ゆきてかへらぬのレビュー・感想・評価
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金かけてるなーとすずちゃんの背骨
田中陽造さんと根岸吉太郎監督、観に行くに決まってます。加えて広瀬すずちゃん、大ファン。批判評論も全く気にせず、楽しみに観に行きました。
まず、すずちゃんの役が実在だとは後で知りました。さすがに男2人は知ってました。両ベテランの作品らしく、落ち着いて観ることができました。セリフも凝っているし、神経で繋がる愛、なんて表現は初めて耳にしました。
贅沢に撮影されたように思いました。ロケ、セット、衣装、古道具、金かけてますよね。あの遊園地はどうしたんですかね。
中原の俳優さん、全く知りませんでした。光GENJIの誰か?のわけないなと。
なんと言っても広瀬すずさんですよ。見事でした。可愛い場面もあれば、メンタル壊した演技もあり、段々貫禄が出てきて、大泣きした後は、見事な再生です。
ラストの「背骨、、、」のセリフ、田中陽造さんのオチも見事ですが、小林をやっつけるあの演技、素晴らしいです。よく比べられるパワハラ女優がいますが、どこを比べているんだと思いますよ。比較になりません。
広瀬すずさんは多分幼い時からしっかりと栄養を摂っていたんだと思います。女優になってからも無理なダイエットとかしてないんじゃないんですか。今回、体(背骨)を晒す場面が結構ありますが、とても健康的にお見受けしました。
映画は、もしかすると退屈します。でも、わたしは満足しました。ラストが良かったですよ。
入り込めるか、込めないか。評価は変わる。
美術、照明、衣装、メイクアップ、全てのスタッフを絶賛したい。
全編美しい❗
中也と泰子が暮らし始めた京都の路地、
雨に濡れる黒瓦、俯瞰に流れる朱の傘、白く積りゆく雪、風に流れる桜。
部屋の調度品、窓ガラス、食器に至るまで
細部にまで神経を研ぎ澄ませた根岸監督の作品に魅せられた。
星5はこの映像美に捧げたい。
物語にはなぜか入り込めなかった。
恐れなく言ってしまえば、現実味のない芝居に退屈してしまった。
広瀬すずの全力演技をしても、ヒリヒリとした軋みが伝わってこない。
中原中也という詩人の魂も、小林秀雄の裏切りの痛みも。
ふと、気がついた。
コレはこの映画は、原作ゆきてかえらぬは、2人の男に揺れた長谷川泰子の口述筆記による著作を原作にした、長谷川泰子の視点で描かれた映画であると。
彼女にとっては、後の天才詩人も(17才の傲慢と繊細にゆれるセンチメンタルで世間知らずな)一人の若者であり、後の大評論家も(頭でっかちで理性を重んじる)窮屈な大人であるのかもしれない。
広瀬すずの渾身演技に胸打たれたのは映画後半、中也が亡くなったと知った後に、その死に慟哭し、中也のくるりと折り畳んだ赤い手袋を(彼の心臓として)唇に寄せ食べようとする無言の数分のシ−ンだった。
求めるものによって、この映画の評価は変わるのかもしれない。
家族がムビチケ当選して、一枚いただきました。 大正~昭和初期、女優...
誰でも成立する
中原中也と小林秀雄である必要がない。あいてが誰でも成立する映画。すずちゃんの演技で、すずちゃんの役が秀逸だが、相手はとくに中原と小林である必要性はない。中原の描き方もあまり褒められない。中原を深く知る人からすると、首をかしげたくなるかな。また、彼女とのことは、中原の創作活動に対してあまり影響をおよぼしていない。なので中原中也の作品を語る上では、それほど重要な事実でもない。また中原中也の価値は、文学史に燦然と輝く珠玉の作品があってこその存在なので、その作品を前面に出さないのは、中原中也という人物を描くことにはならない。中原中也という名前を出すにも関わらず、その人のことを語らないのはちょっとな~。監督、脚本ともにすごい人なのにな~。セリフも時代を考慮すると違和感を感じた。
木戸大聖の発見
根岸吉太朗16年?ぶりの映画は、田中陽造による40年前の脚本という。期待しないわけがない。
実際、美しい時代背景を彩る街並みや、お得意の長回しなど、見頃はたくさんで、噂に聞くほど台詞に違和感も感じず、それなりに愉しめた。
とはいえ、「ヴィヨンの妻」を知ってしまった身には少し物足りなかったのも事実だ。
ここでの田中陽造脚本は「ツィゴイネルワイゼン」と「セーラー服と機関銃」の中間をいっているが、主演の広瀬すずさんは相当に頑張ってはいたものの、往年の薬師丸ひろ子の域には達していなかった。対して、中原中也を演じる木戸大聖の発見は大きい。今後も彼は活躍していくのだろうか。
でも、現代の邦画にあって、こうしたテーマをきちんと撮る根岸監督はやはり大切な方だと思う。
描き切ったとはとても、、、、
2本のつっかえ棒
