「アニメーションは歴代物」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 Flagmanさんの映画レビュー(感想・評価)
アニメーションは歴代物
ufotableの作画、アニメーションスタッフは完全に痣が出現してるレベル。
これは大袈裟でなく、冒頭からイカれた映像。
CGだろうが音楽、演出、世界観のクリエイティブ能力が高い。
本当に頭から最後までとんでもなく動く上、漫画のコマ1つから作り出す創造性は素晴らしい。
アニメ大国の日本人でもこんな映像観るのは初めてだろうというシーンが多く、それだけでこの作品の価値は爆上がりしてる。
ただ、無限列車編の桁違いの興行収入を超えるのは無理じゃないか?とも思う。
と言うのも構成に無理がある。
これはアニメーションとしてではなく、原作漫画の構成がそもそも難しい。
柱稽古編の時から思っていたが、原作漫画でも1番盛り上がってくる無限城編をどういう形で作るか。
テレビアニメか?映画か?
おそらく無限城1発目はやはり映画で行きたいはず。
しのぶ
善逸
猗窩座
この3人に焦点を当てたい。
どれも鬼滅の刃を語る上で大事だ部分だ。
では映画という媒体でどこまでそれをやれるか?
おそらく2時間は超えるであろう尺。
鬼滅の代名詞である回想シーン。
バックボーンを見せることで敵味方関係なくキャラの厚みを持たせ、感情移入を誘う。
これまでのテレビシリーズでも何度も回想シーンで涙腺爆発した人達は多いはず。
ただ、今回は1本の映画に上記の3人に加え童磨、炭治郎、獪岳、その他、何度も回想シーンが折り込まれる。
凄まじい作画演出の戦闘が始まってもその数秒後は回想シーンに入る。
幾人もの回想が重なると流石にどこに集中すれば良いかわからなくなる。
と言うより無意識に意識が左右され、集中力が切れやすくなる。
無限城編を作るにあたりこれは仕方ないことだとは承知だが、かなり疲れる。
それは大人である我々ならばいいが
映画館の半分は子供だ。
その子供達はキツイだろう。
鬼滅の刃の『いい部分』が
映画に詰め込み『悪い部分』になった感は否めない。
原作漫画であんなに感動した場所が、少し退屈で億劫な部分となっていた気がする。
鬼滅でも屈指の感動回想シーン狛治の過去も、散々他の回想を見せられた後で、精神的にも尺的にもキツイものとなった。
とてもいい話なのだが
もういい。早く冨岡と猗窩座を見せろ!!と言う気持ちになってしまうのは少し残念だった。
かなり漫画に忠実に進んだ為こればかりは仕方ない事。
アニオリシーンもかなり良かったし何も不満はなかった。
変に改変されるとそれこそ元も子もない。
こんなキツい構成でufotableは素晴らしい仕事をしたと思う。
後に2作無限城編が残っている。
次はおそらく童磨戦、伊之助の過去が語られるだろう。
期待して待ちます。
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