「ただのミュージカル映画です。原作の深みには全く及ばない。」ウィキッド ふたりの魔女 あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
ただのミュージカル映画です。原作の深みには全く及ばない。
1939年の映画版「オズの魔法使い」でマーガレット・ハミルトンが演じた西の魔女はアメリカの3大人気悪役(?)に入るそうだ。
この人気悪役の視点で改めて書き起こした本、2003年からブロードウェイで上演されているミュージカルと本作の直接的な原作となるのがグレゴリー・マクガイヤ「ウィキッド 誰も知らないもう一つのオズの物語」。西の魔女にはエルファバという名前が与えられた。原典「オズの魔法使い」では東西南北の魔女たちのうち名前が与えられているのは南のグリンダだけだった。エルファバは原典作者のイニシャル「L・F・B」(Lyman Frank Baum)からついた名前。原典のちょうど裏返しの外伝だが、原典の名に恥じない作品にしたいという意気込みが感じられる。
「ウィキッド」を読むと、エルファバの不幸な生い立ち、外見から受ける不当な差別、父や妹との葛藤から話は始まる。そして彼女はオズの無法な支配に敢然と戦いをいどみ、そのために「悪い魔女」としてのレッテルを貼られてしまう。つまり、原作は、オズ世界のダークサイドを描いた作品なのである。
これがミュージカルになるとその暗さがかなり薄められた。グリンダに焦点を当てて、エルファバとの友情や学園生活の楽しさをもっぱら強調してミュージカルとしてのエンターテイメント性を優先したのである。
さらに映画となると、シンシア・エリボのエルファバがやや線が細いのに加えて、アリアナ・グランデが実に奇妙な味わい(無神経ともいえる)を出していてそちらにどうしても目が奪われる。このためエルファバの一代記としてのニュアンスはかなり薄れてしまった。もちろん本作はミュージカルの一幕目にあたり、二幕目にあたる部分がパート2として制作されるようなので変化はあるのかもしれないが。
それにしても、アカデミー賞の衣装デザイン賞と美術賞を取っているだけにゴージャスといえはゴージャスな画面である。でも、全てのシーンが何故か薄っぺらい。歌やダンスのシーンも私は迫力を感じられなかった。おそらく撮影方法やショットの構成が平凡過ぎるのかもしれない。ものすごく良い素材を取り上げながら、まあまあのレベルのミュージカル映画にしかなり得なかったように見える。パート2に期待します。
イイねコメント共感ありがとうございます。😊厳しいですねぇ 目の肥えた方は。
私はシロウトなので ちょうど良かったです。とはいえ歌う場面だけは原盤英語でないとですね。
アナ雪みたいにはいかないですね。勉強になり📚ます。失礼します❗️。
パート1の公開も焦らしに焦らしておきながら、パート2の上映もめちゃくちゃ先なんですよね。商売が上手いんだか下手なんだか、よくわかりませんが、刺さる人にはめちゃくちゃ刺さってますねw
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