「丁寧に、あくまで丁寧に」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)
丁寧に、あくまで丁寧に
作ることで、しっかり期待に応えた作品。
今さら説明する必要のない国民的アニメ、鬼滅の刃の映画としては第二弾。
テレビアニメストーリーを展開しつつ、キモになるストーリーを映画化。
今回はテレビアニメの柱稽古編から、いよいよ鬼舞辻無惨の本拠地である無限城に踏み込み、最終決戦を挑むいわゆるクライマックスパートの第一部。原作の中でもかなり人気の高かった、猗窩座と炭治郎の激突がメイン。
序盤、炭治郎と柱達が無惨を探して無限城を走り回るシーンから、その絵作りの丁寧さが際立っている。原作漫画では表現しきれない奥行きとか立体感、圧倒的規模で広がる無限城の描かれ方、炭治郎始め鬼殺隊の心を折るほどに広大な無限城の世界がこれでもかと表現される。
ここだけでもう圧倒されてしまった。
その中で縦横無尽に戦闘を繰り広げる上弦の鬼と鬼殺隊の柱達、のみならずモブキャラの鬼と鬼殺隊員の闘いもスピーディかつダイナミック。時折目で追いきれないスピードで展開されるもののその一コマ一コマまで丁寧に描かれているので没入感が凄い。
声優さん達も渾身の演技で、あらためて声優を生業としている方達の声の演技の素晴らしさも再確認できた。
俳優さんがアニメの声優を担当されている映画もあるけど、やっぱり細かな声の表情を表現してくれる本職の皆さんの凄みだと思う。
誰が、とかではなく出演されている方全員が素晴らしかった。
ストーリーについては今さら言うに及ばず、といった感じの鬼滅定番のフォーマット。鬼殺隊の柱が何故若くして鬼殺隊に入隊したのか、鬼達が何故鬼にならざるを得なかったのか、それぞれ一人一人に物語があり、そこも映画化でありがちな尺合わせの端折りをすることなく丁寧に時間をかけて描いている。
ただ、私は恐らくこの作品を鑑賞する対象年齢より高いと思うので、ストーリーの中にもう少し深みを求めてしまう気持ちは否めなかった。ハッと思わされたり勝手に涙が出てくるというところにまでは至らなかった。
例えば猗窩座が何故あれほどまでに強さを求めるのか、絶望の淵に叩き落とされたのは、別に己の戦闘能力の低さではなかったはずなのに…などなど。
そこが星5個付けられなかった理由なんだけど、それは私自身の感覚なので人それぞれだと思う。
そう、この映画は気長に完成を待ちながら、出来上がった作り手全員の渾身の作品を映画館の大スクリーンで堪能する映画、なのだと思う。手抜きせず妥協せず丁寧に、あくまで丁寧に一つ一つを作り上げたものを楽しむ作品。
なので、時間はかかっても良いので次の作品も気の済むまで丁寧に作って欲しいと思う。
鑑賞する側は、それを楽しみに待っているのだから。
私には、全体的に、どう見てもただの手抜きアニメにしかみえませんでした。
AI作成の静止画の使い回しが散見する上に、『週間連載漫画』と全く同じでは無いが、『再現』でしかない内容では、『映画』を名乗るのはどうかなと感じた程の、私向けでは無い『色が付いて動き回る原作漫画』だったな、と思いました。
コメントありがとうございます
声優さんの声や演技が良い分、俳優やアイドルなどの吹き替えにはどうしてもやや抵抗があるので(上手い人もいるけどね)
自分も年齢的に対象年齢よりかは高いのでコメントされてるのを見て、たしかに☝️と思いました
これが単なるアクションものとかだったら気楽に見れるのだろうけど……
(と言いつつ善逸爺ちゃんで涙)
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