「同じ場面が繰り返されるも... 1度で2度美味しい、そして3度もってか?」バーン・クルア 凶愛の家 Paula Smithyさんの映画レビュー(感想・評価)
同じ場面が繰り返されるも... 1度で2度美味しい、そして3度もってか?
意表を突くように、見ていて理解するように、そしてサスペンス力が倍増するように... これこそ究極のノンリニアー・ナラティブという演出方法をとったピカイチ作品と言えるかも... すいません。少し大げさでした。
Ratree: Everything happened so fast. At least she wasn't
in any pain.
Kwin: Who are you talking about?
Ratree: You should know better than me. She left before
her time. Her spirit is still lingering around where
she passed. Perhaps this book might be of help to
you. If I'm able to move into this house, we will
probably have a chance to talk more.
※ノンリニアー・ナラティブ
この作品の特徴というか、面白さはある時点で、フラッシュバッグをすることでノンライナー・ナラティブの手法によるアクセントを映画のプロットに効果的に加えている。
映画の最初の時系列では、妻という一人の登場人物の視点からシナリオは始まる。その始まりは、夫は最初は家を売りたくないと言っておきながら次の瞬間、「いいよ」って、無表情で感情を表さない夫...夫のクウィンを演じたスコラワット・カナロスさんの演技がどうもあまりにも素人っぽくって、あたしは心の中で「この大根役者!」なんて心の中で言ってしまってもいた。その後、彼女ニンにとって最悪な事態を迎えようとしていた。
Kwin: On that day we first met, it's as if you can see my
daoughter's spirit. Ing also seems to notice that
Jaa is still around,but why... Why can't I ever see
her?
Ratree: If you have faith in His Mightiness, he will hear
your prayers, son. It depends on... whether you
open your heart to His Mightiness or not.
そして途中からフラッシュバッグをすることで今度は夫のクウィンの視点から物語が始まる。それはクウィンが今の妻ニンと出会う前の暮らしから物語はリスタートする。
Ratree: The crows you see are the messengers from His
Mightiness. He came to say that it's time for Jaa's
spirit to depart.
Kwin: Why? I... I haven't even met Jaa yet.
Ratree: She doesn't want to leave you, but she has no choice.
Ratree: Ms. Ratree, do you have a way to help Jaa? Ms. Ratree.
I'm begging you.
Ratree: Son. I can perform a ritual to bring Jaa's spirit back.
But firstly, we have to find a new body for her. The body
needs to be around the same age as Jaa and is able to
communicate with spirits.
Kwin: Do you mean lng?
Nuch: Two spirits can live together in one body. Jaa will just
be a resident. Will it put lng in any danger?
Ratree: She won't feel any kind of change.
そして、最後のフラッシュバック...
これで全てのことが、説明され悪夢のような出来事が解決される大団円へと向かう。しかも予測不可能なツイスト・エンディングなので、この場面は、ネタバレというか映画のエッセンスなので控えさせていただきます。
ただ言えるのは、邪魔にならない程度のフィルム・スコアがより一層人の心理を表現している。それとホラーを体たらくに安直化したとされるジャンプスケアーを使っていないことがホラーというよりもどちらかと言うとオカルトチックなサスペンスと捉えている。だからそこんとこあたしは好きです。
本作『バーン・クルア 凶愛の家』は、とにかく切なくて、切なくて... ただただ悲しみの憤りの解決の方向性を見つけるのに苦労をする。そんな作品なのかもしれない。ただニンとイン(?)の次のエンディングの会話で救われます。
Ning: I will take you to the beach after school, okay?
Ing(?): Hmm.
※ lng の後ろにあたしが故意に (?)を何故付けたのかは理由があります。でも言えませんので悪しからず!?
クウィン役のスコラワット・カナロスさんには謝らなければならない。何故なら「この大根役者」なんて一瞬でも思ってしまったことを... 何故って、彼クウィンの視線からの演技はこの作品において、人の肉体ではなく、いかに精神に対しての苦悩、苦しみが、人を傷つけダメージを与えられた為に人が再起不能になるのか?それとも人が変わったように狂気の世界にのめり込み犯してはならない禁を解き放ってしまうのか? その彼のクウィンは最初とは別人の様で、脚本も書いているソフォン・サクダピシット監督の演出によるところだけではないようにも感じる... それにしても
嫌みのない自然体で演技をしていたイン役のThanyaphat Mayuraleelaさんには拍手を送ります。よくがんばりましたね💮 ごめんね。名前が読めませんでした。
映画を観終わって...
幼い女の子が頑張るホラー映画。しかも人形とスピリットとの因果関係をモチーフにした西洋では理解されないアジア圏のお話... それは、2014年『生き人形マリア』。多分マイナー過ぎて知らない人は多いのは当然だけれども... 亡くした子供を取り返したい一心のドラマとしたら他には映画のプロダクションの名前にもなった 小説『The Monkey's Paw』やドラマでは、ウルトラQ も最初はドラマ作りを望んでいたテレビの黎明期の名作『The Outer Limits』のS1E12『The Borderland』が直ぐに思い浮かぶ。何故なら、『The Borderland』だけ言わせてもらうなら、ラストの父親が息子に会いたいが為にとった行動が今でも思い出されます。
ノンリニアー・ナラティブの有名な映画としたら多くのサイトで必ず上位に登場している記憶のホットさが分かる『Memento』かな?
異色なものを挙げるとしたら同じタイ産のホラー映画『三眼ノ村 黒魔術の章(Art of the Devil 2)』と『三眼ノ村 輪廻の章(Art of the Devil 3)』... 日本の題名では分かり辛いけど英語題名では "2" と"3" と続きのシリーズ物と思いがち... でも話の内容と時系列は、 "2" と"3" は逆転すると言う映画の話の中のストリーではなくて映画そのものをトリッキーな順番にしている一風変わった映画もありました。(そう言えばスターウォーズがありました。)
※余談として
南の島で働いていた時、タイ人の友達が、庭の隅に行きたがらなかった。おおよその見当が付くけど言わなかったけれども、タイに行ったことのある方ならレストランやホテルには必ずと言っていいほど小さな祠がある。タイ人の多くが仏教徒であるとともにアミニズムをおろそかにしないのも彼らの文化にはある。(ほかのレビューの焼き回しです。)
そしてあくまでもパタヤ出身の女性が言うには「プーケットに住む人たちはブラック・マジックを信じている人が多い。」のだそうです。 (これもほかのレビューの焼き回しです。)
それでは失礼します。