「( 白目で) 黒川想矢!何て、恐ろしい子...!」BISHU 世界でいちばん優しい服 病人28号さんの映画レビュー(感想・評価)
( 白目で) 黒川想矢!何て、恐ろしい子...!
映画館で働いていた時に...、
いや、どれだけお前転職してんだよ?と思う人もいるでしょうが、自慢じゃありませんが、半日だけで辞めた仕事も換算すると、三桁に届くくらい転職、退職を繰り返してまいりました。
犯罪以外は何でもやりました。恥の多い生涯を送ってまいりました。自分が初めて陸蒸気を見たのが( 以下、略)
もとい!映画館で働いていた時に発達障害じゃなくて、ダウン症の男の子がいて常連のお客様で、俺の顔を見ると必ず挨拶してくれる子どもでした。
ダウン症でも書道家の金澤翔子さんほど、しっかりはしていないけど、普通に邦画から洋画から、分け隔てなく見るタイプでした。
分け隔てなく見るけど、ホラー映画は苦手で見ていませんでした。押井守のスカイクロラも確か見ていました。あれは素人にはちょっと敷居が高いと思うけど、映画が終わった後に会うと、俺の顔を見るなりこう語りました。
まあ拙者の場合スカイクロラとは言っても、いわゆる小説としての森 博嗣ではなく
メタSF作品として見ているちょっと変わり者ですのでwwwダン・シモンズの影響がですねwwww
ドプフォwwwついマニアックな知識が出てしまいましたwwwいや失敬失敬www
まあ萌えのメタファーとしてのスカイクロラは純粋によく書けてるなと賞賛できますがwww
私みたいに一歩引いた見方をするとですねwwwポストエヴァのメタファーと
商業主義のキッチュさを引き継いだキャラとしてのですねwww
の文学性はですねwwww
フォカヌポウwww拙者これではまるでオタクみたいwww
拙者はオタクではござらんのでwwwコポォ
とは、言わなかったが、いつも
「 ありがとうございます!さようなら!」
って、挨拶してくれてました。自分と同類の映画オタクと思われていたのでしょうか。
で、映画館を辞めてよりにも寄ってTVドラマの制作進行に転職するのですが、それはまた別のお話し...。
映画館のバイト仲間にもろくに伝えずに退職するんだけど、どうやって調べたのか分からないんだけど、俺が映画館を辞めるのを知ってか、別れの直筆の手紙をその子から貰いました。
やぁ、嬉しかったなぁ?残念なのはその男の子の手紙が俺の自画像を書いているのは分かったんだけど、肝心の文字が全く分からなかったのは残念でした。
そんな男の子と対話していたから、分かるんだけど、オレンジベスト君の黒川想矢の演技!
ほ...、本物の発達障害の子?
と、思ってしまうくらいの名演技で、どれだけ主役の服部樹咲が頑張ろうとも、戦闘力が100万を超えている子役の演技オバケには勝てる筈もない。
で、もうどうかしている前置きはさておき、
尾州というタイトルにもなっている愛知県の糸工場が舞台になっている事も知らずに鑑賞。
痩せこけて最初誰か分からなかった吉田栄作が父ちゃんで、発達障害を持つ妹の服部さんの世話にあけくれて心配のあまり、あまり余計な事はするなと教育している。
この服部さんの友達、ぴっちり真ん中分けの女子高生が優しいんだぁ、これが!途中、喧嘩別れもするけど服部さんのピンチには必ず駆けつけるとても出来たお子さん。
俺の経験だと、障害者でも健常者と同じように接するのが礼儀だと思う。老人ホームで、お爺ちゃん、お婆ちゃんに対して赤ちゃん言葉で話す馬鹿いるよね?俺、あれ大嫌い!人生の先輩だぜ?敬語で話せよ馬鹿。
服部さんには、絵を描く才能があって、普通科と美術科がある学校の普通科に通っているのに、飛び級してその絵が世間に認められてしまう。
ここから、今まで気づかなかったギフトを発揮して、ファッションデザイナーになるまでのお話し。
根性モノにありがちな嫌味なライバル達に、色々言われるけど負けないで這い上がっていく様に勇気づけられる人は多い事でしょう。
最後のファッションショーでの、やり過ぎなハプニングが、ある音で解決するのだが、ここの演者のチームプレイが泣かせるんだよねぇ。
音については、最初から中盤までしつこいくらい伏線をはっているから気づかない人はいるめーよ?
発達障害の人達って、音に敏感でそれだけでメンタルがガタガタになるのは他人事とは思えなかったです。
治療して治ったけど、自分も音に敏感になった時期があって、米軍が使っている耳栓とヘッドフォンをつけていても、耳鳴りが聞こえてその音を止めたくて、耳鳴りにいい高いイチョウ葉エキスを飲んだりして、苦しみました。
引越しをしたら聞こえなくなったけど、ずっと音が聞こえるって想像以上に苦しいものです。
ファッションショーに使う衣装の生地を作るだけで、80分くらいはかかります。その手間を考えると、ガス室発言のジョン・ガリアーノの業績って、人間技とは思えません。
ミッドナイトスワンのあの子が成長した姿を見れて良かったです。
成程!これが推し活というものか!分からんが分かった!
兎にも角にも、ニンともカンとも、黒川想矢劇場をお楽しみください。
良い映画だと思うよー?