劇場公開日 2025年3月7日

「期待度◎鑑賞後の満足度△ これ程ワクワクウキウキしないミュージカル映画も珍しい。いくら特殊効果・撮影技術等が進んでも85年も前に作られた『オズの魔法使い』の方が楽しかった、と思わされるとは。」ウィキッド ふたりの魔女 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0期待度◎鑑賞後の満足度△ これ程ワクワクウキウキしないミュージカル映画も珍しい。いくら特殊効果・撮影技術等が進んでも85年も前に作られた『オズの魔法使い』の方が楽しかった、と思わされるとは。

2025年3月7日
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鑑賞方法:映画館

①キャッチーな曲もない。ダンスシーン(振付)も単調で観ていて飽きてくる。
ロングランしている大ヒット舞台の映画化だが、元々の舞台がもしこんなレベルであれば最近の観客の鑑賞眼が落ちているということだろうし、”舞台は素晴らしいのに…”ということであれば、それは監督の腕が悪いというしかない。この程度の作品が作品賞にノミネートされるのだから、やはりアカデミー賞は信用ならんわ。

②何より長いし、長い割には内容が薄い。
舞台版はもちろん観たことないし、話の中身も知らないのだけれども、外見にコンプレックスを持って生きてきて、然し実は凄いパワーを秘めていたエルファバが、自ら好んで“Wicked”になることを選んだ強くて哀しいお話だろうと勝手に推測して鑑賞に臨んだが、もし仮にそうだとしたら殆んど伝わってこない、というか描き出せていない。
演出が冗長なことが最も大きな要因で、テンポが良くて緻密な演出であればもう少しは面白くなったのでは…

③アリアナ・グランデ演じる未来の善い魔女グリンダが、実は金持ちのスポイルされたバカ娘だったという設定は面白いし、アリアナ・グランデのコメディアンヌぶりは数少ないこの映画の美点の一つだが、エルファバの方は演じるシンシア・エリボは歌も上手いし実力のある女優さんであることは間違いないだろうけれども、最初から既に成熟して分別のある大人の女性という感じで役柄が成長するという面白味に欠ける。

④監督のジョン・M・チョンは、『クレイジー・リッチ』はまぁあんなもんだったけれど、『イン・ザ・ハイツ』はなかなか良かっただけに残念。

⑤冒頭から、悪役とはいえ人が死んだことを喜んで唄い踊るミュージカルシーンから始まって早速違和感が付きまとった。

奈良県の因習深い農村で生まれ育った私だが、子供の頃に聞いた話だけれども、“地主”というから戦前の話だと思うが、かなり酷い地主だったらしく小作の人を大分苛めたらしい。それで其の地主が死んだ時に小作の人達は墓場で酒盛りをしたとの事。其の話を聞いて“この村は八つ墓村か?”と思ったのを覚えているけれども、小作の人たちは苛められて憎んでいたのは理解できるけれども、やはり不快感は否めなかった。
本作の冒頭のシーンで当時の不快感がよみがえってしまった。
木と藁の人形を燃やすのも“『ハッカーマン』か?”と思ってしまったし、明るい広い所で悪い魔女が死んだことを喜んで唄い踊るところも“『ミッドサマー』か?”と思ってしまった。

調べてみると原作はかなりダークな話の様で、舞台版はかなりキレイ事に脚色しているようだけれども、私個人の好みとしては原作の方かな。いつか読んでみよう。

⑥魔法学校というのも『ハリー・ポッター』の二番煎じみたい。

もーさん
大吉さんのコメント
2025年3月8日

私もイン・ザ・ハイツは面白かったですが、これはハマらなかったです。

大吉
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