劇場公開日 2025年2月21日

「木戸大聖の発見」ゆきてかへらぬ たけはちさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5木戸大聖の発見

2025年3月5日
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鑑賞方法:映画館

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根岸吉太朗16年?ぶりの映画は、田中陽造による40年前の脚本という。期待しないわけがない。
実際、美しい時代背景を彩る街並みや、お得意の長回しなど、見頃はたくさんで、噂に聞くほど台詞に違和感も感じず、それなりに愉しめた。
とはいえ、「ヴィヨンの妻」を知ってしまった身には少し物足りなかったのも事実だ。
ここでの田中陽造脚本は「ツィゴイネルワイゼン」と「セーラー服と機関銃」の中間をいっているが、主演の広瀬すずさんは相当に頑張ってはいたものの、往年の薬師丸ひろ子の域には達していなかった。対して、中原中也を演じる木戸大聖の発見は大きい。今後も彼は活躍していくのだろうか。
でも、現代の邦画にあって、こうしたテーマをきちんと撮る根岸監督はやはり大切な方だと思う。

たけはち