「後編が楽しみすぎる!」ウィキッド ふたりの魔女 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
後編が楽しみすぎる!
公開前にさんざん予告を観て、楽しみにしていた本作。字幕版で観たかったのですが、公開日は上映時間の都合が合わず、公開2日目に鑑賞してきました。期待どおり素敵な作品で、最後まで楽しかったです。
ストーリーは、「オズの魔法使い」で描かれる国・オズで魔法を学べるシズ大学に入学したグリンダは、そこで緑色の肌をもち周囲から奇異な目を向けられて育ったエルファバと出会い、何不自由なく育てられ、美しさと人気の裏で野心家の一面ももつグリンダと、その対極とも言えるエルファバは、当初の対立を乗り越えて友情を通わせ、かけがえのない存在となるが、ある日、オズ陛下に招かれた二人は、オズ国の驚くべき秘密を知ってしまうというもの。
世界的に有名な児童文学「オズの魔法使い」ですが、恥ずかしながら読んだことがなく、映像化されたさまざまな作品を通して、内容を断片的に知っている程度です。そんな自分でも、本作はその前日譚として、見応えのある作品に仕上がっていると感じます。
特に、エルファバとグリンダの関係にスポットを当て、性格の違いをしっかり感じさせながら、二人の交流をじっくりと描いている点がいいです。緑色の肌をもち、周囲から蔑まれ、親からさえも愛情を注がれず育った孤独と悲しみ、それを表に出さない強さをもつエルファバ。でも、それが彼女の精いっぱいの抵抗であり、平気を装っているだけであることに気づいたグリンダ。そんな二人の心情が繊細に描かれているように感じます。中でも、嘲笑を受けるエルファバのダンスにグリンダが同じダンスで応えるシーンと、ラストの塔の上での二人の姿がとにかくエモーショナルで、わけもわからず涙があふれてきます。
こんな感じで、主演の二人がとにかくよかったです。本来ならズル賢いお嬢様的な立ち位置のグリンダなのですが、おバカな感じのかわいさがあり、嫌味がなくてキュートに映ります。対するエルファバも、異性にときめき、グリンダの影響で髪型を変え、いつのまにかかわいらしく見えてきます。そんな変容が丁寧に描かれていると感じます。
また、本作のファンタジーな世界観の演出もお見事です。この手の作品はCGとの相性がよく、その威力は遺憾なく発揮されていると思います。そして、本作がブロードウェイミュージカルの映画化ということもあり、ミュージカルシーンは圧巻のパフォーマンスが披露されています。正直ミュージカルはあまり得意ではないので、ちょっと眠気に誘われた面もありますが、その歌声は超一級品なので、好きな人にはたまらないでしょう。
ところで、タイトルに「Part1」の文字を見つけ、初めて本作が2部作であることを知りました。ということで、この終わり方にも納得ですが、この先、二人の関係はどうなっていくのでしょうか。エルファバはどうして「悪い魔女」になってしまうのでしょうか。続きがメチャメチャ気になります。もちろん後編も観に行きます。後編の公開はいつなんでしょうか。今から楽しみです。
主演はシンシア・エリボとアリアナ・グランデで、演技と歌唱で魅せる圧巻のパフォーマンスが秀逸です。脇を固めるのは、ジョナサン・ベイリー、イーサン・スレイターミシェル・ヨー、ジェフ・ゴールドブラムら。
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