「劇作家の人生の一部を舞台で演じ、それがさらに劇中劇となるメタ構造の妙。 映画全体が渡辺いっけいの役者としてのキャラクターに助けられていると感じる。」追想ジャーニー リエナクト ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
劇作家の人生の一部を舞台で演じ、それがさらに劇中劇となるメタ構造の妙。 映画全体が渡辺いっけいの役者としてのキャラクターに助けられていると感じる。
スランプ中の脚本家が、「退行睡眠」で30年前の自分と出会い、過去の選択をやり直そうとする。
シリーズ第2弾とのこと。
脇の出演が多い、渡辺いっけいの本格的な出演が観たくて鑑賞。
(「Chime」もそうでしたが、もういい加減、刑事役は飽きたでしょう。)
演劇の脚本家の話を、劇場の舞台で演じた映画。
さらに、そのシーンが劇中劇でも登場するという、何重にも重なるメタ構造が独特の雰囲気と作っている。
追体験の中で、別の選択肢を選んだ場合の結果も、決して幸福には見えない。
しかしそれも、タイムスリップではなくて「退行睡眠中」での夢の話でしかないので、現実での選択が間違っていたのかはわからないから、結果、今を受け入れて先に進むしかない。
ほろ苦い結末。
ただ、渡辺いっけい自身のキャラクターイメージから、ただ深刻なだけではない、どこか優しい雰囲気で観れる。
映画全体が、彼の役者のイメージに救われているところが大きい。
松田凌、樋口幸平ら他の若手は、印象を残せるほどの見せ場は少ない印象を受ける。
66分という短い尺では難しかったかもしれないので、続編ではもう少し演じる時間があった方がいい。
こういう話は好きで本作も好きで応援したい気持ちで、個人としては☆4.5。
しかし、少し全体的に弱い、足りないし、ありがちでないとは言えないので、客観的には☆3.5です。
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