「ミュージカル版ファンなら間違いなくおすすめ!」ウィキッド ふたりの魔女 ちかさんの映画レビュー(感想・評価)
ミュージカル版ファンなら間違いなくおすすめ!
ブロードウェイ版も好きな方は、途中の配役サプライズに胸を熱くするはず、、!
ブロードウェイ版・劇団四季版鑑賞し、どちらも何度も音源聞いている大大ファンです。
大好きなミュージカル作品が映画化するということで、どうしても比較する感想になってしまうが…。
観るまでは期待と不安があった。
監督の解釈や、尺や映画という性質での制限による脚本の変化はどんなものか。ミュージカルでは細くて華奢で悪い魔女のイメージ通りのエルファバに対し、骨格が太く顔のパーツも大きい配役。歌声は国籍柄のアレンジ強い感じだったら嫌だなぁと。
肉付きがよく男の子を翻弄する、いわゆる”ブロンド”という言葉が指すステレオタイプに近いグリンダが、今回は細くて華奢。表現しきれるのか?と。
結果、これらの不安は、すぐに払拭された!
最初から最後まで、原作にリスペクトを感じる丁寧な脚本だった。
(1点、エルフィー役は納得しきれていないが、、ポリコレの影響を感じざるをえない)
アリアナは声量も演技もパーフェクト!イメージ通り、全く世界観を壊すことがなかった。
少し皮肉で意地悪なところもあるけど、自分の気持ちに正直でみんなから愛されるTHEヒロインを、完璧に演じていた。
本人は本気で、観客からはマヌケに見える演技は難しく、演技力やハマってる感がないと興ざめしてしまうが、全くそんなことがなかった。映画化においてアリアナ以外に演じられる人がいるのか疑問に思うくらい。
ミュージカルではセリフを耳で追うところも、圧巻の映像や字幕が伴うと展開がわかりやすいし、解釈の幅が広がっていて改めて感動した。
途中はブロードウェイ版のファンでないと気づかない配役があり、ファン心をくすぐられた。
観ながら歌声を比較していたところがあったので、一部でも叶えてくれた脚本に胸アツ。びっくりして口が開いた。
ゼロから作り上げた雰囲気や感動を、Part1と2で分けることで次の冒頭に観客として気持ちを持って行けるんだろうか。どんな演出がされるのか大きな興味が沸いた。
と、感動でいっぱいで鑑賞後もボロボロ泣いていた一方、先に観ていた友人や、一緒に観た相手の反応を観ると、どうやら初めてウィキッドに触れる人には退屈とまではいかないが、長くて、歌がすごいね、くらいで終わる模様。
ミュージカルを忠実に再現している感じを受けたので、慣れていないとセリフで展開が進むことに慣れないのか?
若い女性の少し歪んだ友情や恋愛心理がわからないのかな。
また、グリンダを嫌いというコメントもちらほら見て悲しい…これは通して見ないと、エルファバに着いていかなかった意思や、それぞれの想い・自身に課した使命感がわからないのかもしれない。
ミュージック版を知っているのでどこまで描くんだろうとワクワクしながら観ていたら、あっという間だった。(頭の中ではまだ続きがあるのに途中で終わったので、むしろ物足りないくらい)
※字幕版を見たが、
Defying GravityのI hope your happy!の訳が納得できなかった…
この同じ言葉を使って、喧嘩し、相手を想って説得し、双方の意思を汲んで決別するという、深い意味がある言葉。
相手の幸せを願ってるからこそ感情が揺さぶられるわけで、そこが強調されるように和訳してほしかった…(それぞれで違う言葉を使って訳されていた)
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