劇場公開日 2025年2月21日

「世は令和 大正ロマンは死語です」ゆきてかへらぬ nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5世は令和 大正ロマンは死語です

2025年6月17日
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永野芽郁の不倫報道で赤字予想の”かくかくしかじか”が話題だが、その数ヶ月前に封切りされたこの作品
”かくかくしかじか”どころではない大コケ映画になったようです
というか、一般人には話題にもならなかった
そのためなのかわからないけど、あっという間にアマプラで無料配信
こんな映画、作っていたの?とはじめて知りました

美しい映像と、役者としては迷走しているけど、やはり映えるビジュアルである事は認めざるを得ない広瀬すず
そして、相変わらず色気たっぷりの岡田将生
ローラースケートが流行ってたんだというちょっとした驚き
大正ロマンが感情をくすぐるのは年齢のせいかな

なのに爆死映画になったのはなぜか?
理由は明白

まず、今の観客の主流に大正ロマンは死語なんです
学校で習う歴史でも近代は駆け足で通り過ぎる
大正という中途半端な時代はほぼ知らない
大正ロマンが流行った時代を知っているのはもう老人です
誰も興味が無い

そして、原作は”中原中也との愛 ゆきてかへらぬ”で、ヒロインの長谷川泰子自身が原案としてかかわった小説であり
あくまで、彼女の目から見た中原中也を描いているだけで、主役は彼女だということ
中原中也でさえ影が薄いのに、今では名も知らない女優の話なんて興味が無いし、彼女自身に時代を超えた魅力がなかったから
まだ、現役の漫画家の話の”かくかくしかじか”の方が興味を持たれるでしょうね
観てないから知らんけど

つまり、題材からして爆死必至の作品です
監督があの”探偵物語”の根岸吉太郎
探偵物語自体、知ってる人が少なくなった時代
74歳の老人の興味と世間の興味がかけ離れてしまうのは当然です
監督もヒットさせようという気なんかなかったんじゃないかな
作りたいものを作っただけ
黒澤明くらいの大御所なら時代がついてくるんだろうけれど、そこまでのカリスマではなかっただけ
仕方ないですね

しっかりした監督のせいで、広瀬すずもちゃんと女優していました
最近ではいちばん良かった
ただ、まだ26歳
ちょっとこの役をするには幼すぎたかな

永野芽郁のスキャンダルを、イメチェンのチャンスととるむきもあるが、広瀬すずは、広瀬すずであることを捨てないと使いにくい女優になるような気がする
まあ、彼女の人生ですから、好きなようにすればいいけどね
格闘家になってボコボコにされるのもいいかも(笑)

岡田将生は色っぽいね
中原中也が凡人に見えてしまう
だから、中也役をもう少しエロい人にしないとね
そこはガッカリだった

nakaji