劇場公開日 2025年3月7日

「意外に面白かったファンタジー」ウィキッド ふたりの魔女 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0意外に面白かったファンタジー

2025年4月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

既に1カ月前に公開が始まった本作。正直あまり興味があるお話ではなかったものの、米国アカデミー賞作品賞にノミネートされていたこともあり、当初は観に行く積りでいました。ところが2時間半を超える長編であるものの、実は前後編の前編らしいという話を聞き、ちょっと行く気がなくなって今日に至りました。ただたまたま空き時間があり、そこにすっぽりハマるのが本作だったので、捲土重来で観に行くことに。公開1カ月を経てもそこそこの人気を保っているようで、席も予想以上に埋まっていました。

で、序盤はちょっと苦手なミュージカル調の演出が多く、このまま突っ走るのかなと思いきや、全体を通すと存外歌のパートが多くはなく、普通の作品という感じ。内容的にも、”オズの魔法使い”のお話なので、ファンタジー作品であるのは勿論ですが、生まれつき肌が緑色の主人公エルファバ(シンシア・エリボ)の設定や、ヤギなどの動物の教授たちが排斥されていく展開は、現在進行形の現実社会の諸問題が投影されていて、単なるお子様向け作品に留まっていない印象でした。そのため、期待値が低かったことも手伝ってか、作品世界に結構引き込まれて行きました。これならさっさと観ておけば良かったと思うくらい。

上手いなというか、憎らしいなと思ったのは、冒頭”悪者”のエルファバが倒されたことを皆が祝っているシーンから始まり、その後、グリンダ(アリアナ・グランデ)が前日譚としてエルファバとの思い出を語る設定にしているところ。本作は前編なので、その前日譚は当然のことながら途中で終わって”To be continued"になる訳で、こうなると誰だって後編が観たくなりますね。
後編は、現実社会の諸問題を踏まえつつ、どのようにこの物語を収斂させていくのか、その点が楽しみでもあり、その時まで興味が続くのかという思いもあり、ちょっと複雑な気分になって劇場を後にしたところでした。

そんな訳で、本作の評価は★4.0点とします。

鶏
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