「暖かく心に残る良い作品です」うぉっしゅ あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
暖かく心に残る良い作品です
少し尺が長い(115分)のが難だが気持ちよく観られる作品だった。
まず主役の加那を演じる中尾有伽さんと、紀江ばあちゃんを演じる研ナオコさんが圧倒的に可愛らしい。服装、髪の色もそうだが、加那の家や店の内装、紀江さんがこだわるカラーボールなど大道具、小道具の色めが鮮やかでガーリーな感じを引き立てている。
紀江さんは認知症が進んでおり、毎日、介護に通っても「はじめまして」から会話をスタートさせなければならない掟上今日子状態。
でもこの映画は介護の困難さを訴えることが主目的ではなく、前向きに生きていく女性たち(主役の2人以外の登場人物もほとんどが女性)を明るく描いた笑劇である。コメディというよりは日本映画伝統の軽喜劇に近い印象。それで連想したのは森田芳光の「の・ようなもの」だった。あれは落語家の日常でテーマは全然違う(ソープ嬢は出ていた)けど人間の面白さを捉えようとしているところは実に似ていて笑劇(ファルス)的感覚は通じるところがある。脚本、演出の岡崎育之介はさすが永六輔の孫だけのことはあるね。
だから介護の実態からズレてるとか、時間感覚がめちゃくちゃ(昼に介護して、夜にソープで働き、なおかつ飲みに行ったりする一日何時間あるんだとか、なんでそんな時間にブランドショップが開いてるんだとか)とか、この映画を批判する向きは多いけど、だって笑劇だもの、そんなしかめつらしく批判することはないんじゃない、もっと気楽にアハアハ笑いながら観たらいいんじゃないと思うのでした。楽しかったですよ。オススメします。
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