「ライブに来たような感覚。」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 そらそうめんさんの映画レビュー(感想・評価)
ライブに来たような感覚。
鬼滅の刃は前作の無限列車編を地上波で見て
たまにアニメを見ていたぐらいの知識しかない。
それでも、とても楽しかった!
とにかく画面が綺麗で無限に広がっていく鬼の根城は圧巻。
Aimerの力強い歌声がかなりテンションを上げてくれる。
4DXでは一番衝撃が強かったのが岩柱の鉄球だった。このおかげで、それ以降岩柱が画面に登場するたび次はいつどつかれるのとどきどきした。
好きなところ
① 曲格好いい!Aimer!柱のテーマ!鬼テーマ!猗窩座のテーマ!義勇vs猗窩座!善逸vs獪岳!黒死牟のテーマ!透き通る世界!
② 声優全員流石!早見沙織さん、石田彰さん、関俊彦さん良すぎ!!
③ 戦闘シーン!
⑤ ラストの無惨様。良すぎた。痺れた。次回もこいよ!みたいな感じ好き
ちょっと嫌だった
① 回想多い。くどかった
② 猗窩座と炭治郎の邂逅からの開戦!で曲も相まってテンションぶち上がったところで、他の場面へ。
ジブリのような可愛らしい音、からの破壊音
城を破壊して登場した猗窩座には本当に心が躍って、
無限列車編でも猗窩座登場した瞬間に一気にアドレナリンがぶち上がったのを覚えてる。今作、またしても猗窩座で最高潮に押し上げられた。
「よく生きていたものだ。お前のような弱者が。竈門炭治郎!!」
「猗窩座!」
戦闘だー!!!!!
場面が転換。え、ここでこのテンションで放り出されるの?嘘だろ……?
③ 無限城が無限過ぎてマッピング?作業に意味を見いだせなかった。このシーン見てるとき結構苦痛だった。
以下ストーリー追っかけながらのネタバレ感想。
記念すべき初戦は
上弦の弐vs蟲柱
氷の血鬼術を使う上弦の鬼。いきなり、猗窩座より上の鬼との戦闘から!人間を喰っているところに出くわすのだが、こんな状況で食事を摂っていたのは挑発のためなのか食いしん坊なのか、鬼の中でも上昇志向強めなのか……
どうにもつかめないのらりくらりした鬼だったな……。
そんな掴みどころのない優しげな鬼を相手に蟲柱は沢山の技を使って立ち向かうのだが、ついにはぼろぼろの身で放った渾身の一撃もいなされて取り込まれてしまう。
百束蛇腹は、ただでさえ速い蟲柱の、その速度がさらに上がり敵を翻弄し生まれた隙を突きで捉えるような技(?)で、
橋を割る程の踏み込み、あまりの速さに視界に捉えられるのは黒と紫の残像だけ。上弦の弐も目で追いきれず、たまらず範囲攻撃の氷の血鬼術を展開するのだがその顎下にはすでに刀を首目掛けて突き上げる蟲柱の姿。
小柄な虫柱が百束蛇腹の勢いを利用して可能な、天井へ貼り付けにするほどの高威力の突き。
それなのに、決死の思いでたたき込んだ毒はすぐに解毒され、逆に氷の蔦のようなものに捉えられてしまう。
髪飾りひとつ残してあとは全て吸収される、女の子が迎えるにしてはあまりにな最期に絶句。
弟子の女の子と同じような顔になっていたと思う。
蟲柱の声優の演技がとても凄かった。
呼吸もままならない致命傷を受け膝をついて涙を流していたのは妹の胡蝶しのぶだったと思う。叱咤を受け立ち上がったのは蟲柱胡蝶しのぶなんだろうな。責務を果たすために立ち上がったんだろう。泣くよこんなの。
他にも「わたし怒ってるんですよ。」「ずーっと怒ってるんです。」大事な人たちを次々に失った悲しみと鬼への怒り。煮えたぎるような怒りが伝わってきた。
声優、早見沙織さんは本当に凄い演技力だった。
そこから繋げるように
「大切な人は明日も明後日も生きている」「その幸せは絶対だよと約束されたものではないのに」と普段とうってかわって落ち着いたどこか悲しみを含んだような善逸の独白が入る。
命が失われるのはけして鬼のせいだけではないけど、鬼に奪われた未来があるし、鬼の脅威がある世界で生きてるんだよな
上弦の陸vs善逸のバトルが始まる。
同じ師匠の元で切磋琢磨していた兄弟弟子同士の闘い。