大正時代の京都。20歳の新進女優・長谷川泰子は、17歳の学生・中原中也と出会い、
2人は徐々にひかれあい、一緒に暮らしはじめる。
その後、東京に引越した2人の家を、中原の友人小林秀雄が訪れる。
小林は詩人としての中原の才能を誰よりも認めており、
中原も批評の達人である小林に一目置かれることを誇りに思っていた。
やがて小林は泰子の魅力と女優としての才能に気づき、
後戻りできない複雑で歪な三角関係が始まる。
といったあらすじ。
これ実在の人物がモデル、そして実話なんですね。
観終わってから、調べて知りました。
中原中也は昭和初期を代表する詩人の1人、
小林秀雄は文芸評論家で、日本の近代批評を確立した人物とか。
そんな2人の偉人から愛された女性が長谷川泰子。
大正から昭和初期の雰囲気を再現しつつ、三人の不思議な関係を
描いていたのだが・・・
天才のはずの中原中也、ぱっとしないなぁ。
こんな感じの方だったのですかねぇ。
詳しくはわからないですけど。
おまけに国語の教科書で名前を見たような気はするけど、
さっぱり覚えていません笑
演じられた木戸大聖さん、ごめんなさい笑
長谷川泰子を演じた広瀬すずちゃん、すっかり大人の女性ですね。
「ちゃん」ではなく「さん」ですね。
ファンなので結構映画見させていただいているけど、どんどん良くなりますね。
小林秀雄を演じた岡田将生さん、たぶんこういう繊細で論理的な人だったんだな、
と思わせてくれる素晴らしい演技。
まあ、すずちゃんと岡田さんが好きなので、観に行こうと思ったぐらいなので。
ゆきてかえらぬ・・・
後戻りすることのない様子や、その様子を追いかけるさまを表す言葉だそうです。
2人の偉人に愛され、支えられた泰子の「2本のつっかえ棒」という言葉が
まさに三人の関係を表していました。
地味な内容のストーリーでした。 女優・長谷川泰子と詩人・中原中也と...
レトロ好き
秀雄にメロメロパンチ
詩人と評論家と女優、もうこれだけですごいドラマが生まれそう。
それぞれがパワーワード過ぎて、一人だけでも充分なエピソードが出てきそうな所、かける3なのでとにかくなんか濃い。
色々濃い。笑。
実際の彼がどうだったのかはわからないけど、映画の中に限って言えば小林秀雄がカッコ良すぎる。
私は岡田将生氏が大好きなので、9割り増しなこともあったかもしれないが、かなりのメロメロパンチを喰らったわっ!
クールで知的なイメージが岡田将生氏本人と被ってるのもあるけど、小林秀雄氏が輝いてみえたわよ。病み散らかす泰子にも穏やかで優しく対応できる猛獣使いっぷりも、ライバルでありつ天才だと認めてもいる中原中也との関係の変化諸々後にも彼を大切に扱う紳士な対応も。
そりゃ好きになるよ。
仕方ないじゃん、カッコいいんだから。
すずちゃんは和装でも洋装でも女をやっていても女優をやっていても歌っても踊っても叫んでても美しくて、本当に美✨
美しさに目が行くけど、喋る?セリフの?なんて言ったらいいんだろう、感情の表現を言葉を通して表現するの上手いなーと思う。
あと今まで観た作品の中で、一番私の中でのイメージに近かったかも。
あと再現度の高さに度肝を抜かれた中原中也役の木戸大聖君。
なかなかあの帽子が似合う人はいないわよ。
繊細で死にたがりな坊ちゃん。
ついつい仕方ないなあと思ってしまう、お姉さん心をくすぐるかわゆい年下男子を上手く演じてたと思う。
それから世界観がとても素敵だったわ。
泰子の衣装はどれもこれも可愛かったし、秀雄の家の窓が素敵で出てくるたびに見惚れてしまった。
携帯電話もPCもなかった時代は、なんか相手との距離感も、距離の取り方も違う気がする。泰子の激しさも、中也の坊ちゃまが許される生き方も、秀雄のスマートなふるまいも、現代でやったらまた違う感じになるんだろな。
面白かったし、何よりこの時代そのものにちょっと憧れてしまった。
木戸大聖を観る作品
大正時代の京都で、20歳の女優・長谷川泰子は、17歳の学生・中原中也と出会った。2人は互いにひかれあい、一緒に暮らしはじめた。その後、京都で唯一の友人だった富永が治療のため東京に戻ったため、中也達も東京に引越し、2人の家を小林秀雄が訪れた。小林は詩人として中也の才能を認めていて、中也も小林の適切なコメントに敬意を払っていた。2人の仲の良い様を目の当たりにした泰子は、彼ら2人の世界に入れない寂しさを感じていた。その後、小林は泰子の魅力と女優としての才能に惚れて、中也から泰子を奪い・・・さてどうなる、という話。
長谷川泰子役の広瀬すずは美しかったし、魔性の女としてエロさもあり良かった。
だが、なんといっても、中原中也を演じた木戸大聖が素晴らしかった。彼のことを今まで知らなかったが、小林秀雄役の岡田将生より光ってたと思う。
