「辛さをエネルギーに変える最強の女エルファバ」ウィキッド ふたりの魔女 松たけ子さんの映画レビュー(感想・評価)
辛さをエネルギーに変える最強の女エルファバ
緑色の皮膚を持ち、偏見や嫌味、心ない言葉に傷ついていたエルファバは、足が不自由な妹の魔法学校の付き添いで、金髪で色白な絵に描いた人気者の裕福な女性、自己顕示欲満々のグリンダと出会う。
自分の怒りをきっかけに、強い感情を持って周りを圧倒するエルファバ。彼女の姿を見た魔法学校のカリスマ的存在の女魔法使い教師から、能力を見出され、特別授業を受けるチャンスをゲットする。外見の特異性ではなく、初めてありのままの自分を認めてくれた喜びに高揚し、自分の未来に希望を持ち、真摯に自分の才能を伸ばそうと努力する。
一方、他の人から気に入られよう、自分が1番になるために善意的に前向きなグリンダは仲間を増やしていくが、エルファバが同部屋で暮らすこととなる。
2人の対極な性格や考え方の対比が色や洋服、メロディーに出ていて面白い。
自由大好き、ただ今が楽しければいい、自由を愛するイケメン愉快快楽主義者のフィエロとの三角関係や、車椅子で過ごすエルファバの恋の物語もあった。
2人の出会いは、それぞれの良い個性と個性とが混じりあい、新しい信念と世界を切り開く力を生み出していく姿を描いている。音楽も浮遊感があったり、耳に残るメロディーが素敵だ。見ていて前向きな気持ちになれるし、元気になれると思う。
悲しみと苦しみを背負っているものは、どんな逆境でも立ち向かえる耐性力を持つ。
ラストに描かれるエルファバの力強さと誰にも負けない自己肯定感、無敵感は見ていて清々しく、鑑賞している劇場全員の新しい道を切り開く位、自分も最強になったような魔法をかけられた体感があった。
三時間を超える上映時間も見飽きずに楽しめた。
続編も楽しみだ。
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