「わざわざ2部作にする必要はあったのだろうか?」ウィキッド ふたりの魔女 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
わざわざ2部作にする必要はあったのだろうか?
はじめから「続編ありき」の企画のせいか、話の進むテンポが遅くて、正直、退屈してしまった。せっかくのミュージカル・シーンも、物語の流れを阻害しているとしか思われず、心から楽しめなかった。
特に、前半の学園ドラマのパートは冗長で、スクールカーストの頂点と最下層に位置する主人公たちの友情にも、主人公たちに、どこかの王国の王子様やら主人公の妹やらを加えた2つのグループの三角関係にも、大して興味を持つことがてきない。
本編の最大の見どころとも言える、主人公とルームメイトが親友同士になる経緯にしても、それまでいがみ合っていたはずの2人が、いきなり一緒にダンスを踊り出すシーンには、唐突感を抱かざるを得なかった。
ルームメイトが、主人公に心を開いたのは、自分を魔法学のクラスに入れるよう学部長に進言してくれたからだろうが、主人公が、どういう理由でそう進言したのかが、よく分からないのである。
王子様か、主人公に思いを寄せるようになったエピソードにしても、どうして王子様だけがあの場で眠らなかったのか、その理由も分からずじまいである。
舞台が、エメラルドシティに移ってからは、ようやくと話のテンポが良くなるのだが、今まで何回も映画化されていて、「オズの魔法使い」の正体が分かっているせいか、誰が首謀者で、どういう陰謀なのかが容易に想像できてしまい、驚くような展開とはならなかった。
冒頭で、「善い魔女」が、親友だった「悪い魔女」の死を嬉しそうに村人に知らせている理由だとか、本当の父親や肌の色にまつわる主人公の出世の秘密だとかについても、謎が残されたままなのだが、続編が楽しみというよりは、中途半端さと物足りなさを強く感じてしまう。
ダラダラと上映時間の水増しをせずに、最初からテンポ良く物語を進めていたらならば、わざわざ2部作にする必要性はなかったのではないかと思わずにはいられなかった。
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