「「適者生存」「弱肉強食」論に対する強烈なアンチテーゼ」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 ポンチョさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 「適者生存」「弱肉強食」論に対する強烈なアンチテーゼ

2025年7月22日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

もちろん映像的迫力や、鬼気迫る声優たちの演技は必見!
その上で、いま見るべき重大なテーマ性を持った作品です。
かつて「一億総中流」と言われた、均質性を誇る日本社会でしたが、「失われた30年」を経て、強者と弱者に分断された構図が定着した感があります。世界を見ると、この構図はより顕著です。
この作品の中では、鬼側の主人公である「猗窩座」は、強さを希求し、弱者へは徹底的に侮蔑の眼差しを向け、存在を認めようともしません。そんな猗窩座に対する炭治郎(鬼狩りであり、シリーズ通じての主人公)の叫びが、この作品でのテーマとなります。
この社会に、置き去りにされて然るべき存在などあるのか?弱ければ蹂躙されて当然なのか?(病気の人・障害を負った人・いろんな事情で働けない人って社会の負担なんですか??…参院選の翌日に見に行きました。殺伐とした主張をする勢力もある中で、そんな事を強く感じました)
鬼である猗窩座は、人間であった頃の記憶は失われている状態。しかし炭治郎との対峙を通じて、彼が何を思いだしたのか?そして彼の思い出のその先には誰がいて、猗窩座に何を語るのか?…あまり書くとネタバレになりますので、この辺にしときますが(笑)、そこがこの作品の主題だと感じました。
炭治郎のような優しさが、いまの世界には必要ですね。

ポンチョ
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