盛大な煽り合いからの開戦。
「俺とお前を一緒にすんじゃねぇ!!!」と獪岳の啖呵とともに、雷の音がバチンバチンバチンと鳴る。これがとても痺れる。かっけぇ。自分は昔から雷が好きなんだ。
そして獪岳のテーマが流れる。細やかに紡がれる音の中にときどきシャーン!と大きなシンバル(多分)の音が入る。中華っぽい音楽なのだが虎を彷彿とさせる獪岳にぴったりでとても好きなBGMのひとつ。すぐに善逸のテーマに切り替わってしまうのだが……サントラCDが楽しみ。
初っ端から善逸に首を切られてるのを見たときは
弱いのか……?と勘ぐったが
兄弟子だけあってなのか、霹靂一閃を喰らったのはこの初撃のみでこのあとは霹靂一閃が八連になろうが全てきっちりいなしてなんなら背後からの死角から繰り出された一撃も羅針があるわけでもないのに読み切って華麗にカウンターしていた。
霹靂一閃以外の技を全て習得しているのは相当な実力なのだろうと思う。あと技が全て格好いい。何度でも言おう、私は雷が好きだ。
青と黒のエフェクトのときは血鬼術が乗っていなくて、赤と黒のエフェクトのときは血鬼術が乗っているのか、鬼の力で強化されてるとかなのかな?
雷の呼吸の技をひととおり繰り出したのち善逸の編み出した新しい技の前に、呆気なく首を切られて討ち取られてしまう。この新しい型は善逸がいつか、兄弟子の獪岳と肩を並べて戦うために編み出した技。奇しくも、鬼となってしまった兄弟子の首を落とすことになった。
首を切られた獪岳と善逸は無限城を落下していくが善逸は鬼殺隊に協力している鬼に回収され命を取り留め、獪岳はひとり無限城へ落ちゆきながら消滅する。
戦闘シーンは他と比べると短いのだが曲も声優も雷のエフェクトも格好良すぎる。この映画の中でも非常に満足度が高い対戦カードだった。
善逸が兄弟子との決別を覚悟して獪岳を「兄貴」と呼ぶシーン
善逸を起点に無限城を走る青い雷。ここで、ぶっ飛ぶくらいに音量が上がる、クライマックスの迫力。間違いなく、クライマックスだった。映画館で見るためのシーンだ。鬼滅を何度も観に行く理由のひとつ。(雷繋がりで某漫画のキャラクターの熱い台詞、音量上げろ生前葬だ!!!を脳内で叫んだのは私だけじゃないはず)
血鬼術も雷の呼吸の特性と合わさってとんでもなく凶悪な効果で、努力を怠らず血鬼術をものにした獪岳も見てみたかった。それこそ上弦の名に恥じない強さを誇ったことだろう。
獪岳の過去回想があったのだが、幸せの箱に穴が空いていたのではいくら注いだって満たされないけれど、それでも鬼殺隊に所属し、鍛錬も怠らずに活動していたのを見るにそこまで悪いやつじゃなかったのではと思わずにいられない。
獪岳は何度も師匠と善逸に言及する。「教わった全てをだしてみろ」だとか「やっぱり贔屓していた!」とか。コンプレックスまみれだし、寺でも衣を受け取るシーンでも素直な喜びの表情がある。
憎みきれないばかりに、先にすべての型を使えるようにったほうが後継者。とか言ってとりあえず送り出していればとか考えてしまうくらい短時間で獪岳を好きになっていた。
黒死牟に命乞いを許されるだけの目に留まる実力を持っていた様子なのも好きに拍車をかけてしまう。
獪岳戦が終わったところで
vs猗窩座戦に戻って来る。
ここからはもうとんでもない、圧巻の戦闘シーン。
ばんばん切らせてばんばん再生して、殴って蹴って受けて、褒めて笑って対話もする。
猗窩座の戦闘スタイルがとても好きなのでずっと楽しかった。
キービジュアルにもなっている「始めよう宴の時間だ」は本当にテンションが上がったし、破壊殺・羅針の演出は何回見ても胸が高鳴る。
猗窩座、義勇、炭治郎の順で無限城の一部が迫り上がるのだが、強さの順番を視覚で叩き込まれる。こっから圧倒的強者との闘いが始まりますよ、と。
「お前の名は」
「鬼に名乗る名など持ち合わせてない!」
「そうか義勇というのか」
この流れで猗窩座に犬のような可愛さを見てしまった。
そうだった、強い者が好きで強けりゃ強いほど楽しくなるタイプだった。一緒にギアを上げてくれるタイプの強敵だった!!
