本心のレビュー・感想・評価
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生きることが目的となり
尊厳を捨て生きることに執着するようになったら
人間ではなくなる。
と言う言葉を最近聞いたが、
まさにそれを描いた怪作◎
生きることに執着する人間にとっては画期的で
素晴らしい道具も
のび太くんのように誤用が発生する。
その道具の数々が
AI、アバター、ヒューマノイド、ジェミノイド、VR
と言うキーワードで出現
まじで寒い未来予想図だったな〜w
人間は尊厳以上にイメージと
脳による情報処理で生きている。
脳を肥大化させ生存競争に勝ち上がってきた生き物が
ただの生物になるのも時間の問題かもね:)
原作とはまったく別物でしたぁ
芸達者な池松くん、ミヨッシー(三吉彩花)の好演には救われましたし、原作をまったく読んでいない方には、個々のテーマの軽重は気にならなかったやもですが… 何が主題か、とても分かりにくかったのでは? 映画にするための脚色は自由なれど、一部設定が無理筋で、原作の大事な設定が無くなってしまっていたのは…
もはや実現可能な状況となっているヴァーチャルフィギュア、リアルアバターを利用する近未来でのAIやメタバースというテクノロジーの功罪。一方、深刻な社会問題としての、政治の無能、貧富の差や差別の拡大、自然死という名を与えられた自殺(尊厳死?)などなど。平野啓一郎の原作は、それらを巡って、人間の右往左往や受容と絶望・希望・愛を描いたスゴイ野心作です。
やはり2時間での映像化、その為の改変が多すぎて、石井監督をしても作品に纏める無理だったか、と言うのが一番正直な感想かなぁ⁈
個人的には「ガタカ」のような、もっともっとドライ、無機質、淡々とした映像の中での人間性の苦闘、抵抗みたいな描き方を勝手に期待してました。
気になる方は、やはり原作を読んでください!
早く終わらんかな。。
石井裕也監督、毎回オリジナリティを感じる作品を送り出し、また死生観をテーマにすることが多く時に挑戦的な作品も。と言うことで、新作が公開されれば無視は出来ない監督です。ただ正直なところ、私の好みとは違った作品もあり「今回はどっちだ?」と思いながらTOHOシネマズ日比谷へ。サービスデイ(キャンペーン)の10時50分からの回、平日の割にはまあまあの客入りです。
で、観た感想は、、、ちょっと戸惑うくらい想像と違いましたし、肝心な出来としてもイマイチな感じ。ちなみに原作未読なのですが、どれくらい忠実な脚色なのか?逆に興味が湧くほどでした。(読まないですけど。)
それにしても、邦画で取り扱われる「近未来とテクノロジー」ってどうしてこう現実感がないのか?勿論、予算がないのも大きな理由の一つだと思いますが、語られている世界観がルック的に伝わってこないため、それっぽい言葉で説明されてもピンとこないし入り込めない。そもそも、それだけの技術力があれば日本に留まるはずもないと思うのですが、そういう様子は皆無で、むしろガラパゴス化しているように見えます。だからこそなのか?セキュリティや倫理観は劇下がりしており、格差によって恵まれない人間に大きくしわ寄せが行っており、奴隷のような扱いを受けていてディストピア。だったら街ももっと荒廃してそうなのですが、勿論、そんなの表現する予算はないですからね。。
そして、演出的にも気になる点あり。朔也(池松壮亮)以外のキャラクターのほぼ全員、謎めいていてどこか怪しさを感じさせるためか、皆やや過剰に感じる「演技」なのですが、反ってその演出に役者の力量判りやすく現れいるため、人によっては悪目立ちしていることもあってノイズです。敢えて言いませんが、大袈裟ではなく観ていてしんどく感じるくらいの役も。。
内容的にも「これ要らないんじゃないか?」と思うシーンもありますし、上映時間122分はとても長く感じて、中盤以降は「早く終わらんかな。。」と思って観てました。取り敢えず、「終わり方」だけは悪くないかな。
と言うことで、田中裕子さん、池松壮亮さんは今回も素晴らしかったことが救いの一作。石井監督、、次作も待ってますので何卒宜しくお願い致します。
トイレ行くときどうするんだろ?
ちょっと思ってたのと違った
原作は「マチネの終わりに」「ある男」の平野啓一郎。今作は原作読めず😑鑑賞後、本来はどう描かれているのか読んでみたくなった。前者2作は読んで映画も良かったので、平野作品結構好きで今回も期待していた。
VF技術を駆使して会いたい人に会ったり、リアルアバターとして生計を立てる&依頼する人が珍しくない、今より少し未来が舞台。
母と二人で暮らしてきた主人公・朔也だが、ある日母が国に認められた自由死を選択実行する。母の本心を知るために彼女のVFを作成依頼し…という話。
最初はファンタジー?SF ?と思いながら見た。
途中、話の支障ないところで睡魔に襲われてしまったのもありますが...(+_+)
題材は面白いが、エピソードがいくつかあって、ややまとまりなく感じた。
母との事が主軸のわりに、岸本とか三好さんとかイフィーのそれぞれの話も同じレベルで描かれ、結局はラストの再生母とのやり取りが言いたいことなのだろうけど、とってつけたように感じてしまった。で、…本心は?
