「贅沢な作り」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5贅沢な作り

2025年7月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

作画は凄いなぁ。
原動画・仕上げとも人的戦力をこれでもかと投入した贅沢な作りでした。
炭治郎、善逸、伊之助の主役陣はもちろん、全柱の活躍場面を用意したところは、ジャンプ映画としてのノルマをこなしていて偉い。
キャラへの愛がある(推しがいる)人にはたまらないはず。

内容はTV・総集編の「柱稽古編」で、無惨が産屋敷邸を襲い、お館様が爆死した直後からスタート。
TVシリーズの完全な続編であり、長い物語の途中を引っこ抜いた形で、これまでの説明も省いて本編がはじまるので、今までの流れ(または原作)を把握している人間以外にはわかりにくい。
アクション主体なのもあって、緩急が少ない。
「このへんでCM入ったほうがまとまりそう」と思えるところも存在し、きっと今後、TVアニメとして分割するんだろうなと予想した。
総集編的であり、映画としてのまとまりは薄かった。
告知の通り3部作の第1章なので、予想通り次回への引きで終わる。
155分と長すぎて途中で集中力が切れてだれた。
この辺、いかに『無限列車編』が映画としてのパッケージとして単独でまとまりがよく、あの作品から『鬼滅』に入っても問題がなかったかという完成度と対比して、決定的に違う部分だった。

点数については、本来3部作セット、または無惨との最終決戦まで含めてでないとつけられないものであり、暫定の可もなく不可もなくなものを置いた次第。

音楽、とくに劇伴(BGM)の質はいい。
感情を誘導する聴きごたえのある曲の数々。
サントラが欲しくなる人も多いだろう。
反面、音楽と剣戟や爆発の効果音レベルが大きくて存在を主張しすぎ、セリフがやや聞き取りにくかった。
私には、「ジブリのときの久石譲じゃないんだから」と、音響バランスに疑問が生じました。
この作品、全部の音を拡張する傾向があるIMAXではなく、(大き目かつ明るいスクリーンの条件はつけつつも)音響を重視したDolbyCinemaやDolbyAtomosなどのドルビー系が向いているかもしれません。

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