「期待どおりの内容」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 villageさんの映画レビュー(感想・評価)
期待どおりの内容
期待を裏切らない出来だった。
個人的には、前回の無限列車編よりも楽しめたように思う。
原作コミック未読で、アニメだけゆるゆると追ってきた自分の目線からすると、まずはストーリー展開の面白さ、物語の舞台やキャラクター設定の秀逸さが印象に残る。
基本的に王道の(往年の)少年漫画のストーリーともいえる(主人公がどんどん強くなり、仲間を守り、強敵に立ち向かう。)。その中で特筆すべきは、物語の根底にある、人を食う邪悪な鬼も、鬼になる前は人間であった過去があり、生きている人間の中にも「鬼」のような輩もいるという事実。(「鬼」とは一体なんなのかという、哲学的な問いも含んでいるようにも思える。)心の闇や弱さ、残酷な部分を誰しもが大なり小なり持ち合わせていて、人と鬼(になってしまった人)を分かつものは、ある種の「運」(生立ちや境遇、導いてくれる人との出会い)であったりするわけだ。
そんな普遍的なテーマを軸にしているからこそ、世代を問わず(子どもだけじゃなく人生経験を重ねた大人にも)響くのかなぁとか思ったりする。
猗窩座の過去エピソードは、もう分かりやすく泣かせにかかっていて、見る前から展開が読めるような既視感丸出しのベタベタなエピソードなのに、それでも泣けた(夫婦で観に行ったけど、2人ともハンカチが必要なくらい泣いてしまった)。特別涙もろいわけでもないのに、なんでかなぁと後から考えていたけれど、やはり映像表現の美しさ、映画全体でのメリハリの良さ(前半までは手に汗握る激しい戦闘シーンが続いてきた中での緩急)、声優の演技力の高さとか、そうゆうところなのかなぁ。
そしてやはり本作の軸となるテーマ設定が効いているとも思う。
アニメーションのクオリティの高さは言わずもがな素晴らしく、戦闘シーンも魅入ってしまうようなカッコよさと美しさがある。でも戦うシーンがかなり長いので、少しお腹いっぱいだなと思い始めたころに、静かな泣けるエピソードがやってくる。その結果2時間40分の長尺でも、さほど長いとは感じさせず、さすがの完成度と思いました。
villageさま、初めまして🙂
>「鬼」とは一体なんなのかという、哲学的な問いも含んでいるようにも思える。
>心の闇や弱さ、残酷な部分を誰しもが大なり小なり持ち合わせていて、人と鬼になる人を分かつものは、ある種の「運」出自や境遇、導いてくれる人との出会いであったりするわけだ。
>そんな普遍的なテーマを軸にしているからこそ、世代を問わず子どもだけじゃなく人生経験を重ねた大人にも響くのかなぁとか思ったりする。
大学入試に出題された『鬼滅の刃論』について、寄稿者の考察がネットで読めます。
内田 樹(うちだ たつる)「『鬼滅の刃』の構造分析」で検索すると、研究室のブログが見つかります。
若干ネタバレがありますが、「無限城編」を観た後に一読する価値があります。
どうしてこの映画で泣いてしまうのか、何度も観に行ってしまうのか、ようやく腑に落ちました🫡
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。