「ほぼ良い人ばかりが登場する寄せ鍋のような温かい話」アイミタガイ 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
ほぼ良い人ばかりが登場する寄せ鍋のような温かい話
2024年映画館鑑賞104作品目
11月4日(月)イオンシネマ石巻
ハッピーマンデー1100円
監督と脚本は『世界でいちばん長い写真』『彼女が好きなものは』の草野翔吾
監督のみは『にがくてあまい』
脚本のみは『九月の恋と出会うまで』
脚本は他に『箱入り息子の恋』『台風家族』『犬も食わねどチャーリーは笑う』の市井昌秀と『半落ち』『チルソクの夏』『結婚しようよ』の佐々部清
脚本は技巧派で秀逸
複雑に絡む数本の紐を解くゲームを見てるよう
電車で寝ているおじさんは流石に誰だかすぐにわかる
中学時代にいじめられっ子3人娘が登場するのでいい人ばかりじゃないけどほぼいい人ばかりの作品
アンチに察してか「いい人ばかりの小説は嘘くさいが信じたい」ってニュアンスの叶海の父のセリフが心憎い
松本利夫
王さんが監督をやっていた頃の読売の一二番のような名前
地味すぎるから関口メンディーっぽく松本利夫クロマティに芸名を変えてもいいのではないかと一瞬思ったがクロマティ高校のことあるしやはりやめた方がいいだろう
草笛光子が達者すぎて自分はもっと仕事を頑張らないといけないなと反省してしまう
老いてなお輝きを増す91歳のお婆さんに元気をもらってしまう感じ
大東亜戦争の体験者として語れる数少ない貴重な俳優である
敢えて減点するなら梓の中学時代が全く黒木華に寄せていないこと
中村獅童竹内結子が共演した『いま、会いにゆきます』で中学時代を演じた浅利陽介大塚千弘がかなり寄せてたことを思うと残念でならない
それ以降わりと寄せている作品が多い気がするがこれは全くそうではなかった
同じ事務所の白鳥玉季のバーターで名前が同じ華ってだけじゃん
この場合は決して違法ではないがある意味においてトップコートの抱き合わせ商法と言えなくもない
白鳥玉季がドラゴンクエストなら近藤華なんて・・・いやもうやめておこう
黒木華と違い普通の読み方でネプリーグのひっかけ問題にならない平凡な華
これからの近藤華の活躍に期待しよう
それなりに
こういう作品をどう受け止めるかで鑑賞者の心の汚れ具合がわかるリトマス試験紙のような感じかな
自分はわりと好き
ヤフコメ民とは全ての面で殆ど共感できないからまだ自分はましなのかな
配役
親友の死をなかなか受け入れることができず友人にLINEを送り続けるウエディングプランナーの秋村梓に黒木華
いじめられっ子だった中学時代の梓に近藤華
梓の恋人で本人は結婚願望はあるが両親が離婚した影響で梓が結婚したがらないのでもどかしい思いをしている会社員の小山澄人に中村蒼
梓の親友で撮影のためパプアニューギニアにて車で移動中に事故で亡くなるカメラマンの郷田叶海に藤間爽子
いじめられていた梓を助けたことがきっかけで親友になる中学時代の叶海に白鳥玉季
小倉こみちを担当することになった家政婦で梓のおばの稲垣典子に安藤玉恵
児童養護施設まで郷田夫婦を乗せたタクシードライバーでかつては叶海も度々乗せた車屋典明に吉岡睦雄
カメラマンとして取材に同行した叶海が粗相を犯した記者の代わりに謝罪したことによって親しくなる児童養護施設を営む羽星明に松本利夫
梓にプレゼントするため澄人が訪れた貴金属販売店の元店長で店の経営は娘に譲り店内で孫の玩具を展示している福永に升毅
娘の死後にもLINEが届くことによって娘の親友の存在を知った叶海の母に郷田朋子に西田尚美
図書館の司書として働く叶海の父でパプアニューギニアに旅立つ娘に「母ともっと会話するように」と注意された郷田優作に田口トモロヲ
梓の実家で一人暮らしをしている父方の祖母の綾子に風吹ジュン
若い頃ピアニストだったが大東亜戦争をきっかけに公の場でピアノを弾かなくなった小倉こみちに草笛光子