ただ、近い将来こんな世の中になるのかという点では興味深く、川縁に集まるリアルアバターバイト集団?はUberの人たちみたいだった。いい面ばかりではないので悪質なクライアントが描かれたのはよかったけど(酷すぎだが)、テクノロジーの進化は、益々人間をおかしくしているのではないだろうか。。
皆さん書かれてますが、窪田正孝君がどこに出てたのかわからなかった。思わず検索。
今年は三吉さん、江口さん、河合さんの胸を見せる場面が出てビックリが続いた年かも!
全くハマらなかった作品だった。
いろんなことを考えさせてくれる作品
本心と実際口からでる言葉は必ずしも同じではないのでしょう
石井裕也監督と言えば、大渡海と言う国語辞典作りに奮闘する編集者を描いた「舟を編む」や重度障害者施設で起きた大量殺害事件を映画化した「月」が代表作です。
舟を編むの松田龍平、月の宮座りえと礒村勇斗の演技に唸りましたが、本心の池松壮亮と三吉彩花の演技にも引き込まれました。
ストーリーは、
仕事からの帰宅中に偶然母親の投身自殺の現場を遭遇し、助けようとして川に転落した男は昏睡状態に陥ってしまう。
そして、意識を失ってから1年後に目覚めるが、男が出勤する時に母親から「大事な話があるの」と言われたことが気になり、母親のアバターを作ろうと思いたち、バーチャルフィギュアを作る会社に依頼する。
母親のデータをインプットされたアバターはAIにより学習する。更に、唯一の友達で棲むところを災害で失った若い女性からも、暮らす部屋を提供する代わりに母親のデータを提供して貰うが、それでも何故自殺したのか、何を言いたかったのかアバターは話してくれない。
また、この女性も母親から本心を聞いている素振りをみせるが話してくれない。
そして、仮想世界で母親と旅行した場所に行くと突然母親のアバターから死ぬ前に「あなたを産んで良かった」「愛している」と言いたかったと男に伝えた。
母親の本心とは、母親の友人の女性の本心は、そして母親の友人の女性に対する本心は、、。
とても面白い映画でした。
目は口ほどに物を言う
工場で働く『石川朔也(池松壮亮)』は
豪雨の帰り道、増水した川の畔に立つ母『秋子(田中裕子)』の姿を見つける。
次の瞬間に彼女の姿は消えており、
『朔也』は母を助けようと濁流に身を躍らせる。
彼が正気付いたのは、
それから一年近く経った病院のベッドの上。
母は亡くなっており、しかし
彼女が生前に電話で告げた
「帰ったら大切な話をしたい」との言葉が脳裏から離れない。
故人の膨大なライフログをAIに学習させ、
仮想空間上に再現させる「VF(ヴァーチャル・フィギュア)」の技術は実用化されている。
母が伝えたかったことを知るために、
『朔也』はその技術を頼るが、
更なるデータをインプットし、より本物に近づけるため、
母の親友だったという『三好(三吉彩花)』にコンタクトする。
そこから、『朔也』と『三好』と『VF秋子』の
奇妙な三人の生活が始まる。
物語りの舞台はそう遠くない未来の日本。
「安楽死」や「尊厳死」よりも一歩進んだ「自由死」が合法化され、
まだ元気な人間でも「自死」を選択でき、
その死に対しては国から金銭的な補填すらある。
AIやロボットによる人間の仕事の代替は更に進んでいる。
それにより多くの失業者が巷に溢れ、
職を求めている。
その一部は、良い収入との言葉に惑わされ、
内容を吟味しないまま非合法な仕事に手を染める。
「リアル・アバター」との仕事が始まっている。
ゴーグルを装着し360°カメラを持ち、
依頼主の代わりに目的を遂行し、
一部始終はHMDを通して配信されるが
報酬は微々たるもの。
代行業務で感謝されることがある一方、
中には些細な理由で低い評価を付ける者、或いは、
雇用・被雇用の関係を嵩に懸け、理不尽な要求をする者も。
社会は富裕層と貧困層に、完全に分断されている。
2019年~20年に新聞連載された『平野啓一郎』が原作。
今のこの国での問題が
既にして多く盛り込まれていることに驚く。
もっとも、「ぬいぐるみの旅行代理店」などは2010年代前半からあり、
「リアル・アバター」は、
これと「ウーバーイーツ」の掛け合わせ且つ発展形かもしれぬが。
『朔也』は過去に犯した罪を引きずる。
『三好』も、昔の仕事がトラウマとなり、
他人との接触を極端に恐れる。
『秋子』は息子には伝えていない秘密を抱えている。
