アイミタガイのレビュー・感想・評価
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観る人を選ぶと思う
言いたいことはなんとなく、分かるような気はします。
だって、フィクションならではの、現実ではあり得ないような人と人との縁の巡り合わせなんだもの。
6時の放送に隠れるように弾くピアノの演奏なんて普通は気付けないし、大人になってからそのピアノの演奏者と巡り会うなんて奇跡みたいな確率のお話です。
澄人さんが電車で乗り合わせている男性が叶海さんの父親だという偶然も、叶海さんの父親が児童養護施設へ行くときに乗ったタクシー運転手も、最後に宝飾店の主人が食品サンプルのバナナを持った孫を抱えてくるところまで、いろいろなところで人が繋がっていました。
それで、中学時代に叶海さんが梓さんに、支えて背中を押すといった約束があって、叶海さんは亡くなってしまったけれど、その縁が巡り巡って、最後に叶海さんに代わって、前に進めない梓さんの背中を押して、つまり世の中は繋がっていて、誰かのためにしたことが巡り巡って自分に返ってくる、お互い様で、タイトルの通り相身互いだというのでしょう。
分かるような気はするのですよ。
ただ、観る人を選ぶ内容だと思います。
僕は、もっと盛り上がる山場とか、最後に主人公が目的を達成してめでたしめでたしみたいな、わかりやすい話が好きなので、好みとはかけ離れていて大して面白いと思いませんでした。
僕のように物語として単純なものを好む人間ではなく、深い話を好む人なら高い評価をつけそうだなと思いました。
久々に人に勧めた作品
黒木華さん主演という事で、下調べ無しで観に行ったのですが、色んな事のつながりが影響し合って物事が引き起こされている事を目の当たりにして何度も観たくなる作品です。久々に人に勧めたくなる作品になりました。
繋がりから生まれる物語
アイミタガイ 意味はよく分からずとも、きっと良い話なのかなーと思って鑑賞。 生きづらさと色んなそれぞれのストーリーが絡みあって、 一つ一つ解けていくたびに、涙が出てしまう。 毎日のちょっとしたボタンの掛け違えが、ちょっとづつ視点が変わると、見えてた風景が変わる。 全てが繋がった時、優しさで溢れてる世界。 なんか自分にも、あの日あの時あの場所が繋がってたりしたら面白いなって思いました。 久々に自然に涙が出ちゃう映画に出会えて良かったです! 最後、黒木華さんの曲に目を瞑って余韻に浸っていました。 私も一歩踏み出そう!
ハートフルなおとぎ話
お互い様の精神というか、袖すり合うも他生の縁というか。 人は一人の力で生きているのではなく、何かしらどこかで助け合い、なんらかの関わりを持って生きているのだな、という姿を物語に落とし込んだ作品でした。 舞台になった桑名の街の、人間の輪(コミュニティ)ってそんなに小さいのか?ご都合すぎない?みたいな違和感も若干あったものの。 今みたいな「俺だけ成功するチート願望」とか、「お気持ちを満たせばいいんでしょハイハイ」「宣伝文句で感動、泣けるみたいな感情誘導」とかみたいなドラマが蔓延し、どっかの国ではレイシストが大統領になる時代に、こんなハートフルなおとぎ話があってもいいかな、と思いました。 それと、そのご都合感をともなった物語ラインには、一歩間違えると新興宗教系の思想洗脳になりそうな危うさもあったが、踏みとどまって創作の物語になっていたのは、黒木華と、田口トモロヲ、吹雪ジュン、草笛光子ら俳優陣の演技力と元々の人間力がもたらす、キャライメージのおかげかも。 さらには、作中にあった「悪人の出てこない物語は嘘くさいが、信じてみたくなった」セリフ(意味合い抽出の意訳ですが)のもたらす効果かもしれません。 その点では、脚本、演出はうまくバランスがとれていたと思います。 若干「TVの2時間ドラマみたい」な手軽さを覚えた部分もあったが、U-NEXT製作配給なのかと劇場で知り、配信を待ってもよかったかななんても思ったりして。
I meet a guy.