上体を反らして空式を撃つシーンや、顔を間近に近づけてくるのが印象的なのだが特別好きなのが
義勇と猗窩座の、雫波紋突きと脚式 流閃群光の撃ち合い。
軽く上体は後ろに倒し、上げた片足はゆらっとさせた脱力したゆるい構え。めちゃくちゃ良い……!!!!
義勇が遠くふっ飛ばされる技なので憎たらしい威力でもあるが、それ以上に格好いい…!
義勇が痣を発現させたシーン
猗窩座「痣が発現……。速度が」
炭治郎「上がった!!」
っていう台詞割りだったように記憶してる。
この記憶が正しければこの2人仲良しでいいじゃないかと私の単細胞な脳が仲良しになれる判定をだしてしまった。だからなんだという話だが、殺伐と哀しみばかり続いたせいで脳が癒やしを欲している。
猗窩座は戦闘スタイルが多彩で
殴りも蹴りもカポエイラのような動きもする
柔軟多彩で見応えがある。それに引っ張り上げられるようにギアを上げる義勇の攻撃の嵐。
速度が上がった義勇に対して即座に順応してみせた猗窩座すら束の間だが圧倒する。ピアノの音とともに生々流転が猗窩座の足、両腕、頭を刀が空を切り裂く音なのか、鳥の悲鳴のような音をさせながらぶった切る。
左足以外ぶったぎられておきながらそれはもう楽しそうに「もっとだ!!」「お前の力はそんなものか?!」と笑う猗窩座の姿はなかなか滾る。そうだもっと戦え!!義勇もっとぶったぎってくれ!!!
長い戦いの末、過去の記憶を伝手に炭治郎が透き通る世界、無我の境地に入門。
その異質な存在感に武人としての猗窩座の本能か、はたまた無惨の血による生存本能なのか「今すぐに殺さなければ」と、独白した次の瞬間には足元に御馴染み破壊殺羅針の陣が出現。超絶シームレスに即殺モードに入る。この無駄のない判断力こそ生前から持つ猗窩座の強さだ。
右手を顔の前に、左手を腹の前に構え、
ぶんっ、と振り下ろして発動。
「終式·青銀乱残光」
羅針の先端に配置された複数の猗窩座(多分闘気のようなもの)によって、ほぼ同時に打ち込まれる約百発の乱れ撃ち。
この複数の猗窩座はあくまでイメージっぽいんだけど、どっしり構えて重量を感じる存在感があって
とても好き。表情も良い。
痣を発現させ、一度は猗窩座を圧倒していた義勇の凪でさえも全ては受けきれない大技の中の大技。
無限城に大輪の花火が咲く。
氷、蟲、花、水、雷、花火、雪の結晶。
この映画は本当にてんこ盛りだ。
炭治郎が無我の境地を会得したからか、
羅針が反応しなかったのだろう。
脅威を取り除いたと勘違いした猗窩座が背後の炭治郎に気づかづについに義勇へ「鬼になろう」と勧誘を始める。
鬼になっても、命を奪われる運命の一撃には気づけないのか。と、ここに書いていて思ってしまった。
勧誘を受けている当の本人は猗窩座の後ろの炭治郎の動向に夢中なので、猗窩座の台詞はよーく聞かないとちゃんと聞こえない。ここらへん煉獄さんなら「ならない!」って返事してそう
煉獄さん譲りの実直さか炭治郎の真面目さか、その両方 か。猗窩座!お前の首を切る!と宣告。そして迎撃態勢の猗窩座の首をきっちり切り落とす。主人公、格好いい!切られた首をくっつけようと粘る猗窩座の頭を義勇の刀が貫く。猗窩座の首は身体を残し落ちて、ついに灰になって消えた。
束の間、首を切った猗窩座の身体が構える。咄嗟に刀を握る炭治郎の手を踏みつけ、蹴り飛ばす。頭がなくてもかっけぇ。
闘いはまだ終わってない!!!
まさかの開戦!!気を失った炭治郎を庇い、ひとり猗窩座に立ち向かう義勇。不屈の姿に、猗窩座はかつての師範の影を見る。鬼になったときに失った人間時代の記憶の影法師。そうして記憶を取り戻してしまう。思い出したくもない、救いたかった親と大事にしたかった人達と何の約束も果たせず何も成せなかった弱い自分。惨めで滑稽でつまらない話を…
文字数がいっぱいになったのでここまで。
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