いくら科学が進歩し、連絡を密に取れるようになっても、
互いの心を理解することは難しい現実。
しかし面と向き合うことで見えて来るものもある。
それが如実に示されるのは
掲げた手の先には太陽が、
そして光明が見える印象的な最後のシークエンス。
主役の三人の演技は皆々秀逸。
『田中裕子』は掴み処のないとぼけた感じが、
『三吉彩花』は引きずっている翳が払拭されていく変容が。
が、とりわけ『池松壮亮』が出色で、
口から出た言葉が真実ではないことを、
眼差しで分からせてしまう、
ラストシーンに向けての
裏腹な一コマの表現の素晴らしさ。
本心とは・・・
近未来に起こりそうな問題を予感させる予告に惹かれ、期待していた本作。レビュー評価が芳しくないことに不安を覚えながら、公開2日目に鑑賞してきました。
ストーリーは、「大切な話がある」という言葉を残して”自由死”を選んで亡くなった母・秋子の本心が知りたくて、仮想空間に任意の人間を再現する「VF(ヴァーチャル・フィギュア)」として”母”の作成を依頼した石川朔也が、リアルとヴァーチャルの世界でさまざまな人と関わる姿を通して、人間の本心について描いていくというもの。母の死の真相をめぐるヒューマンミステリーを装いながら、実際には人の本心はどこにあるのかということをあぶり出すような印象の作品です。思っていたのと少々テイストの異なる作品でしたが、なかなかおもしろかったです。
VFにしてもリアル・アバターにしても、VRとAIの進歩と融合により、あるいはこんな技術革新やサービスも登場するのではないかという現実味を帯びた設定がおもしろいです。倫理や常識に照らしてアウトと感じるシーンもありますが、世の中に初めて登場したものが一般に定着していく過程では、十分に起こり得る問題であり、かえってリアルに感じます。
そして、その中で振り回される人間の愚かさや滑稽さや悲しみを通して、人の心の機微を繊細に描いているように感じます。SNS全盛の現代の風潮をみると、そのうち人の本心はVRやアバターやネットを介してしか語れなくなってしまうのではないかと感じます。それは利便性の問題というより、相手から返される好ましくない言動から自分の心を守る自己防衛手段として、何かを媒介としているような気がします。その心理には共感しますが、果たしてそれは本心として相手に伝わるのでしょうか。
一方で、本心は面と向かって伝えなければ本当に伝わらないのかとの疑問もあります。手紙や電話なら伝わるような気がするのに、なぜネットを介するとダメなんでしょうか。しかし、いま抱いているそんな違和感も、将来的には払拭され、コミュニーションの主流は完全にネットに移っているかもしれません。
結局のところ、伝わるかどうかは対面かネットかといった形式の違いではなく、その人のもつ人柄に由来しているのでないかと感じます。目の動き、話す速さ、声の大きさ、額の汗、声の震え、文字の美しさ、紡いだ言葉、会話の間、日頃の言動など、それこそ膨大な情報を処理して相手の心を見極めているのではないでしょうか。人の本心なんてさまざまな思いが混ざり合って形成されており、当の本人ですら端的に言い表せない代物であり、いくら優秀なAIが導き出したとしても、それは数ある正解のうちの一つに過ぎないのではないかと思います。
ラストで朔也が伸ばした手に重なるもう一人の手。あの手を伸ばした人物は、朔也が語らなくても、AIに頼らなくても、きっと朔也の本心をしっかり受け取ったのだろうと思います。
こんな感じで、人の本心について考えさせられる作品ではありましたが、さまざまな人物を登場させたことで、やや焦点が定まりきらなかったような気がします。特に、予告で釣った”母の本心”が中盤で放置され、オチも肩透かしなのはいかがなものかと思います。低評価の理由は、おそらくこのあたりにあるのではないでしょうか。
主演は池松壮亮さんで、誠実さが滲み出るような演技が秀逸です。脇を固めるのは、三吉彩花さん、水上恒司さん、田中泯さん、仲野太賀さん、妻夫木聡さん、田中裕子さんら。
人の本心は推して量るもの、人の心の底なんて分からないのが当り前だと...
人の本心は推して量るもの、人の心の底なんて分からないのが当り前だと思う
それにしてもあのウーバー地蔵みたいなのは闇バイトなんですかね、なんか幾らでも危いこと依頼されそう...
母は結局ネコを庇って?
