「原作の良さが想像できる映画」エフィ・ブリースト Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)
原作の良さが想像できる映画
日本で書かれたドイツ文学史の本でも原作は画期的な社会小説だとして褒めていて、これは見なければと思って見たが、期待以上だった。おかしな言い方になるが、フォンターネの原作を読んではいないのに、この映画は原作の良さをしっかり再現しているに違いないと思わせる映画だった。映画ファンならファスビンター監督を褒めるべきだろうが、登場人物一人一人の語るよく考えられた言葉が、私のように人生も終盤に入ってきた者には刺さりまくる。主人公のように恵まれた環境に生まれても、人生は虚無で退屈で、社会の強いるルールに抵抗しても従っても虚しさ、寂しさから逃れられない。言葉が極めて重要な役割を果たす映画を白黒で撮った監督も正しい。
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talismanさんのコメント
2024年9月5日
原作も日本語訳も読んでいませんが、映画が語りかけてくれました。フォンターネはドイツ(文学史)で大きな存在ですがファスビンダーの映画で知ることができて私は幸せで嬉しい