劇場公開日 2024年8月16日

ぼくの家族と祖国の戦争のレビュー・感想・評価

全27件中、21~27件目を表示

3.5意味のあること

2024年8月17日
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楽しい

単純

難しい

1945年ドイツ占領下のデンマークで、飢えやジフテリアに苦しむドイツ人難民に手を貸すリュスリンゲ市民大学の学長家族の話。

ドイツ軍の命により200人の難民受け入れを了承したら523人のドイツ人難民がやって来て巻き起こって行くストーリー。

場所を貸すだけで難民の管理や食事の手配は全てドイツ軍の管轄だった筈が、早々に軍人は撤退し難民だけが残される事態になり、学長夫人が孤児に手を差し伸べて…。

人道的にみたら夫人の行いは然るべきだけど、戦時下に於いては交渉の材料にもなる訳で、まして対ドイツだしデンマーク人の立場だし…と頭の中がグルグルグルグル。

そして更には学長も、今の時代だから人道的なことも言えるけれど、言うは易しなキレイ事にもなるわけで、自分の思想を貫くのは良いけれど、他人を巻き込むのは違うしね…と考えさせられた。

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Bacchus

4.0正しい行動とは何か

2024年8月16日
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悲しい

怖い

難しい

戦時下に於いて、それぞれ信条や立場の異なる者の行動は様々だ。難民となったドイツ人に対して人道的な立ち振る舞いをするヤコブとリスそしてセアン。ナチスに家族を殺されたことによって「ドイツ人=敵」と扱うことしかできないビルク。
今も世界の何処かで同じ状況下にある人達がいると思うと悲しい。

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ちゃ坊主

4.5容赦のない物語

2024年8月14日
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鑑賞方法:試写会

対ソ戦末期のドイツからやって来た難民を受け入れたことから始まったデンマークのある街の混乱を、難民収容施設となった市民大学を中心に描く作品。

デンマークはドイツ侵攻時に抗戦しなかったことから、ナチスの支配が始まっても他の北欧・東欧諸国に比べて行政面では自治が維持され民意は降伏感情よりも反独感情が強く、レジスタンス達の抵抗運動も根強かった。このことが劇中の状況を作り出し、戦後の国際社会におけるデンマークの立ち位置にも繋がっている。

とは言えドイツ軍の公的な指示には逆らえず、市民大学は難民のために体育館を提供する。大学の寮に住む学生や大学職員達が、徹底して難民から視線を逸らしてやり過ごそうとする緊張感が肌に痛かった。
やがて、大学の敷地に住む学長ヤコブとその家族は目と鼻の先で飢えと病気に苦しむ難民達を放っておけなくなるが、市民達はその姿勢を激しく糾弾する。反独感情からくる「ドイツ人を手助けすることは祖国や同胞への裏切り」という多数派の意思が、終始ヤコブ一家のヒューマニズムと対立する。

結局、ヤコブも息子セアンも妻リスも自身の善性と民意とが対立した末、それぞれの結論に辿り着くのだが、ラストの一家の表情、特にヤコブとセアンの二人とリスの顔つきのコントラストに、この物語で繰り返された個人の善性と良き市民としての有り方の対立が詰まっているような気がした。
リスの「家族を守れずに何が人助けだ」という意見も尤もだし、市民達の反独感情は行き過ぎた同調圧力にも見えるかも知れないが、その姿勢を貫いたからこそデンマークが戦後早期に地位を確立できた面もあるので、彼らのナショナリズムを簡単に否定する気にはなれなかった。
セアンの行動も、教えられたものではない自分の正しさを見つけ行動したことは見事だが、散々大人達が責め合う姿を見、自身も暴力を体験して、それでもなお多くの人を巻き込むことに躊躇しないのが怖かった。トロッコ問題ではないが、何人巻き込んで何人助けたか、その人物を選んだことはエゴではないのか、と手放しに賞賛できないものが残った。

なお、医師が理不尽に死亡したり、デンマーク人の医師が難民の治療を拒否するエピソードが繰り返されるのは、史実に抵抗運動への報復としてデンマークの医師が運動への関与の有無に関わらずドイツ側から粛清された事件が多数あったことと、ドイツ難民受け入れに際してデンマークの医師会が公式にドイツ人の治療や医薬品の提供を拒否したことがあるからのようだ。医師が国籍を根拠に医療者の本分を放棄するほどに、あるいは劇中の糾弾がぬるく思えるほどに、憎悪に等しい国民感情があったことがうかがえる。
戦中から戦後にかけてデンマーク国内の広域で実際に起きた反独感情から来る騒動、特に現代人から見れば眉を顰めるようなエピソードを、あえて戦争末期の一つの街に集約し、ナチスの強権と市民感情の間で板挟みになる状況からスタートさせたのが本作だということらしい。

反ナチス作品でよくある「ヒューマニズムが多くの人を救う」系の題材でなかった点は新しく、一市民レベルの人間が救えるのは自分の手のひらに掴めるものだけ、という点もリアルだったが、登場人物達の背景やその後を考えれば考える程苦い後味が込み上げて来る物語でもあった。憎悪が人間の善性を歪めるような事態が起こらない現在と未来であるよう願ってやまない。

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うぐいす

3.5複雑な問題

2024年8月7日
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鑑賞方法:試写会

ヒューマニズムは敵国の加害性を打消すことは出来るか?無理。。難しい問題を良く描いています。子役くんの演技と複雑な表情がとても良かったです。戦争の加害者/被害者問題は、戦後も長い傷跡になるのですね。。

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tomoboop

4.0助けたい。でも助けるのが怖い。

2024年8月7日
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鑑賞方法:試写会

またしても戦争の恐ろしい一面を知る。
敗戦間近になったドイツから、当時占領下に置かれていたデンマークに大量の移民が押し寄せた中、無理矢理受け入れ先に選ばれた大学の学長家族が移民とデンマーク国民との間で板挟みになってしまうお話なのだけど。

ドイツの占領下という言葉でもうデンマークがドイツに対してどんな見方をしているかわかるけど、そのドイツから突然勝手に送られてきた移民を見殺しには出来ない、人格者の学長家族を敵視する街の人々目線が痛いのがしんどい。

色々納得のいかない移民の受け入れを通して、パパの正義と信念が家族の関係を不安定にも強くもしていく様子に、観ているこちらも気持ちがぐらぐら揺れた。
助けたい。でも助けるのが怖い。
いつの世も犠牲になるのは小さくて弱い人々で、見方を変えれば移民側も国に存分に振り回されていて気の毒でとても胸が痛んだ。

敵視しあってるのは、意見の合わない大人同士であって子ども同士ではないのに。
この物語は子どもの目線で話が進むので、また辛さが一段と増した。
終わらない戦争が続く今、まさに観るべき作品。

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icco

3.5信じる力。

Kさん
2024年8月4日
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鑑賞方法:試写会

1945年ドイツの占領下にあったデンマーク。
戦時中の正義について考えさせられました。
命懸けで向き合い、葛藤し、最後まで、
”間違ったことはしていない”という信念を貫いた一家の堂々たる姿に感極まりました。
心を何度も揺さぶられる作品です。

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K

4.0真の悪とは

2024年8月4日
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鑑賞方法:試写会

2024年8月4日
映画 #ぼくの家族と祖国の戦争 (2023年)鑑賞

侵略者ドイツ人の難民をどう扱うのか。ナチスなのか難民なのか
子どもも侵略者なのか
苦しんでいる人に手を差し伸べるのか見殺しにするのか
人間としてどう生きるのかが問われる映画でした

@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました

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とし