キャストも無駄使い感漂ってるし
何か1つでもはっきり答えを提示して欲しかった、仕事とかAIとか倫理観というかガイドラインがなっとらんだろ!と思ってしまいました
あっち側とこっち側とか…
平野啓一郎原作で楽しみにしていた反面、監督が石井裕也ということでイヤな予感はあったわけだが、案の定、小説の表面だけを雑につまんで話を組み立てていて、設定や人物造形、テーマなどすべてがペラくてまとまっていない印象。これ、原作知らない人は理解できるのだろうか?
原作は、自由死(尊厳死)だけでなく、社会格差や労働問題、仮想空間、LGBTQ、在留外国人、コミュニケーションなどなど、平野らしい数々の社会問題の提起と視点を多層的に描きつつ、それに対する別方向からの考えも丁寧に提示している。また、タイトルの人の本心というテーマについては、主人公の一人称で語られる小説だからこそ成立しているともいえる。そんなわけで映画にするには繊細な演出が要求されるし、映画化の難度が高い文学作品だと思う。
本作は、本心と言いながら登場人物に自分のことや秘密をペラペラしゃべらせるし、エピソードやキャラを単純化したことで結局、朔也と三好の安易な恋愛オチにもっていってしまう。意味不明な部分も多々あって、小説と映画は別物とはいえ、映画化して何がやりたいのかよくわからない。せめて映画的演出が期待できればと思うのだが、各シーンに魅力がないのが致命的。妻夫木の会社もヘッドセットもVR世界も貧乏くさいし、リアルアバターはウーバーイーツだし、印象に残る画作りがまるでなくてツラい…。
唯一よかったのは三吉彩花! こっちの方がVF感あるパーフェクトな美人ぶりは彼女を主人公にしてほしかったぐらいなのだが、そもそも役名の時点で三吉が演じるのは当然という気も…。いろいろめちゃくちゃ言ったけど、石井監督の過去作を振り返れば社会問題を意識したいという意欲はあれど、正直それをまとめて訴えかけるだけの技量が監督には不足してるとあらためて思ってしまった(かなり上から)。
良い意味で予告と期待を上回る
あり得る近未来
少し前にAppleVision Pro を体験し、バーチャルリアリティーのその「リアルさ」に驚愕していたのですが、この映画を見ると本当に近い将来VRを活用した様々なビジネスが出てきそうな気がいたします。
本作はタイトルが本心となっていて、映画の中で人間のリアルな気持ち、リアルな自分を見せることに苦心惨憺していたと思いますが、ストーリーが途中から急変換し、何が言いたいのかは少し伝わりにくい印象でした。お母様がなぜ自由死をされたのかもちょっとよくわかりませんでした。
主人公のセリフが結構棒読みに近いなぁと思って、もしかするとこの主人公がバーチャルリアリティーなのかと勘ぐったりもしましたが、まぁそういうことではありませんでしたね。
この世界観は好き。豪華俳優陣なのも良い。代行サービスが発展し、便利...
近い将来……?
本心を知るということ
平野啓一郎作品の映画化3本目に当たる。「マチネの終わりに」では、切ない大人の恋愛と人生の再生、「ある男」では、アイデンティティの探求と過去の秘密が描かれていたが、本作は、AI技術と人間の心がテーマになっている。これらの物語の根底には、「私」の根拠について思考する分人主義という彼独自の思想が流れている。分人主義とは、その時々の相手やコミュニティに合わせて変化するそれぞれの自分を分人と呼び、すべての分人が本当の自分であるという考えだ。
石井裕也監督作品というと、最近では、実際に起きた障害者殺傷事件をモチーフにした小説を映画化した「月」が有名だが、本作は、現代社会における弱者の生きづらさとそれに立ち向かう母子の絆を描いた「茜色に焼かれる」や喪失と再生と異文化交流をテーマにした「アジアの天使」の系譜に連なる。大上段に構えた社会問題告発作品ではなく、個人や家族という小さい単位から意識される社会を描き、深刻になることを恐れず、ユーモアと温かみは忘れないという作風が継承されている。
本作の舞台は、AI技術が進化した近未来、死の時期が自由に選択できる「自由死」が合法化されている。その「自由死」を望みながら、実際は事故で命を落とした母親を、青年は、生前のデータをAIに取り込み、仮想空間にその人間を作る技術であるヴァーチャル・フィギュア(VF)として再生し、その本心を探ろうとする。
この映画のタイトルである″本心″とは、本来は母親に向けられたはずのものであるが、AI技術を通じて再現された母親との関係を通じて、青年が自分自身の本当の感情やアイデンティティに向き合うことも意味している。
そもそも人間というのは本心を隠し持っているものである。だからこそ、覗いてみたいという欲求に駆られるのだが、知らないでそのままでいるということでも問題ない。知らなくてもよかったことを知ってしまったということだってよくある。この映画を観て、そんなことを思った。
人間に代わってください。
おもしろくはなかった
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