「なぜ彼女は、亡くなった親友にメッセージを送り続けたのか」
「すべての秘密が繋がる時、あたたかな涙が溢れ出す」
この二つのキャッチコピーは完全に余計で、作品の色を誤認させるものでした…
衝撃の真実とか、大袈裟な伏線回収とかでは、ない。
ひとつひとつは“有り得なくはない”程度の偶然、いや縁が重なって繫がってゆくお話。
地味ながら丁寧で温かな筋運びには好感を覚える。
各キャストも役の雰囲気と合っていて(園長除く)、芝居自体もとてもよかった(園長除く)。
何より、悪戯っぽくカラカラ笑う黒木華がとても可愛い。
“結婚”という形式にとらわれなければ、気持ちはもう既に“その段階”だろ、と微笑ましい気持ちになる。
ただ構成は、特に序盤は上手くなかった印象。
タイトルバックの後、唐突に初登場の範子とこみちのパートが入り、直後に少しだけ過去の叶海が映された。
ここの並べ方•繋げ方で少々時系列が混乱した。
また、梓と叶海が親密になるキッカケがいぢめから救ったことというのも安易すぎたかな。
あれで収まるワケないのに、以降何も触れられないし。
叶海の写真が飾られた施設のトイレが、他の箇所に比べて綺麗すぎたのも違和感があった。
あと、澄人がジャケットの一番下の釦を留めてたり外してたりするのはなんなんだ。
最初に挙げたコピーで意外性のある展開を期待してしまったせいか、やや物足りなく感じてしまった。
澄人が起こした相手も、鞄ですぐ気付いたし。
客は呼べるけど鑑賞後の評価を下げるコピー…収益を考えると難しいところですね。
最後にカメラに向けた華ちゃんの表情は最高でした。
えん
温かいなぁ〜。 じんわりとくる映画でした。 色々な軸のドラマがありますがそれが繋がっていくところも面白い。 出来すぎたストーリーかもしれないけれど、でもたしかに人生を振り返れば様々な不思議な縁に導かれて今の自分があります(この映画ほどドラマティックではありませんが)。 大きな縁も小さな縁も大切にしようと思える映画でした。
奇跡体験アンビリーバボー
とにかく泣きました。 養護施設に向かうタクシーから、 嗚咽を堪えるのが大変でした😭 「青春18✖️2」でも書きましたが、 亡くなった人の思い出話には弱いです。 特にその人の知らない一面を垣間見た時、 その人の真実に触れられて 更に泣けてしまう😭 今作で言えば、 養護施設の話は涙無しで観られない😭 プロットの素晴らしさ、 というか出来過ぎな話は、 タイトルのTV番組の様な感覚もして、 演者が豪華な再現ドラマ、 みたいな気もした。 でもそれで号泣してるんだから、 太刀打ち出来ません🙏 参りました🙇🏻♀️ 参りました、と言えば、草笛光子。 年齢を超えたその存在感だけじゃなく、 ヘルパーなんか不要なキビキビした動き。 90歳超えてコレだけ動ける、 且つ目だけで演技できる、 セリフも澱みない役者、 世界中でも居ないんじゃないかな❓ この前も主演だったでしょ❓ いや、参りました🙇🏻♀️ エンディングの曲、 「夜明けのマイウェイ」。 メロディが分かり易いので 多分そうだろうなと思ったら、 昔の曲のカバーなんですね。 良い曲です♪ 今度弾き語りしてみたくなりました🎸
サイコパスホラーかと思ったら…
黒木華主演となっていた、映画館は年輩の女性が多かった あまりハッピーエンドの印象がないので 今回もそんな映画かと 不幸はあるのだが、ゆっくりと時間が流れる空間に 人と人とのつながりをテーマとしたとてもステキな内容 一見の価値あり
何度もじんわりくる作品
アイミタガイ 何度も目が潤みました いつも元気で明るく、中学の時に引越してきてからずっと梓を支えてくれたカメラマンの叶海は、不運にも海外赴任先で亡くなってしまう その親友の叶海が亡くなってからもメッセージを送り続け、いつも支えてくれ、背中を押してくれた叶海の死を受け入れられずにいる梓 いつもタイミングが悪く頼りないと思われている澄人は梓の恋人で、梓との将来を考えているが、両親が離婚していて結婚願望がない梓に2人の将来について口にすることができずにいた 梓の叔母の介護先のこみちさん 93歳で気難しそうだが、3歳からピアノを始めたことを叔母に教えてくれる ウエディングプランナーの梓は、担当している金婚式でピアノを演奏してくれる年配の方を探していて、叔母からこみちさんのことを聞いて紹介して欲しいとお願いする