「忘れていたのは貴女の方」うぉっしゅ uzさんの映画レビュー(感想・評価)
忘れていたのは貴女の方
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初っ端、謎のスタイリッシュお出迎えからホラー風味の実家来訪に戸惑う。
そしてお母さん、ひと晩で準備できすぎ。笑
基本的に実家と職場、そして自宅での人間関係しか描かれず、介護・仕事・女子会の三角食べ。
実家に泊まらないのは名取さんを出すため、母の見舞いに行かないのはシナリオ簡略のためという作為を感じる。
しかし加那の介護風景はほどほどにリアルで、苛立ちも理解できるぶん気立ての良さも伝わる。
普通あの歳であそこまで出来ないよ。
痴呆や介護に対する哀しみや虚しさ、辛さの描き方は薄味だが、軽過ぎるとは感じなかった。
ソープ譲と介護のリンクは面白いが、本質はそこではなく「忘れてしまうこと」と「覚えていること」。
その点で言うとすみれとの別れは分かるが、久美の件やボーイのいい奴風の台詞(演技も棒)は不要かな。
髪色の話もあったのでガチ恋客が何かしてくるかと思ったが、それもない。
紀代さんの過去もあまり効いてこず、最後の気付きを名取さんに全部喋らせてしまったのはちょっと残念。
演出が鼻につくところも少しあり、特にカラーボールのところは不自然過ぎて浮いていた。
冒頭のホラー演出が、最後のお地蔵さん(?)で対比されるのは単純だけど嫌いじゃない。
主演の中尾有伽はじめ演技はよかったし、研ナオコがここまでやれるとは知らなかった。
全体の雰囲気、特に風俗嬢仲間と一緒に紀代ちゃんと遊ぶシーンはとても好き。
ただ加那と紀代の絡みは、描写としても1週間という設定からも物足りず。
加那はあの仕事をしてる理由すら分からないため、主役なのに奥行きが感じられなかったし。
印象こそ悪くないが、総じて掘り下げが浅かったかな。
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