「助けるか、見殺しにするか」ぼくの家族と祖国の戦争 雨雲模様さんの映画レビュー(感想・評価)
助けるか、見殺しにするか
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第二次世界大戦末期におけるデンマークの話。
当時のナチ・ドイツは敗戦が濃厚でありながらも抵抗を続けたために多くのドイツ人難民を生み出すキッカケになったが、数が多いだけにどの国で受け入れるかが問題になり、占領下にあったデンマークは断れずドイツ人難民を受け入れる。
学長のヤコブは致し方なく、体育館を提供するのだが、ドイツ人難民の中には親を失った孤児も中には含まれている。幾ら憎きドイツ人といえど人として見殺しには出来ないと判断したヤコブの妻のリスは牛乳を与えるようになる。
だが、この行為もいずれはバレる。
戦乱の混乱の最中に、ドイツ人を受け入れる余裕がないのは当たり前なわけだし、ましてや宗主国でもあるから憎い気持ちがあって当然。
デンマーク人としてのプライドを貫き見殺しにするか、人として救える命を助けるべきか。
最終的に息子のセアンが助けてもらったドイツ人難民で感染症を発症してしまった少女を助けるために病院へ連れて行く。病院はドイツにと言いながらもヤコブは目の前の命だけは助けてくれと懇願する、その結果少女の命は助かるがヤコブは職を失い、出ていかざるを得ない状態になる。
あの当時のドイツには果たして難民に対する援助なんて出来ないから占領下の国に対し自国民を丸投げするしか頭になかったのだろう。援助をお願いしても物資が乏しいがために出来ないが答え。正義を貫いたヤコブ一家の判断は素晴らしい。
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