しかしこみちさんは、15歳の時に戦争に出て行く若者たちへ、生きて帰って来て欲しいと願ってピアノを弾いて送り出してしまったことを後悔していた そんな自分は人前でピアノを弾く資格はないと そのこみちさんの弾くピアノを中学の時の梓と叶海は、6時のピアノと呼んで親しんでいたこと そのこみちさんのピアノに救われていたことを梓はこみちさんに伝える そしてこみちさんは引き受けてくれることに 叶海の両親は、叶海が亡くなって悲しみに暮れていたが、叶海が生前にした事を知ることで、前向きになっていく 叶海が生前 養護施設の子供たちに送った写真が、その施設のトイレに飾られているのを見て泣いていた両親のシーンにも涙 叶海の母が、叶海の残した携帯に届く梓のメッセージを見守っていたが、叶海の母もまた、それに救われていたのだろう 優しく梓を迎え入れてくれる父方の祖母 祖母の言葉の「アイミタガイ」 お互い様っていうんかなぁ・・・ これもじんわり 澄人が梓への指輪を密かに見に行っていた優しい宝石店の店主 叶海や叶海の両親、澄人に祖母、叔母、こみちさん、宝石店の店主 すべてが繋がりあっていて、救われ、それに背中を押され踏み出すことができた梓 「アイミタガイ」ってこういうことなんだ 「誰かを思ってしたことは、巡り巡って見知らぬ誰かをも救う」ということなんだ 何度となく涙が出て感動しました こみちさんの弾く「ラブ・ミー・テンダー」がとてもこころに染みまたも目が潤みました
伏線回収の嵐
何度も込み上げてきたのは歳のせいばかりではあるまい。 伏線が回収されるたびに鼻をすすっていた。 この登場人物だけで世界がまわっているはずはないだろうにと、頭では笑いながらも、心は動かされていた。
ほぼ良い人ばかりが登場する寄せ鍋のような温かい話
2024年映画館鑑賞104作品目 11月4日(月)イオンシネマ石巻 ハッピーマンデー1100円 監督と脚本は『世界でいちばん長い写真』『彼女が好きなものは』の草野翔吾 監督のみは『にがくてあまい』 脚本のみは『九月の恋と出会うまで』 脚本は他に『箱入り息子の恋』『台風家族』『犬も食わねどチャーリーは笑う』の市井昌秀と『半落ち』『チルソクの夏』『結婚しようよ』の佐々部清 脚本は技巧派で秀逸 複雑に絡む数本の紐を解くゲームを見てるよう 電車で寝ているおじさんは流石に誰だかすぐにわかる 中学時代にいじめられっ子3人娘が登場するのでいい人ばかりじゃないけどほぼいい人ばかりの作品 アンチに察してか「いい人ばかりの小説は嘘くさいが信じたい」ってニュアンスの叶海の父のセリフが心憎い 松本利夫 王さんが監督をやっていた頃の読売の一二番のような名前 地味すぎるから関口メンディーっぽく松本利夫クロマティに芸名を変えてもいいのではないかと一瞬思ったがクロマティ高校のことあるしやはりやめた方がいいだろう 草笛光子が達者すぎて自分はもっと仕事を頑張らないといけないなと反省してしまう 老いてなお輝きを増す91歳のお婆さんに元気をもらってしまう感じ 大東亜戦争の体験者として語れる数少ない貴重な俳優である 敢えて減点するなら梓の中学時代が全く黒木華に寄せていないこと 中村獅童竹内結子が共演した『いま、会いにゆきます』で中学時代を演じた浅利陽介大塚千弘がかなり寄せてたことを思うと残念でならない それ以降わりと寄せている作品が多い気がするがこれは全くそうではなかった 同じ事務所の白鳥玉季のバーターで名前が同じ華ってだけじゃん この場合は決して違法ではないがある意味においてトップコートの抱き合わせ商法と言えなくもない 白鳥玉季がドラゴンクエストなら近藤華なんて・・・いやもうやめておこう 黒木華と違い普通の読み方でネプリーグのひっかけ問題にならない平凡な華 これからの近藤華の活躍に期待しよう それなりに こういう作品をどう受け止めるかで鑑賞者の心の汚れ具合がわかるリトマス試験紙のような感じかな 自分はわりと好き ヤフコメ民とは全ての面で殆ど共感できないからまだ自分はましなのかな 配役 親友の死をなかなか受け入れることができず友人にLINEを送り続けるウエディングプランナーの秋村梓に黒木華 いじめられっ子だった中学時代の梓に近藤華 梓の恋人で本人は結婚願望はあるが両親が離婚した影響で梓が結婚したがらないのでもどかしい思いをしている会社員の小山澄人に中村蒼 梓の親友で撮影のためパプアニューギニアにて車で移動中に事故で亡くなるカメラマンの郷田叶海に藤間爽子 