「Wのバックボーンが知れて大満足」風都探偵 仮面ライダースカルの肖像 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
Wのバックボーンが知れて大満足
毎週楽しく観ていた「仮面ライダーW」ですが、劇場版は鑑賞したことがなく、スカルについてはずっと気になったままでした。しかし、本作公開を知り、慌ててアマプラで全話視聴して公開2目に鑑賞してきました。
ストーリーは、鳴海探偵事務所で相棒フィリップとともに探偵稼業を営む左翔太郎が、事件を通して知り合い仲間となった女性・ときめに語る形で、師と仰ぐ探偵・鳴海荘吉との出会いから別れまでの回想を描くというもの。
アニメシリーズから地続きの展開なので、シリーズファンにとっては観たいものが観られたという大きな満足感が得られます。翔太郎とおやっさんの関係、鳴海探偵事務所の背景、仮面ライダースカルの謎、フィリップとの出会い、仮面ライダーWの誕生など、バックボーンとなる秘話がしっかり描かれていてとても興味深かったです。
中でも、父のように慕う荘吉との絆を感じさせる描写が熱いです。荘吉が、幼い翔太郎の中に光るものを感じて以来、厳しく接しながらも、その成長を温かく見守り続けてきた姿に沁みるものがあります。高校時代にやさぐれる翔太郎にさえ、芯にある強さや優しさを感じ取ったり、愛用の帽子を譲ったりする荘吉の姿に、実の親以上の深い愛情を感じ、熱いものがこみ上げてきます。
そんな荘吉との最期の思い出となるクライマックスシーンは、お馴染みの「W-B-X」でテンション上がります。まあ、なぜか敵が全く撃たないアニメ的ご都合主義とか、過剰演出とも思われるシーンもちょいちょいありますが、それほど気になるものでもなく、概ね満足です。
映像的には、アニメシリーズを大きく超えるものではありませんが、もともとある程度のクオリティが保たれているので、劇場スクリーンでも見劣りすることはありません。サイクロンジョーカー、ファングジョーカーだけでなく、サイクロンスカルも観られたので満足です。
全くの初見の方には内容的に厳しいものがありますが、本作をきっかけにアニメシリーズを視聴すれば、時系列的にはつながりがよいので、それはそれで楽しめるかもしれません。
ただ、劇場版アニメにありがちな高額料金設定はいただけません。今回は一律料金1900円であることを窓口で初めて知り、一瞬躊躇しました。結果的に満足感は大きかったし、入場特典もうれしかったので大きな不満はありません。でも、新規ファンの拡大には繋がりにくいし、アニメシリーズファンから製作費回収を狙っているような感じがして、ちょっとモヤモヤします。とはいえ、こうして劇場版が公開されることには感謝しています。今後もスピンオフなどが描かれるなら、ぜひ観てみたいです。
キャストは、細谷佳正さん、内山昂輝さん、関根明良さん、小松未可子さん、古川慎さん、小野大輔さん、村瀬歩さん、佐藤聡美さん、福山潤さん、津田健次郎さんら。中でも、津田さんのおやっさん役がピタリとハマり、物語をドラマチックに演出していると感じます。
ゆうさん、共感&コメントありがとうございます。
そちらにコメントできなかったので、こちらに返信しますね。
アニメ作品は観客動員があまり見込めなくて高額な一律料金になるんですかね?
あくまでビジネスなので理解はしますが、できればコアなファンから搾り取るのではなく、より多くのファンを呼び込めるように作品の質で勝負してくれるとうれしいんですけどね。