劇場公開日 2025年2月21日

「芳醇で贅沢な官能美。」ゆきてかへらぬ 羅生門さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0芳醇で贅沢な官能美。

2025年2月23日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

古き良き邦画の香りと言ったところか。夢か現か、エロスを感じさせる浮遊感のある大正・昭和の雰囲気が楽しかった。田中陽造の脚本に拠るところが大きいのだろうが、美術・証明と、根岸監督による演出・カメラワークが見事だ。オープニングの柿が淫靡で良い。岡田将生が登場するまで、ワクワク・ドキドキした。 願わくば広瀬すずと岡田将生の逢い引きをもっと思わせぶりに演出してもらうと満点でしたね。谷崎潤一郎の「鍵」をムッソリーニからナチスの影響を受けるヴェネツィアの風景と共に淫靡に表現したティント・ブラス監督のように。広瀬すずの押さえた演技がモデルとなった大部屋女優の歩留まりと相まって、やり過ぎないことで逆にリアルに思えた。岡田将生も相変わらず良かった。何かとても贅沢をしたような気分になれた。

羅生門