「殺伐とした近未来で人の心の尊厳を問う」本心 エロくそチキン2さんの映画レビュー(感想・評価)
殺伐とした近未来で人の心の尊厳を問う
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高齢化社会のあるいは介護の崩壊に警鐘を鳴らした昨年公開の「月」と対をなす石井裕也監督の新作。
自らの死を選択できる「自由死」、カメラを搭載したゴーグルを装着して遠く離れた依頼主の指示通りに動く「リアル・アバター」、仮想空間上に“人間”をつくる「VF(バーチャル・フィギュア)」などを題材とし、近未来の社会の功罪を考察する。
自由死を選択した母、リアル・アバターとして働く息子、そして死んだ母をVFで再生した息子。
そもそも科学の進歩と人間の幸せが比例することはない。
池松壮亮くん、田中裕子さん、三吉彩花さん💕の名演により、人と人が思い合うこと以上の幸福がないことを検証する結果となった。
何より壮亮くんと彩花さんのラブストーリーが好きだった。幸せとは縁がなかった二人が幸せになれるのではと。
ちなみに歳をとって願うのは、制度をしっかり整備して、今作でいう「自由死」が選択できたならと。
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