「上下左右も覚束ない立体的な和装空間を舞台にした新しさは感じるのです...」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 hiroishiさんの映画レビュー(感想・評価)
上下左右も覚束ない立体的な和装空間を舞台にした新しさは感じるのです...
上下左右も覚束ない立体的な和装空間を舞台にした新しさは感じるのですが、その中で繰り広げられる物語の半分は回想シーンでした。確かに「回想」は物語に短時間で深みを与える”便利補足アイテム”だと思いますが、何度も長い時間使用され、その回想内容も過去時代劇やドラマとの既視感を覚え、本編、特に闘いのシーンの流れを悪くさせてしまった印象です。
無限列車編では、炭治郎たちの成長や煉獄のアツさ、従来の悪役とは異なる印象を持つ「主要鬼」たちの新鮮さ、美しさと激しさが交差するバトルシーンが交互に展開され楽しめたのですが、今回は「上弦が挑発」→「柱激怒して必殺技」→「上弦、一瞬ひるむ」のパターンが繰り返され、その先必殺技を効かせるか効かせないかは脚本側の判断でしょうし、これに「再生能力」が加わってしまえば、戦いに終わりがないですね。まさに無限です。(いつまでこれ続くの…)といった疲れ、間延びを少し感じました。
炭治郎だけならともかく、誰もかれも家族や愛する人が殺された、虐げられた「恨み」を持ち、人が理由なら「鬼」となり、鬼が理由なら「鬼殺隊」となるなら、もはや「鬼滅の刃」の登場人(鬼)物たちに善悪はありません。猗窩座の回想は観る側の勧善懲悪的視点を揺らします。今後の2章3章もそうなりそうなら、少し視点を変え、遊び半分で上弦(鬼)側を応援しても良い(飽きない)かと思ってしまうのでした。
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