いじめられていた梓を助けたことがきっかけで親友になる中学時代の叶海に白鳥玉季 小倉こみちを担当することになった家政婦で梓のおばの稲垣典子に安藤玉恵 児童養護施設まで郷田夫婦を乗せたタクシードライバーでかつては叶海も度々乗せた車屋典明に吉岡睦雄 カメラマンとして取材に同行した叶海が粗相を犯した記者の代わりに謝罪したことによって親しくなる児童養護施設を営む羽星明に松本利夫 梓にプレゼントするため澄人が訪れた貴金属販売店の元店長で店の経営は娘に譲り店内で孫の玩具を展示している福永に升毅 娘の死後にもLINEが届くことによって娘の親友の存在を知った叶海の母に郷田朋子に西田尚美 図書館の司書として働く叶海の父でパプアニューギニアに旅立つ娘に「母ともっと会話するように」と注意された郷田優作に田口トモロヲ 梓の実家で一人暮らしをしている父方の祖母の綾子に風吹ジュン 若い頃ピアニストだったが大東亜戦争をきっかけに公の場でピアノを弾かなくなった小倉こみちに草笛光子
ポスターとかの雰囲気だと若干不穏な作品のようにも思えるが
結果として大好物な作品でした。俳優陣も結構豪華だし、話が進んでいくと色々な伏線が繋がって、思わずニヤッとしてしまう。 一つ不満点を挙げるとするなら、黒木華の学生時代と現在の顔立ちが違いすぎるということくらいかな。あとは随所でウルッと来てしまう展開で、非常に楽しませてもらいました。草笛光子さんも相変わらず達者で、良い芝居されるのが観れて嬉しい。
相身互いを観ている人が実感できるようにしたかった
原作は未読。元々は短編の小説と聞く。この映画を観て思い出したのは有川浩の「阪急電車」。この作品の方が阪急電車を通じてそう繋がるかと心に残った。
梓と叶海が二人で聴いたピアノ。そのピアノを弾いていた老女は長年ピアノを弾いていなかったのに、梓の話で金婚式のピアノを弾くのか。澄人の本で叶海の父を起こし、叶海と父が最後の時を過ごす。梓と澄人は結婚しなくても、よい関係だったのではないか。話のつながりも、都合良すぎるように思う。叶海はなぜ施設にプレゼントを送ったのか。説明はあったが、叶海の心の動きは見えない。なぜ、両親に内緒にしていたのか、梓は知っていたのかは分からない。
梓と色々な人が繋がり、それが伏線回収のように明らかになる。そこまで作らなくても良かったのではないか。登場人物は誰も気づかず、映画を観ている人だけが、梓と叶海が聴いていたピアノは老女が弾いていたと分かるとか、澄人の本で起こした人が叶海の父だったとか、最後に繋がっていたことが分かるようにするなど。登場人物が相身互いを感じるのではなく、見ている人が相身互いを実感できるようにした方が良かった。
ただ、黒木華さんは、純と愛の頃から好きで、小さいおうち、澪つくし料理帖、凪のお暇も良かったです。
24-124
相身互い 同じ境遇や身分の人が、互いに同情し合い、また助け合うこと “善人しか出てこない小説なんて面白くない” ほんとにいい人たちしか出てこない。 ほんの小さな行動が何かを動かす。 あの日手を引いてくれたから、 あの日ピアノの音色に気付いたから、 毎朝決いつもの車両のいつもの吊り革を掴むから、 孫が宝物を並べるようせがむから、 何気ない行為が、些細な優しさが、 大きな心の変化となり、 前に進む決断を後押しする。 久々の貸切鑑賞でした。 素晴らしい作品でした☺️
たまにはこういうのも良い
人の縁の巡り合わせを描いた映画です。ヒロイン梓さんの親友である叶海さんの事故死から始まるストーリー。キーになるのは深い喪失感を抱えた梓さんと叶海さんの両親です。彼らがちょっとした出来事・不思議な巡り合わせに遭遇しながら徐々に前に進んでいく姿が描かれています。時間の静かに流れている感じがとても良いです。 この映画では悪人が出てきません。叶海さんの父親の「良人しか出てこない小説はリアルじゃないと思ってきたけれど、そういうのを信じたい時もある」(→すみません、うろ覚えです)という台詞が、この映画にぴったりですね。私は幸せな気持ちになれました。見て良かったです。 ★注意点 作品情報に出てくる「あらすじ」では、この映画の良さは伝わってきません。もう少し、うまく書かないと宣伝にならないように思います。
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