「思いっきり「前編(序章かもしれない)」なので、「To Be Continued」で驚かないでね」ウィキッド ふたりの魔女 Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
思いっきり「前編(序章かもしれない)」なので、「To Be Continued」で驚かないでね
2025.3.7 字幕 イオンシネマ京都桂川
2024年アメリカ映画(160分、G)
原作はスティーヴン・シュワルツ&ウィニー・フォックスのミュージカル
魔法学校で知り合ったふたりの魔女候補の出会いを描いたファンタジー・ミュージカル映画
監督はジョン・M・チョウ
脚本はウィニー・ホルツマン&デイナ・フォックス
原題は『Wicked:Part I』で、「魔女:第1章」という意味
物語の舞台は、ふたりの魔女の戦いが終わったマンチキンランドにて、善い魔女ことグリンダ(アリアナ・グランデ)が国民たちに語る様子が描かれて始まる
西の悪い魔女ことエルファべ(シンシア・エリヴォ、幼少期:カリス・ムゴンソレ)は、父がマンチキンランドの提督(アンディ・ナイマン)で、母(コートニー・メイ=ブリッグス)との間に生まれた長女だった
だが、彼女は生まれながらにして緑色の肌をしていた
提督は娘を忌み嫌い、距離を置いて接するようになる
そして、待望の第二子・ネッサローズ(マリッサ・ボーディ、幼少期:セシリー・コート・テイラー)を授かるものの、彼女は生まれながらに足が短く、立つことができない
さらに、母親も妹の出産にて亡くなってしまい、彼女らの面倒はダルシベア(シャロン・D・クラーク)とウルフ・ドクター(ジェナ・ボイド)に丸投げすることになった
二人は順調に育ち、ようやく大学に通う年齢になる
だが、大学に行けるのはネッサローズだけで、エルファバは妹の付き添いとしてシズ大学に来ることになった
物語は、グリンダの回想録というテイストで進むものの、思いっきり続編ありきの「パート1」となっている
邦題は「ふたりの魔女」となっているが、劇中にて魔女として覚醒するのはエルファバだけであり、ちょっと無茶なタイトルになっているなあと思った
動物と人間が一緒に住んでいた世界だったが、ある目的によって人間は動物を迫害し始める
大学から追い出し、檻に入れるなどして学びの機会を奪い、それによって人間社会をより強固なものにしようと考えている黒幕がいた
映画の後半では、その黒幕たる人物が登場するが、そこまで明確な証拠はなく、むしろエルファバの思い込みに近いところがあった
エルファバが魔法の書を使えたことで脅威となり、それによって彼女を捕まえようとするのだが、彼女は魔法のほうきを手に入れて、西へと姿を暗ますことになる
前半はここまでという感じで、西の魔女がどのように死んだのかは、次作以降で紡がれるという感じになっていた
前後編というのは思い込みなのかはわからないが、西の魔女が死んだ後のことも見越して、パート表記にしているのだと思う
前半だけで160分というのはまとめきれていないように思うが、長いのはミュージカルの部分があるからなのだろう
原作がミュージカルで、それをそのまま映画的手法を用いて再構築しているように思えた
このあたりはファンムービーの側面は否めないが、あまりにも有名な話なので、ネタバレもあったものではないのかもしれない
いずれにせよ、ミュージカルが嫌いという人は無理な作品で、オズ好きだと何とかなるレベルであるように思えた
さすがにこの内容で160分は長すぎるので、もう少し噛み砕いても良いように思う
また、前後編(続編ありき)を思いっきり隠して宣伝しているのはどうかと思うので、いっそのこと「あの魔法使いの物語が前後編にて再現!」ぐらいの包括的な宣伝を行った方が良かったように思う
あと、スケジュールの関係で通常スクリーンで鑑賞したが、やはり室内のシーンは暗すぎると思うので、IMAXなどの映像に特化したスクリーンで観た方が良い
字幕と吹替は好みによると思うが、アリアナ・グランデの裏声は強烈なので、それを堪能するのなら字幕一択のように感じた
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