「対比がよかった」ゆきてかへらぬ べろさんの映画レビュー(感想・評価)
対比がよかった
中原→泰子→小林→中原で、見事なまでに三角関係でした。
中原が泰子と喧嘩をして負けるのは、途中まで気づかず劇中の会話で言われてから気づきました。
泰子が中原の客である小林に失礼な態度を取れるのも、中原の泰子への愛が大きいからですね。
泰子が小林を好きになりすぎて病気になったのを見て、少し分かるような気もします。
中原に対しては傍若無人だった泰子ですが、小林に対しては髪を整えたり身なりを気をつけてたのがこれも愛の大きさがわかる。
“小林の客”である中原にはしっかりもてなして、ティーカップも持ち手が右側“でないといけない”。
病気になったのも“でないといけない”ことが多かったからでは。
本当に小林の事が好きなのが伝わってきました。
『神経と神経で繋がろうとしましたの。それが1番深い愛、潔い愛だと思ったから』
小林と泰子のセックスシーンがありましたが、上記の台詞から察するに、結局最後まで出来なかったんですね。
時計のシーンで泰子がおかしくなったの何となく気持ちわかったような。小林と中原が神経で繋がりそうで気持ち悪いと見た時は思いました。
最初に小林は傍若無人な自由そうな泰子に惚れたのかと思ったら終盤の中原の奥さんを褒めてるの見て、お前もそういう人がいいんかい!って気持ちと同時にまた手を出そうとしたんじゃないのかと思いました。結局、中原の泰子だからよかったんですね。
泰子と叩き合いして、でも結局は負けちゃう中原と、優しく寄り添うのに最後は叩いて払っちゃう小林。その対比もすばらいですね。
岡田将生さん出てきてからのワクワク感、さすがだなと感じました。ほんと空気が違うというか物語が動き出した感じが、より一層泰子の気持ちがわかった。
広瀬すずさんは今まで作品を見た事無かったんですが、演技が上手でよかったです。
目で語る演技や、違和感のない喋り方とか。