劇場公開日 2024年8月16日

「どんなときにもジョークを忘れないのは立派だが」エア・ロック 海底緊急避難所 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0どんなときにもジョークを忘れないのは立派だが

2024年8月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

海に不時着した飛行機。徐々に海底深くに沈みゆく中、脱出しようにも海中には巨大なサメが待ち受けている。最近のB級映画に多い、限られた空間での恐怖が描かれるシチュエーションスリラー。もうこのシチュエーションを作っただけでこの映画は完成したも同然。
だから、あの狭い空間に大きなサメが入り込んでくる?とか、サメは元に戻れるのか?とか、大破したわけじゃないのに生存者少なくない?とか、最後にあの時間差であんなところまで引き上げてもらえるのか?とか、細かいところは気にしたらダメなんだと思う。でも、唯一受け入れがたかったのが、主人公(州知事の娘)が可愛くなかったこと。とても残念だった。これもB級映画っぽいところといえばそれまでだけど。
事故後の機内で生き残る人達も、この手の映画のパターンを踏襲しててよい。カイルがあれだけ大怪我を負って辛そうにしているのに、皮肉のきいたジョークを忘れないのはアメリカ人らしくて面白かった。友達になりたいとは思わないし、若干不謹慎なジョークもあったし、褒められたものではないのかもしれない。でも、あの姿勢が妙に印象に残ってしまった。
人が映っている場面ではほとんどCGを使わず(飛行機の墜落前は例外)、人がいない場面に限定しているのは潔くていい。その飛行機の墜落前の映像は頑張っていたと思う。なかなかの迫力と臨場感だった。全体的にCGの粗がそれほど気にならなかったところも評価できる。
個人的に意外と楽しんでしまったのは確か。とは言っても所詮はB級映画だから、そこまで高い点にはできない。

kenshuchu