「ある意味寂しい」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 Croさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 ある意味寂しい

2025年7月22日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

興奮

鬼滅の刃は漫画の方で完結まで読んでいて、猗窩座の話が作中で一番好きな話だったので期待していました。しっかりと漫画にあった猗窩座の生き様を描けていたと思います

漫画の初見はボロボロ泣いたしひたすら繰り返し読んでた部分なので、さすがにもう泣きはしませんでしたが猗窩座の最後には周りの客も泣いてる人はちらほらいましたね

……とまぁ脚本の部分は原作があるのでそこはそんなに評価軸としては考えてません。中には戦闘中に度々入る回想でテンポが悪いという人も見かけますが、原作がそういうものなのだから仕方がない。むしろ原作ではそこまで感じないものの、映像にするとダレてしまう部分をできるだけテンポを崩さないようにしっかり作られているという風に自分には映りました。原作にはない補完のシーンもファンには嬉しい部分が多かったですしね

なのでこの映画にこの評価をつけたのは正直「映像美」「音響」などの部分です。はっきり言いますが、おそらくアクションアニメ映画はある意味で到達点に来てしまったのだな、と思いました。それは遊郭編まででも分かっていたものではありますが、今作はそれすら凌駕するほどのクオリティです
だからこそレビューのタイトルにあるように「ある意味寂しい」との評価です。これまで映像美の進化に心躍らせてきましたが、これ以上の進化はもうないのでは?ということ。あくまで"正統進化"という意味でです

PS2からPS3とかまでは進化に驚いてきたけど、PS4からPS5は「まぁうん、確実に綺麗にはなったし進化はしてるけど。うん……」くらいの進化の幅、というものがアニメにもあったなと思っていました。ことアクション、殺陣という作画においては鬼滅の刃以上の作画は作れないのではないか?と。例えば湯浅政明作画のように、これからは「個性」や「癖」などで引き込まれる他の"なにか"が本格的に必要になってくるんだろうな、と思わされたんです。

AIイラストの台頭でそれについても自分はずっと思ってきたことですが、個特有の"雰囲気"が評価軸になっていくんだろうな、と

善逸の最後のシーンなんか特に、もうあれ以上の作画って作りようがないんですよね。"迫力"や"カッコ良さ"みたいな軸で作画を語ろうとすると。そういう正統な作画評価という意味で、鬼滅の刃はアニメの到達点にきた。そう強く思わされる一作でしたね

これから10年後20年後、さらに迫力ある作画が作れるのならそれこそ自分が望む未来ではありますが……これ以上の進化は正直自分の中では想像が今のところ出来ません

あくまで今回の星5は内容で、というよりも作画や演出、音響などのみの評価となるので他作品との評価とは少し基準がズレてはしまうのですが。鬼滅の刃を知らないという人、アニメを見たことがほとんどないという人、そういう人でも「今アニメの作画はここまで来ている」というのを知りたいのであれば、お金を払って映画館に見に来るだけの価値はあると断言します。

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