はしっかり覚醒できた。