天才詩人・中原中也とはこんな人だったのだろう、と思わせる、引き込まれるような木戸大聖の演技が素晴らしかった。
彼を観るための作品と感じた。
セリフ回しが鼻につくが中盤の広瀬すずの演技は必見
久しぶりに映画に引き込まれた
出だしこそ芝居臭さが感じられたが、テンポが良いので、それも演出のうちのように自然に物語の中に引き込まれた。登場人物たちの危うさと潔さが若さからなのか大正~昭和初期という時代だからなのか、それともそれぞれの才能と自負によるものなのか、観ていてとても面白かった。演者も良い。たかだか百年なのに暮らしの変化には驚かされる。このような丁寧な作りこみをされた映画を観る楽しみを思い出した。観ている途中で「良い映画だなぁ!」なんて思ったのは本当に久しぶりのことだった。鑑賞後の感情とテーマ曲が切なくなるくらいマッチしていた。
原作には忠実
内容は盛っておらず、長谷川泰子の口述筆記による原作「ゆきてかへらぬ 中原中也との愛」の内容を壊さぬ様に、結構忠実に作られた映画と思われました。逆に言うと盛っていない分、エンタメ性はかなり低めで、エンタメを期待して観にいく人に向いていないでしょう。
長谷川泰子、中原中也、小林秀雄の奇妙な三角関係を、長谷川泰子を通して見る世界観で紡がれています。
一人の天才詩人と一人の稀代の評論家の間を生きる大部屋女優の半生が描かれており、中也や小林秀雄が好きな人間には楽しめる内容と言って良いでしょう。とはいえ目新しいエピソードは全く含んでいないので、詳しい人にとっては、改めて3人のエピソードを懐古する程度の内容です。
3人の演技がよかったです!
出演者でちょっと気になってたので鑑賞!
京都。
まだ芽の出ない女優、長谷川泰子は、まだ学生だった中原中也と出逢った。20歳の泰子と17歳の中也。どこか虚勢を張るふたりは、互いに惹かれ、一緒に暮らしはじめる。価値観は違う。けれども、相手を尊重できる気っ風のよさが共通していた。
東京。
泰子と中也が引っ越した家を、小林秀雄がふいに訪れる。中也の詩人としての才能を誰よりも知る男。そして、中也も評論の達人である小林に一目置かれることを誇りに思っていた。男たちの仲睦まじい様子を目の当たりにして、泰子は複雑な気持ちになる。才気あふれるクリエイターたちにどこか置いてけぼりにされたようなさみしさ。
しかし、泰子と出逢ってしまった小林もまた彼女の魅力に気づく。本物を求める評論家は新進女優にも本物を見出した。そうして、複雑でシンプルな関係がはじまる。重ならないベクトル、刹那のすれ違い。ひとりの女が、ふたりの男に愛されること。それはアーティストたちの青春でもあった。
というのがあらすじ!
個人的にはちょっとよくわからない難しい印象でした…
最初は見逃した?って思うぐらい一気に同棲までいってそして東京に出た感じ…笑
そして中原中也と長谷川泰子と小林秀雄の三角関係は理解しにくい…
途中は掴み合いの喧嘩とかしてたけど迫力がすごかったですね!
ナミビアの砂漠をちょっと思い出しました笑
3人ともちょっとめんどくさい人たちだなーという感じ笑
有名な3人の実話の話を元にした話らしくそこを知ってる人はかなり楽しめる作品なんだろうなと思います
私は全く知らない人たちだったので調べていればもう少し楽しめたかなと思います…
でも3人の演技が素晴らしかったですし大正や昭和初期が好きなので楽しめました!
あと広瀬すずさんが美しかったですし衣装もお綺麗でしたね!
いい映画をありがとうございました😊
幻惑的な世界観◎役者さんの演技◎
大正浪漫を舞台にした作品ということですが、美術が兎に角すごいです。街並みから小道具に至るまで微に入り細に入り本物のようでした。主人公を演じた3人の役者さんたちの演技は大変すばらしく、「私たちは神経と神経でつながっていましたの…」という長谷川のセリフが言い表すように、ガラスの如く繊細で今にも壊れそうな人間の心を見事に体現していたと思います。岡田さん広瀬さんはすでにベテランの域に達してらっしゃるのでさすがといった感じでしたが、中原中也の繊細かつ粗暴な内面をナチュラルに体現していた木戸さんの演技も大変素晴らしかったですね。
根岸吉太郎監督は「キャバレー日記」や「遠雷」といった多くの名作を世に送り出してきた方ですので、一度はリアルタイムで新作を見たいと思っていました。また脚本を担当された田中陽造さんは、鈴木清純や相米慎二などの名匠たちのもとで、非常に幻惑的で独自の世界観を打ち出した作品を書かれてきた方です。ですので、稀代の名匠と脚本家のコラボレーションという意味においても、非常に期待値の高い作品でした。劇場で見ることができとても嬉しかったです。
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